「春の植物・お花見」で気を付けたい誤食
寒い冬が去り、ポカポカした暖かな日差しが降り注いでくると、新緑が美しい春がやってきます。お庭や散歩道には草花が美しく咲き誇り、桜の季節がやってくると「お花見」が待ち遠しくなりますね。外に出る機会が増える春ですが、気を付けたいのが「愛犬の誤食」です。家庭菜園やガーデニングをしているときや、お花見を愛犬と楽しんでいるとき、愛犬が何か口に入れていませんか?今回は、愛犬が口にすると危険なものを解説します。
愛犬の誤食:庭編
トマトの葉
家庭菜園の代表ともいえる「トマト」ですが、葉と茎に毒性があり、口にすると過剰なよだれ・下痢や食欲不振・衰弱などを起こす原因になります。
アサガオ
胃腸障害を起こし、食欲不振や運動失調の原因になります。また、興奮や幻覚を起こすことも。
ユリ
全草に毒性があり、急性腎不全を引き起こす原因となる植物です。
チューリップ
下痢や嘔吐が見られ、よだれがたくさん出ます。毒性は球根部分が最も強いため、愛犬が庭をホリホリしていたら気を付けましょう。
シクラメン
下痢や嘔吐、よだれが過剰に出てきます。球根を誤食すると発作を起こし、死に至ることもある植物です。
ヒヤシンス
下痢や嘔吐症状が見られ、皮膚炎やアレルギー反応を起こす犬もいます。球根部分に最も強い毒性を持っています。
その他、散歩のときに見られるタンポポ・ヨモギ・つくし・クローバー・芝生などにも注意が必要です。今のところ毒性の報告はありませんが、歩道を管理している団体が定期的に農薬散布や除草剤処理をしている場合があるので、口に入れないよう注意しましょう。
愛犬の誤食:お花見編
お花見をするときは地面にシートを引き、飲食を楽しみます。犬にとっては、いいニオイがするおいしそうな食べ物が目の前にある状態。「食べちゃダメ!」と言っても、自制が効かなくなることもあるでしょう。そして人が花やおしゃべりに夢中になっているときは、犬にとってのチャンスタイムです。お弁当の中には、犬が中毒を引き起こすものや、のどに詰まってしまうものもあるので気を付けましょう。
のどに詰る・消化管に刺さる危険
・竹串、爪楊枝
・チキンの骨
・お弁当の仕切りに使ったアルミカップ、バラン
・トウモロコシのしん
・梅干しの種
中毒を引き起こす食べ物
誤食によるトラブルを回避しよう!
散歩ルートではリードを短く持ち、庭に出る際は、あらかじめ庭に危険なものが落ちていないかチェックしてから犬を出しましょう。犬が家庭菜園に入る場合は口に入れないよう注意し、不安があるのならリードでつなぎ、立ち入らせないようにした方が懸命です。
もしも愛犬が誤食してしまった場合は、すみやかに獣医師に相談しましょう。その際、何をどのくらい食べたか、どのような症状かを伝えられれば、診断もスムーズになるでしょう。
待ち遠しい春の訪れですが、好奇心にあふれた犬には危険なものもあります。気を抜きやすい季節ですが、愛犬をしっかりと守りましょうね。
出典元/「いぬのきもち」2016年4月号『春だから気を付けたい愛犬の病気・トラブル』(監修:東京動物医療センター院長 南直秀先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。