犬と暮らす
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犬も「仮病」を使うことがある? 本当に不調かどうかの見極め方は|獣医師解説
【調査】愛犬が「仮病を使っている」と感じたことがある?
【体験談】愛犬が仮病を使っていると思ったのは、どんなとき?
- 「散歩中に疲れると牛歩になり、『大丈夫?抱っこする?』の言葉を待っている。少し抱っこして降ろすと、スタコラサッサと歩き出す!」
- 「歩くのに疲れると足をひきずって、抱っこアピールする」
- 「お散歩が嫌いなので、疲れてくるとワザと足をひいて歩く。慌てて抱っこしたまま家に帰り、部屋に離した途端、元気に駆けずり回る」
- 「1匹が腰を痛くして甘やかしたら、もう1匹が足を引きずり『私も痛いのよ』とアピールしてる。でも、階段をすっすっと登り、仮病がバレた」
- 「突然ソファから降りて、具合が悪そうな仕草で不安そうに見つめてくるので、『抱っこする?』と声かけると飛んでくることがたまにあります。抱っこした後は平然としてます」
- 「前にクシャミや咳のような風邪症状で心配されたので、かまってほしい時や注目してほしい時、クシャミのような音を出してチラ見したりする」
- 「抱っこしたまま離れない。大好きなチュールは食べるが、それ以外は食べなく、私からべったりして離れなくて。しんどいのかと病院に連れていくが、異常なし。病院から戻る車の中で元気いっぱい」
- 「何か気に入らないことがあって不貞腐れて寝ているとき、ほんとに具合悪そうにしてます」
【獣医師解説】犬の「仮病」の考え方について
犬は仮病を使えるの?
「犬は人のように『病気のフリをしている』とは考えていないでしょう。人の仮病と同じような定義に当てはまるものはありませんが、仮病のように見える犬の行動はあります。
たとえば、『こうしたら注目された、優しくされた、かまってもらえた』ということを学習しての行動が、仮病のように見えることがあります」
「よく見られるものとしては…
・おとなしくする(寒くて散歩に行きたくないから寝ているなど)
・片足をひきずるようにする
・ごはんを食べない(食べたくないから食べない/待っていればもっとおいしいものがもらえるなど)
・わざと足をなめる
・わざと飼い主さんの前で口から食べ物を出す
などでしょう。やりたくないことに対して反応しない様子を見せたり、過去の経験から自分の望み通りの飼い主さんの行動・反応が見られることを学習すると、犬が同じ方法を繰り返すことがあります。
わざと足をなめたり、飼い主さんの目の前で食べているものを口から出すことは、『アテンション・シーキング』と呼ばれます。これは飼い主さんと犬の関係が不調和な際に見られ、飼い主さんの気をひく行動です。注意して見てあげるとよいでしょう。
また、怪我をして治ったはずの足を引きずって歩いたり、痛くないのに鳴き叫んだりという行動を見せる犬もいますが、『これをすれば飼い主さんがかまってくれるはず』と過去の経験から知っており、仮病のような行動を見せている可能性があります」
「必要な検査をした上で仮病ではないかと言われた場合は、病気の可能性は低いのでしょう。ただ、仮病であった場合は運動不足や、飼い主さんとのコミュニケーション不足の可能性もありますので、飼い主さんは少し気にしてあげるとよいかと思います」
愛犬の仮病のような行動を、飼い主さんは見極められるの?
「愛犬が仮病を使っているのか、本当にどこか具合が悪いのかどうかを見極めるのは、飼い主さんでは難しいこともあると思います。まず大切なのは、愛犬の行動を見たときに『かまってほしくてしている行動だ』と決めつけず、油断しないことです。
たとえば、『ごはんを食べない』といった場合に、本当に食べにくかったり、ごはんが体に合っていなかったり、病気が隠れている可能性もあります。一時的に症状が出る病気もあるので、飼い主さんは常に愛犬の体調不良の可能性を考えて、気になる行動があれば早めに動物病院を受診しましょう」
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・岡本りさ先生)
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ
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