犬たちの愛らしいしぐさは、彼らのさまざまな感情を表しています。今回は、犬のしぐさの理由を「プラスの感情」と「マイナスの感情」とに分類。獣医師の藤本聖香先生にお話を伺い、各しぐさに込められた犬の気持ちについて解説します。
まずは、「うれしい」「大好き」など、犬がプラスの感情のときに見られるしぐさを3つご紹介します。
耳を寝かせて目を細める→「うれしい!」「大好き」「楽しい!」
耳を寝かせて目を細めるしぐさには、犬の「うれしいな」「安心する」といった気持ちが込められています。このとき、犬の耳と耳の間は広がって見え、体は緊張していないことも特徴です。
犬が頭をなでられたときや、好きな人に会ったときなどに多く見られるしぐさです。
おなかを見せて寝転がる→「かまってほしい」「大好き」「なでて」
犬が自分のおなかを見せ、体の力を抜いて寝転がるしぐさは、「かまって!」「なでて!」というメッセージです。このときの犬の体からは力が抜けています。犬がこのしぐさを見せるのは、信頼している相手にだけです。
お尻をくっつける→「大好きだよ」「落ち着くよ」
犬が飼い主さんに対して自分のお尻や背中をくっつけるしぐさには、「大好きだよ!」や「落ち着くな」などの意味があります。犬は大好きな飼い主さんに密着することで、安心感を得ているのです。
ここからは、「寂しい」「不安」など、マイナスの感情のときに犬が見せるしぐさを3つ解説していきます。
上目づかいをする→「寂しいな」「かまって」
犬が上目づかいを見せるときは、「寂しいな」「つまらないな」など、マイナスな感情を抱えていることが多いです。留守番の前や、飼い主さんにかまってもらえないときなどに多く見られるしぐさです。
片足を上げる→「ん?」「怪しいぞ」
犬が片足を上げて立つしぐさは、その場の雰囲気や相手に対して、緊張や不安を感じているサインです。ストレスにより体が固まってしまっている状態と考えてもよいでしょう。自分を落ち着かせようとする気持ちの表れであることも。
自分をなめる→「不安だな」「体に違和感がある」
犬が自分の体をなめるしぐさは、ストレスを感じている、または退屈な気分のときに見られやすいです。しつこくなめればなめるほど、その気持ちが強いことを表しています。また、内臓や皮膚などに痛みや違和感があるときになめ続けることもあります。
犬たちは日頃から、さまざまなしぐさを通して自分の気持ちを表しています。愛犬を注意深く観察して感情を読み取り、毎日のお世話に活かしましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(獣医師 英国APDT認定ペットドッグトレーナー)
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第3章 きもちがわかる!早見表にしました!いぬのしぐさ35』
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※ここで挙げているのは、犬のしぐさと気持ちの一部です。そのため、犬の性格やそのときの状況などによってはここで紹介しているものとは違う感情をいだくこともあります。