私たち人や犬は生活していく中で、さまざまな菌に囲まれています。その菌の中には、犬の体に良い働きをするものがいる一方で、犬の体に害をもたらして健康を脅かすものも存在します。今回は、予防接種や散歩時の注意など、菌に負けないために普段から気を付けたいポイントを解説します。
犬と共存しているさまざまな菌
犬にとって身近な菌といえば、「細菌」「真菌(カビ)」「ウイルス」の3つです。細菌や真菌はそれぞれ細胞を持っているため、栄養などの条件がそろえば自分で生きていくことができます。しかし、ウイルスの場合は自分の細胞を持たないかわりに遺伝子を持っているので、ほかの生物の細胞を利用しながら増殖を図ります。
また、3つの菌のうちの細菌は空気中や不潔な所以外にも存在し、目には見えませんが人や犬の体にも存在しています。このような細菌は、病原菌の侵入を防いだり消化を助けてくれたりと、人や犬と共に生きる「共生関係」にあるものもあるのです。
有害な菌との付き合い方とは?
このように人や犬の周りには、健康のために役立つ菌もいますが、有害な菌も存在します。生きていくうえで菌と接することは避けられませんが、有害な菌は取りのぞくことで病気に感染するリスクを減らすことができます。
身に着けるものを清潔に保つ
毎日身に付けている首輪や洋服は、汚れやすく菌の温床になっているかもしれません。洗いやすい素材のものを選んで、清潔に保つようにしましょう。
おもちゃやフード皿の除菌・消毒
愛犬が遊んだおもちゃは唾液が付着し、放置していると雑菌が繁殖することがあるので、定期的に洗って消毒しましょう。また、犬用のフード皿や水皿は雑菌が繁殖しやすいので、その都度洗って、しっかり乾燥させるのも有害な菌から愛犬を守るためには大切です。
予防接種を徹底する
予防接種にはいろいろな種類があります。感染すると危険な菌の中には、事前に予防接種を受けておくことで感染リスクを最小限に抑えられるものもあります。季節や地域の情報、愛犬の健康状態をかかりつけの獣医師さんとよく相談して、予防接種の種類を決めていきましょう。
散歩時にも注意することで有害な菌を回避!
他にも、有害な菌から愛犬を守るためには以下のような点に注意するようにしましょう。
拾い食いはさせない
散歩道には子どもが落としたお菓子や、カラスが荒らしたゴミなど、なにが落ちているか分かりませんよね。中には犬にとって中毒になる成分が含まれていることも。そして、常温で放置されていたものには、どんな有害な菌が付着しているか分かりません。散歩中は道に落ちている物に注意し、絶対に拾い食いをさせないようにしましょう!
散歩の後は足を拭く
裸足で歩く犬の足は常に地面に密着しており、その地面にはさまざまな菌が存在しています。散歩から帰ってきたら、まずは水で濡らしたタオルで足を拭いてあげましょう。それだけでも付着した菌から愛犬を守ることができますよ。
犬用グッズの消毒・乾燥はしっかりと!
有害な菌から愛犬を守るためには、予防接種はもちろん、愛犬の周りにあるものを常に清潔に保ち、外へ出かけた後は愛犬の足を拭くなどのお世話を徹底するのが大切です。このようなお世話を、日常生活の中でルーティーン化しておくのもいいでしょう。ぜひ実践してみてくださいね!
出典/「いぬのきもち」2017年6月号『犬をとりまく菌の世界』(監修:斉藤動物病院院長 齊藤邦史先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。