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犬のフィラリア予防薬を決められた最終投薬月まで服用させる理由
「犬のフィラリア予防薬を決められた期間服用させる理由」について、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生に話を聞きました。
犬のフィラリア予防薬は最終投薬月まで服用させることが大切
山口先生:
「犬のフィラリア予防薬の服用は、暖冬や寒い冬に関係なく、獣医師から処方された期間の最終投薬月までしっかり飲ませることが大切です。
特に、寒くなったから、蚊の姿が見えないからといって飲み忘れが起こりやすい最終投薬月は忘れずに服用してください。
お住まいの地域によっても気候は変わるかと思いますが、春になり翌年のフィラリア予防薬を飲み始める時期については、基本的にはかかりつけの獣医師の指示を守って頂ければ問題ないと思います。」
フィラリア予防薬はどんな薬?
山口先生:
「フィラリア予防薬は、蚊に刺されないようにする薬でもなければ、フィラリアが犬の体内に入らないようにする薬でもありません。
犬が蚊に刺された際に体内に入り込んだフィラリアの幼虫を体内で駆除し、寄生・繁殖を予防するためのお薬です。
蚊に刺された際に犬の体内に侵入したフィラリア幼虫は、皮膚の下の『皮下』という組織で成長し、やがて血管に入り込み心臓に寄生します。フィラリア予防薬は皮下にいる幼虫には有効ですが、血管や心臓に入り込んでしまったフィラリアの駆除はできません。
蚊の体内にいるフィラリア幼虫は気温が高くなると感染力を持ちますが、その期間は地域によって異なります。このため、フィラリアの感染を防ぐためには感染する可能性のある最終月の翌月まで薬を飲むことが必要です。
たとえば、4月から11月が感染期間にあたる場合は、5月〜12月が予防薬の服用期間です。12月に飲ませることで、11月に感染したフィラリアの駆除をします。」
飼い主さんの判断でフィラリア予防薬の服用をやめると感染する可能性も
山口先生:
「たとえば、蚊を見かけなくなったからといって飼い主さんが勝手に愛犬に予防薬を与えることをやめてしまうと、前の月に体内に侵入したフィラリア幼虫が成長して、血管内や心臓に寄生してしまい、感染を成立させてしまう恐れがありますし、実際にそういったケースはみられます。
寒くなり蚊がいなくなったとしても、決められた期間はフィラリア予防薬を服用し、フィラリア症に感染しないよう予防をしましょう。」
フィラリア予防薬は最終投薬月までの服用が大切です。参考にしてくださいね。
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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