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【ペット栄養管理士が解説】愛犬にきゅうりをあげていい?栄養はあるの?
犬にきゅうりを食べさせても大丈夫?
きゅうりを与えるのにおすすめなタイミングは、夏場の暑い時期や冬場の空気が乾燥している時期。きゅうりに含まれる豊富な水分が、脱水症状の予防や体温調節に役立ちます。シャリシャリとした食感を好むのか、きゅうりを好きな犬も多いようで、おやつ代わりに与えている飼い主さんもいます。
しかし、これはどんな食べ物にもいえることですが、たとえ体に害を及ぼす成分が入っていなかったとしても、与える方法や量には注意が必要です。
きゅうりに含まれる犬に有益な栄養素
ほとんどが水分でできていることもあり、栄養素のない野菜だと認識されることも多いですよね。しかし、水分が多めでカロリーが低いからといって、栄養がまったくないわけではありません。βカロテンやカリウム、ビタミンKや葉酸などを含む野菜としても知られています。
そこで、きゅうりに含まれる食品成分と各栄養素の効能をまとめてみました。
食品成分 | 廃棄率 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単位 | % | kcal | g | g | g | g | g | g |
きゅうり | 2 | 14 | 95.4 | 1.0 | 0.1 | 3.0 | 0.5 | 100 |
有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫を増強させる効果が期待できる成分です。βカロテンは、きゅうり以外にも、にんじんやほうれん草、ピーマンやかぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類に多く含まれているのが特徴。βカロテンなどの栄養素を豊富に含む野菜や果物を摂取すると、人が心疾患やがんになるリスクが低くなるといわれています。
私たちの体内にある、ほとんどの細胞内液に含まれているカリウム。バナナやメロン、アボカドなどの果実類や、きゅうり、ほうれん草などの野菜類など、幅広い食材からも摂取できる栄養素です。カリウムは血圧の調整や体内の恒常性の維持に有効的な一方、摂取しすぎると高血圧を引き起こす恐れもあります。きゅうりに含まれるカリウムの量自体はあまり多くありませんが、腎臓や心臓が悪い愛犬の場合には、獣医師と相談して給与することをおすすめします。
ビタミンKは、人の骨の健康維持に欠かせない栄養素として知られています。きゅうり以外にも納豆やこまつ菜、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれており、人では骨粗しょう症の治療薬に使われることも多いです。また、人では動脈などの血管の健康にも役立つことが明らかとなっています。
葉酸は、きゅうりやほうれん草など、緑色の葉物野菜に多く含まれています。たんぱく質や細胞をつくるときに必要なDNAを合成する役割があり、赤血球の細胞の形成を助けるのに適しています。そのため人の脳卒中や心筋梗塞など、循環器系の疾患を予防する効果が期待できます。
1回であげる量
初めて与えるときは極力量を減らし、愛犬の様子を観察しながら与えるようにしましょう。愛犬がきゅうりをのどに詰まらせないよう、薄くスライスしたり小さめに切ってあげたりすると食べやすくなります。
こんな症状が出たら中止しましょう
が起こる可能性もあります。
アレルギーとなる食材は、犬ごとに異なります。低アレルゲンとうたわれていれば安全とは限りませんので、交差反応が心配なときは、動物病院で血液検査を受けるのも一つの手です。一般的には、体をかく動作が見られたり、皮膚が赤くなったり、抜け毛やフケが目立つときには、アレルギー反応が出ていることが多いといわれています。
なお、たんぱく質などとは違って、きゅうりは犬にとっての必須食材というわけではありません。愛犬がきゅうりを食べないときは無理強いをせず、少し様子を見るのが安心です。また、もしきゅうりを与えたことでいつもと違う症状が見られたときには、それ以降きゅうりを与えないようにしてください。症状が改善しない場合は、なるべく早めに動物病院を受診し、獣医師の診察を受けましょう。
約47%の犬がきゅうりが好き!というデータも
飼い主さんに、きゅうりについてアンケートを取ってみました!
1. きゅうりを食べさせていいか、食べさせてはダメか知っている?
食べさせてはダメ12%
分からない10%
また、きゅうりをあげたことのある飼い主さんの割合は55%と、半数の飼い主さんが実際にきゅうりを与えたことがあるようです。
好きかはわからないが食べる28%
好きではないが食べる6%
好きではないので食べない19%
およそ半数近くの愛犬がきゅうりを好きという結果になりました。ここできゅうりが大好きな愛犬たちの、思わずほっこりとするエピソードをご紹介します。
【愛犬のきゅうり好きエピソード】
・きゅうりを調理し始めると催促してくる
・結構本格的な家庭菜園を行っているのだが、よくきゅうりや白菜にかじりつこうとする
・落としてしまったきゅうりを愛犬が食べて以降、きゅうりを見るとせっついて来る。
・きゅうりの食感が良いのか喜んで食べる。
・とにかく野菜が大好きです!フードへのトッピングも野菜が一番喜びます。特に好きなのはきゅうりとキャベツです。
・野菜室を開けると必ず覗きに来て、きゅうりや白菜、キャベツを取り出す時には足元で待機しています
・大好きなきゅうりやキャベツを切る音がすると、必ず足もとでおすわりしています。
・きゅうりが大好きらしく、シッポをふってもらえるのを待っているのでついあげてしまいます
・きゅうり、トマトを切り始めるとどこにいても飛んできて、私の足にくっついてちょうだいアピールをしてきます!
・きゅうりをダイエット時のおやつにしています
・きゅうり、トマトは畑で栽培しているものをそのまま食べようとする
・きゅうり大好き。ピーラーで皮を剥いたとたんキラキラお目目で見上げてきます。
・きゅうりがとにかく大好きで、代わりに大根をあげても上の空。大根を床においてきゅうりを待っています
一方で、きゅうりが嫌いというエピソードもちらほらありました。
【愛犬のきゅうり嫌いエピソード】
・きゅうりを見せても匂いを嗅ぐだけで、人の顔を見てこれじゃないって顔をします
・レタスときゅうりは吐き出します。大嫌いです。
・きゅうりを毎日与えていると食べなくなります。
・きゅうりが原因なのか下痢が長引いた事があり、それ以降きゅうりを食べなくなった
きゅうりを使ったおすすめ犬おやつレシピ
きゅうりを使ったおすすめ犬おやつレシピ
これはきゅうりだけでなくどんな食材にも共通していえることですが、手作りおやつやごはんを作る際に大切なのは、嗜好性ではなく健康です。砂糖やはちみつ、塩などの調味料で味付けするのは避けてください。もし愛犬と同じ食材を飼い主さんも食べるときには、味付けする前のボウルや鍋を別にした状態で調理します。
毎日の食事は栄養バランスのとれたドックフードをベースとし、たまの楽しみとして犬にきゅうりなどの食材を与えるようにしてくださいね。
ここでは、きゅうりと黄パプリカを使ったサラダレシピをご紹介します。野菜を星型でくり抜くだけなので、忙しいときでも簡単に作れて便利。お手軽にカワイイサラダが手作りできます。
・材料(作りやすい分量)
きゅうり・・・13㎝分
黄パプリカ・・・5cm分
・作り方
きゅうりを縦半分に切りピーラーでスライスし、黄パプリカとともに星型でくり抜きます。スライスきゅうりの片端を三角に切り落とすと、キュートな雰囲気になるのでせひ試してみてください。
・カロリーと保存期間
全量で4キロカロリーほど。保管は冷蔵庫にて行い、当日中に食べきるのが好ましいです。
・ステップアップレシピ
お湯150mlに粉ゼラチン小さじ1を混ぜ、冷蔵庫で2~3時間冷やした透明ゼリーを添えるのもおすすめ。冷蔵庫から取り出したあとは、フォークで粗くくだいて、お皿に盛りつけます。また黄パプリカときゅうりを大小の星型でくり抜き、フードの上に飾ってもオシャレに仕上がりますよ。
手軽に食べられるきゅうりで愛犬と楽しく健康に
きゅうりの旬は夏から秋にかけて。
カロリーが低い野菜のため、ダイエット中の愛犬のおやつにもピッタリ。毎日のコミュニケーションや健康のために、おいしいきゅうりを役立ててみてくださいね。
きゅうり大好きなワンちゃん動画を集めました
きゅうりの他にもこんなにある!犬が食べられる野菜
- きゃべつ
- さつまいも
- トマト
- じゃがいも
- にんじん
- 大根
- 白菜
- ブロッコリー
- レタス
- かぶ
- かぼちゃ
- セロリ
- パセリ
- グリンピース
・果物
皮や筋、芯や種を取り除き、食べやすい大きさに切ったものを与えてください。糖分が多いため与えすぎには要注意。果物のなかには葉や茎が有毒なものもあります。
バナナ・・・皮をむいた状態で、筋を取り除いて与える
りんご・・・皮をむいた状態で与える
すいか・・・皮や種は取り除く
いちご・・・表面の種はそのままでもよいが、ヘタは取り除く必要がある
・魚介類
新鮮なものであれば生で与えても大丈夫ですが、心配なら軽く茹でたものを与えるほうが安心です。骨や皮はきちんと取り除くのが基本。塩分を多く含む魚や、消化しにくい貝類は避けましょう。
たら・・・生のたらを加熱して与える
鮭・・・生鮭を加熱して与える
まぐろ(赤身)…血液をサラサラにする効果も
・肉類
肉類の脂身は消化不良を起こすこともあるため、なるべく薄切りの赤身肉を与えるようにしてください。生肉は食中毒の原因となる菌が付着しているため、必ず加熱したものを使用しましょう。
犬が食べると危険!犬の体に害になる野菜
- 玉ねぎ
- 長ネギ
- アボカド
- ぎんなん
- ナス
- にら
- にんにく
- ごぼう
- とろろいも
・果物
プルーン・・・呼吸困難やショック症状の恐れあり
いちじく・・・皮や葉、果肉に中毒成分が含まれる
マカダミアナッツ・・・食後12時間後に、嘔吐やけいれんなどの中毒症状が発生することも
ぶどう・・・腎不全や下痢などを引き起こすケースが多い。腎臓病の犬には特に注意が必要
・果物以外
生卵(白身)・・・加熱をすれば与えてもよいが、生の白身には中毒の危険がある。
いか・たこ・・・身が硬いため消化できずに嘔吐や下痢を引き起こすことがある
ごぼう・・・食物繊維が豊富でアクも強いため、与えないほうが無難
わかめ・・・未消化のまま便に出てきてしまうことが多い
えび・かに・・・殻を誤飲する恐れがある。消化に悪い
脂肪分が多い肉や魚・・・消化不良の原因に。日常的に摂取していると肥満の原因にも
食パンの耳・・・脂肪分を多く含むため、与えるなら白い部分を少量にして。
上記以外にも、人用に調理された料理は犬にとって脂肪分や塩分の摂りすぎになってしまうものばかり。カフェインやアルコールが入ったドリンク類や刺激物、珍味やお菓子、スナック類などもすべて有害となってしまうため、犬に与えないようにしてください。また、調味料不使用のものでも、モチのようにかまなければ食べられない食品も犬には不向きです。
(監修:ペット栄養管理士/ペット東洋医学アドバイザー いちかわあやこ先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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