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【獣医師監修】犬にマイクロチップを装着するメリットや注意点・費用は?

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この記事では、犬のマイクロチップについて解説します。マイクロチップの特徴やメリットをはじめ、義務化や安全性、日本と海外の現状、かかる費用、注意点などについてもご紹介しましょう。愛犬を守る方法のひとつとして、ぜひ検討してみてください。

この記事の監修

加藤 憲一 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター院長

 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
 麻布大学附属動物病院腫瘍科専科研修医
 麻布大学附属動物病院腫瘍科専科非常勤勤務

●資格:獣医師/日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/腫瘍科/画像診断科

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犬のマイクロチップとは?

おもちゃで遊ぶトイ・プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

マイクロチップとは犬などの個体識別番号が書かれたICチップを指し、愛犬が迷子になった場合に役立ちます。
昔と比べると野良犬を見かけることが少なくなったため、「殺処分される犬も減少しているのでは?」と思うかたも多いのではないでしょうか。確かに、犬と猫の引取数は昔より少なくなっています。しかし平成30年のデータではまだ約9万頭もの引取数があり、決して少ないとは感じられませんよね。

上記はあくまで「引取数」であり、平成30年にはその引取数の約42%は殺処分されています。注目したいのが、引取数である約9万頭のうち、約7万7千頭が「所有者不明」、つまり迷子や野良の犬・猫ということ。いくら飼い主さんが気をつけていたとしても、自然災害や思わぬ事故などで、愛犬が迷子になる可能性はゼロではないのです。

それでは、もしものためにどのような対策をしておけばよいのでしょうか? 犬や猫の迷子防止策として首輪に名札をつけておく方法がありますが、ふとした拍子に取れてしまうこともあるでしょう。そのようなときのために、マイクロチップを埋め込む方法が有効といえます。

愛犬を迷子にしないための対策については、こちらの記事も参考にしてください。

犬にどうやってマイクロチップを埋め込む?

マイクロチップは、犬の体に直接埋め込みます。かといって大がかりな手術を必要とするわけではなく、一般的な注射針より少し太めの「インジェクター」と呼ばれるチップ注入器を使い、体内に注入します。
麻酔や鎮静剤も必要とせず、犬が感じる痛みも通常の注射器と変わらないといいます。犬や猫の場合は、背側頚部皮下(首の後ろ)に埋め込むことが多いでしょう。

犬のマイクロチップの大きさや耐久年数は?

犬や猫などに埋め込むマイクロチップは、長さは8~12mm程度、直径は2mm程度の円筒形をしています。指先に乗るくらいの、非常に小さな「電子タグ」です。このマイクロチップには、飼い主さんのデータを15桁の数字を使って登録することができ、リーダーと呼ばれる専用機を使って個体情報を読み取ります。

マイクロチップの耐久年数は30年程度といわれ、電池を必要としないため、一度埋め込めば半永久的に機能します。さらに、一度体内に埋め込めば体外に出てしまうこともなく、データを書き換えられる心配もほとんどありません。現状では動物の個体識別の方法として、もっとも精度が高いといえるでしょう。

犬のマイクロチップのメリットは?

散歩中の柴
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬にマイクロチップを埋め込むメリットは、上記のとおり「個体識別」する際に役立つことでしょう。もし愛犬が迷子になって施設に引き取られたとしても、飼い主さんの情報(名前、住所、連絡先など)がチップに記録されているため、正式なルートで自宅へ返還されることが期待できます。読み取るリーダーは、全国の動物愛護センターや動物病院、保健所などに常設されているので安心です。

マイクロチップの義務化で何が変わる?

お部屋の中のミックス小型犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

2019年6月に改正動物愛護管理法が成立し、犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。これにより、犬や猫の繁殖業者など(ペットショップやブリーダー含む)にマイクロチップの装着・登録が義務付けられます。そのため改正動物愛護管理法の施行後は、ペットショップやブリーダーから迎え入れた犬にはマイクロチップが装着されていることになります。

一般の飼い主など、それ以外のかたには努力義務が課されます。ただし、マイクロチップに登録された犬を迎え入れた飼い主には、変更届出を行うことが義務付けられるため、自分で登録情報を変更しなくてはなりません。

すでに飼っている犬にもマイクロチップを装着するかについては、努力義務となります。現時点では、飼い主に対する罰則の規定はありません。

犬のマイクロチップの義務化はいつから?

マイクロチップの装着や登録が義務化されるのは、改正動物愛護管理法の公布から3年以内と定められています。改正動物愛護管理法は2019年6月19日に公布されたため、2022年の6月までには義務化がスタートしているでしょう。

犬のマイクロチップは本当に安全?

カメラ目線のフレンチ・ブルドッグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬にマイクロチップを装着するうえで、気になるのは安全性ですよね。これまでにマイクロチップを装着したことで大きな問題となった事例は見つかっておらず、外部からの衝撃による破損の報告もないそうです。
しかし、まれに犬の体内でマイクロチップが移動するケースがあります。とはいえ皮下組織内での移動に留まり、筋肉組織に入り込むわけではありません。そのため読み取りができなくなる可能性は考えにくいでしょう。

海外と日本のマイクロチップ事情は?

散歩中のマルチーズ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

日本のマイクロチップ事情

日本の動物園や水族館においてはほとんどの動物にマイクロチップが装着されるようになりましたが、一般家庭には当初はなかなか浸透しなかったようです。環境省がペットの飼い主を対象に行った平成23年の調査によると、首輪および名札の装着率が85.4%だったのに対し、マイクロチップの装着率はわずか7.8%でした。

しかし自治体などの呼びかけの成果もあり、2021年1月現在、マイクロチップの情報を登録する「動物IDデータベースシステム」には犬のみで180万件以上もの登録数が確認できるようになりました。2010年末時点では約45万件だったため、着々と数が増えてきたのです。

さらに2019年に成立した改正動物愛護管理法により、2022年の6月までには犬などへのマイクロチップ義務化が始まります。そのため、今後はほとんどのペットがマイクロチップを装着することになるでしょう。

海外のマイクロチップ事情

海外では、犬のマイクロチップ装着が浸透している国もあります。たとえばフランスやスイス、ベルギー、オーストラリアなどは、以前からマイクロチップの装着が飼い主の義務として定められていました。また中には、日本から犬を連れて行く際にもマイクロチップの装着を求めている国もあります。

犬のマイクロチップの費用は?

シャンプーした柴
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

マイクロチップの装着にかかる費用は動物病院によって異なります。一般的には数千円から1万円程度でしょう。
さらにマイクロチップへの情報登録料として、追加で千円程度かかります。中にはマイクロチップ装着費用を一部負担してくれる自治体もあるので、事前に調べておくのもおすすめです。

犬にマイクロチップを装着する際の注意点は?

日向ぼっこをするパグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

マイクロチップを装着できる年齢は、犬は生後2週齢、猫は生後4週齢くらいからといわれています。かなりレアなケースかもしれませんが、生まれたばかりでマイクロチップ装着前の幼犬期は、思わぬ脱出などに気をつけましょう。
さらに、情報をデータベースに反映するのに1週間程度かかるため、マイクロチップを装着したからといって油断しないようにしてください。

また、マイクロチップの団体には複数の種類があります。ペットショップやブリーダーから犬を迎え、すでにマイクロチップが装着されているとしても、念のためどの団体のものか確認しておきましょう。大半は「AIPO(動物ID普及推進会議)」の情報で照合することが多いのですが、まれに別の団体のマイクロチップの可能性もあるため、もし別の団体ならAIPOに変更することをおすすめします。

愛犬にマイクロチップの装着を検討しよう

飼い主さんを遊びに誘うゴールデン・レトリーバー
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

日本でも徐々に普及してきているマイクロチップ。環境省が発表した返還・譲渡数も、平成20年の約13%から平成30年には約58%まで上昇するなど、マイクロチップ装着の成果が見えつつあります。緊急時に愛犬を守るためにも役立つので、ぜひ前向きに検討してくださいね。

参考/「いぬのきもち」特別編集『犬との暮らし大事典』
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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