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犬のアトピー性皮膚炎~原因や症状、治療法、予防法について~

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「アトピー」という言葉は知っていても、犬のアトピーがどんな病気なのか、よくわからない飼い主さんもいることでしょう。ここでは、犬のアトピーの原因や症状、治療法、予防になるホームケア、そして治療の詳細な情報を獣医師が解説します。

犬のアトピー性皮膚炎って何?

犬のアトピー性皮膚炎は、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に触れると、皮膚に炎症が起きる、アレルギー性皮膚炎のひとつです。激しいかゆみや皮膚の赤み、発疹などの症状が、わきの下や内股、太もも、前足や耳などにあらわれます。

アトピーになりやすい犬は?

繰り返し同じアレルゲンに触れるとアレルギーになるため、1才以上の犬に多く見られます。たとえば、0才のときにスギ花粉に触れて、翌年や翌々年にもスギ花粉に触れると、免疫が反応してアレルギーになります。3才までにアレルギーにならなければその物質がアレルゲンになる可能性が低くなるため、1~3才の犬が圧倒的に多いです。

遺伝的にアレルギーになりやすい犬もいます

アトピー性皮膚炎を含む、アレルギー性皮膚炎になりやすい犬種がいます。最近はとくに、フレンチ・ブルドッグや柴がなりやすいといわれています。

●遺伝的になりやすい犬
・フレンチ・ブルドッグ
・柴
・ゴールデン・レトリーバー
・ラブラドール・レトリーバー
・シー・ズー
・ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア など

犬のアトピーの原因は?

ハウスダストや花粉、カビ、ダニなどの虫、動物のフケなど、皮膚に付着する物質が原因です。アレルギーを起こした犬の検査をすると、ハウスダストに反応する犬が92%にものぼるものの、そのほとんどの犬がハウスダスト以外のアレルゲンにも反応することがわかっています。

アトピーで見られる犬の症状や行動

初めのうち皮膚はきれいなのに犬が体をかゆがり、その後赤くなって脱毛が始まります。症状が長引くと、皮膚にメラニン色素の沈着が起きて、皮膚が厚くなります。ひどくなると、かゆみが増して、犬は夜も眠れないという状態になることも。激しいかゆみが原因でイライラした様子を見せたり、攻撃的になったりする場合もあります。症状が出る部位は、おなかのほか、わきの下や内股、太もも、前足や耳などです。

アトピーの早期発見のコツ

犬は一度アレルギー反応を起こすと、ほかのアレルギーを連鎖的に発症しやすくなります。そのため、早期に発見して治療をすることが大切です。アレルギー反応は、わきの下や耳などパッと見ただけではわからないところにも出ます。ふだんからスキンシップをまめにして、被毛の間や見えにくい部位の皮膚をチェックしましょう。また、同じ部位を執拗にかくなど、犬にいつもと違う様子が見られることも。早期に発見して治療をすることができれば、アトピーの重症化を防げるうえ、治療効果も高まります。

動物病院での検査や治療法は?

犬がアレルギーを起こしたとき、原因はひとつとは限りません。遺伝的素因、ハウスダストなどの環境的素因、ストレスなど、さまざまな要素が重なって発症することが多いのです。そのため、何に対してのアレルギー反応なのか、確定することはとても困難です。ただし、アトピー性皮膚炎の原因を絞り込むには、「SPOT TEST」というアレルゲン特異的血清IgE検査(血液検査)が有効で、治療の方針を決めるときに役立ちます。アトピー性皮膚炎の治療は、体の免疫バランスを調整する、投薬治療が中心です。以前のアレルギー治療薬は効果があっても、副作用の強いものがありましたが、今は、短期的な投薬であれば、副作用の少ない「インターフェロン」や「シクロスポリン」などの治療薬もあります。これらは、体内の過剰な免疫を抑え、かゆみなどのアレルギー症状を緩和する効果がある薬です。また、治療の際にステロイド剤を使うことがあります。炎症を抑制し、かゆみを止めるなどの効果がありますが、副作用や依存性が強いため、1カ月5回程度を目安に、依存しない服用をしましょう。

完治を目指せる治療法って?

最近、アトピーの完治を目指せる治療法が注目されています。まず、「SPOT TEST」という血液検査で92種類のアレルゲンを調べます。その検査で陽性反応を示した一部のアレルゲンについて、「舌下減感作療法」という新しい治療も行われています。アレルゲンを配合した液体を毎日、舌の下にスプレーして取り込ませます。発症しない程度のアレルゲンに徐々に慣れさせることで、アレルギーを治すしくみです。

アトピーの予防にもなるホームケア

犬の皮膚からのアレルゲンの侵入を防ぐため、週に1回のシャンプーと毎日のドライワイプで、体に付着したアレルゲンを取り除くのが効果的です。ドライワイプとは、ペット用の拭き取りシートや不織布で被毛を乾拭きすることです。散歩のあとなど、毎日の習慣として行いたいですね。さらに、皮膚が乾燥しているとアレルゲンが体内に入りやすくなるため、動物病院で処方される動物用セラミド入り保湿液でケアするのもおすすめです。また、アトピー予防には、体内の免疫バランスの調整が有効。栄養バランスのいい総合栄養食のフードを与えるほか、無糖のプレーンヨーグルトや、乳酸菌を含むサプリメントを毎日与えて腸内環境を整えると、免疫バランスの調整につながります。

犬のアトピーは、完治を目指せる病気になってきたとはいえ、まだまだ、ずっとつきあっていく病気のひとつです。だからこそ、愛犬にも飼い主さんにも合った方法で、根気よく治療を行いましょう。また、若い犬の飼い主さんは、毎日のケアで予防を心がけ、スキンシップで皮膚の異変を見逃さないようにすることが大切です。

出典:『いぬのきもち』2013年1月号「犬のアレルギー最前線」、2015年4月号「イチからわかる犬のアレルギー」 (監修 荒井延明先生)

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