1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 雑学・豆知識
  4. 犬も「仮病」を使うことがある? 本当に不調かどうかの見極め方は|獣医師解説

犬と暮らす

UP DATE

犬も「仮病」を使うことがある? 本当に不調かどうかの見極め方は|獣医師解説

犬も人と同じように、仮病を使うことがあるのでしょうか?

【調査】愛犬が「仮病を使っている」と感じたことがある?

いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬の行動に関するアンケートvol.17』
いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬の行動に関するアンケートvol.17』
今回いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん145名に「愛犬が『仮病を使っている』と感じたことがあるか」アンケート調査を行いました。すると、飼い主さんの1割が該当する結果に。

【体験談】愛犬が仮病を使っていると思ったのは、どんなとき?

見つめる柴犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
では、飼い主さんはどのような愛犬の姿を見て、「仮病だ」と思ったのでしょうか。飼い主さんから寄せられた体験談を紹介します。
  • 「散歩中に疲れると牛歩になり、『大丈夫?抱っこする?』の言葉を待っている。少し抱っこして降ろすと、スタコラサッサと歩き出す!」

  • 「歩くのに疲れると足をひきずって、抱っこアピールする」

  • 「お散歩が嫌いなので、疲れてくるとワザと足をひいて歩く。慌てて抱っこしたまま家に帰り、部屋に離した途端、元気に駆けずり回る」

  • 「1匹が腰を痛くして甘やかしたら、もう1匹が足を引きずり『私も痛いのよ』とアピールしてる。でも、階段をすっすっと登り、仮病がバレた」

  • 「突然ソファから降りて、具合が悪そうな仕草で不安そうに見つめてくるので、『抱っこする?』と声かけると飛んでくることがたまにあります。抱っこした後は平然としてます」

  • 「前にクシャミや咳のような風邪症状で心配されたので、かまってほしい時や注目してほしい時、クシャミのような音を出してチラ見したりする」

  • 「抱っこしたまま離れない。大好きなチュールは食べるが、それ以外は食べなく、私からべったりして離れなくて。しんどいのかと病院に連れていくが、異常なし。病院から戻る車の中で元気いっぱい」

  • 「何か気に入らないことがあって不貞腐れて寝ているとき、ほんとに具合悪そうにしてます」

【獣医師解説】犬の「仮病」の考え方について

見つめるパグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
そもそも、犬は本当に仮病を使うことがあるのでしょうか? いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。

犬は仮病を使えるの?

——犬は仮病を使えるのでしょうか?
岡本先生:
「犬は人のように『病気のフリをしている』とは考えていないでしょう。人の仮病と同じような定義に当てはまるものはありませんが、仮病のように見える犬の行動はあります。

たとえば、『こうしたら注目された、優しくされた、かまってもらえた』ということを学習しての行動が、仮病のように見えることがあります」
——具体的にどのような行動を見せることがありますか?
岡本先生:
「よく見られるものとしては…

・おとなしくする(寒くて散歩に行きたくないから寝ているなど)
・片足をひきずるようにする
・ごはんを食べない(食べたくないから食べない/待っていればもっとおいしいものがもらえるなど)
・わざと足をなめる
・わざと飼い主さんの前で口から食べ物を出す

などでしょう。やりたくないことに対して反応しない様子を見せたり、過去の経験から自分の望み通りの飼い主さんの行動・反応が見られることを学習すると、犬が同じ方法を繰り返すことがあります。

わざと足をなめたり、飼い主さんの目の前で食べているものを口から出すことは、『アテンション・シーキング』と呼ばれます。これは飼い主さんと犬の関係が不調和な際に見られ、飼い主さんの気をひく行動です。注意して見てあげるとよいでしょう。

また、怪我をして治ったはずの足を引きずって歩いたり、痛くないのに鳴き叫んだりという行動を見せる犬もいますが、『これをすれば飼い主さんがかまってくれるはず』と過去の経験から知っており、仮病のような行動を見せている可能性があります」
——愛犬の行動を何か病気だと思って、動物病院で診てもらう飼い主さんもいます。実際に獣医師から「仮病ですね」と言われるケースもあるようですが、その場合はあまり心配する必要はないでしょうか?
岡本先生:
「必要な検査をした上で仮病ではないかと言われた場合は、病気の可能性は低いのでしょう。ただ、仮病であった場合は運動不足や、飼い主さんとのコミュニケーション不足の可能性もありますので、飼い主さんは少し気にしてあげるとよいかと思います」

愛犬の仮病のような行動を、飼い主さんは見極められるの?

見上げるキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
——愛犬の仮病のような行動を見たとき、飼い主さんはどのようなことを覚えておくとよいでしょうか?
岡本先生:
「愛犬が仮病を使っているのか、本当にどこか具合が悪いのかどうかを見極めるのは、飼い主さんでは難しいこともあると思います。まず大切なのは、愛犬の行動を見たときに『かまってほしくてしている行動だ』と決めつけず、油断しないことです。

たとえば、『ごはんを食べない』といった場合に、本当に食べにくかったり、ごはんが体に合っていなかったり、病気が隠れている可能性もあります。一時的に症状が出る病気もあるので、飼い主さんは常に愛犬の体調不良の可能性を考えて、気になる行動があれば早めに動物病院を受診しましょう」
いぬのきもちWEB MAGAZINE『犬の行動に関するアンケートvol.17』
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・岡本りさ先生)
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
CATEGORY   犬と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る