なぜ春はアレルギーを発症しやすいの?
暖かくなってくる春先は、植物の成長と同時に虫などの活動も活発になります。この時期は特に、犬の皮膚に影響を与えるアレルギー症状が増える季節。スギやヒノキ、カモガヤをはじめとするさまざまな花粉に加え、3月ごろから発生するノミがアレルギーの原因になることもあります。シャンプーやブラッシングで被毛を清潔に保ち、ノミ・ダニの駆除薬を使用することで予防を。清潔を保つことで予防になるので、お部屋の掃除もこまめにするようにしましょう。
アレルギーになりやすい犬種
アレルギーになりやすい犬種としては、柴、アイリッシュ・セター、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ダルメシアンなどが挙げられます。
主なアレルギー症状とは
花粉症
人の場合、花粉症の症状はくしゃみや鼻水、目のかゆみなどがありますが、犬の場合は皮膚のかゆみがほとんどです。ときには、目の充血を引き起こすこともあります。ブラッシングやシャンプーで花粉を落とし、室内は空気清浄機などで対策をしましょう。
マラセチア性皮膚炎
皮脂を好む「マラセチア」という酵母菌が気温の上昇で増加し、かゆみの強いアレルギー性皮膚炎を起こします。脂性の肌質のワンちゃんはとくに注意が必要。薬用シャンプーで予防・治療をおこないましょう。
ノミアレルギー性皮膚炎
「ノミアレルギー性皮膚炎」は、ノミに吸血されてから数年以上経ってアレルギーを引き起こすのが特徴です。特に5才を過ぎたころから皮膚にかゆみが出るといわれています。主に背中からももの内側、しっぽにかけて脱毛と炎症を起こし、全身にかゆみがでます。予防策としては、子犬の頃からノミ駆除薬を使用することが大切です。
※ノミの唾液が原因で短時間にかゆみが出る「ノミ刺咬性皮膚炎」とは異なります。
疥癬(かいせん)症
「疥癬(かいせん)」という皮膚に穴をあけて寄生するダニの仲間によって、アレルギー性皮膚炎を起こします。気温が上昇するとさらに悪化し、夜も眠れないほどの激しいかゆみに襲われるほか、脱毛などの症状も見られます。ダニはとても小さく、飼い主さんが肉眼で見つけることはできません。疥癬症になってしまったら、ダニを殺す外用薬の塗布や、内服薬での治療が必要です。
アトピー性皮膚炎
「アトピー性皮膚炎」は、特定のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)に対してだけではなく、さまざまな環境要因も加わることで、皮膚炎や脱毛、かゆみを引き起こします。春は家族の就職や学校の入学などで、何かと変化が多い季節。デリケートな皮膚体質のワンちゃんには特に注意が必要です。アトピー性皮膚炎には、薬用シャンプーや投薬で治療をおこないます。
花粉や虫によるアレルギーが増える春先は、愛犬の様子に目を見張るようにしましょう。もし愛犬の様子がいつもと違うようであれば、獣医さんの指示を受けて適切な対策をとってあげましょう。
出典/「いぬのきもち」18年3月号『春に気をつけたいこと一覧』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/kate
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。