腸が元気だと免疫力もアップします!
わんちゃんの体を細菌やウイルスから守ってくれるのが「免疫力」ですが、獣医師の齊藤邦史先生によると、その70%ほどをまかなってくれているのが「腸」の力なのだそうです!わんちゃんが食べ物を口にしたとき、その消化や吸収、排泄までを引き受けているのが腸。その腸の中には、有毒物質を発生させて免疫力を低下させてしまう「悪玉菌」と、この悪玉菌の働きを抑えながら、健康をキープするために必要な物質をつくってくれる「善玉菌」、善玉菌と悪玉菌のうち数が多いほうの味方をする「日和見菌(ひよりみきん)」が存在します。善玉菌を増やすことができれば、日和見菌も味方をして、腸内環境は一気に善玉菌が優勢に。免疫力向上に役立つというわけです。
腸を元気にする食べ物って?
食べ物の中には、善玉菌を増やして、腸内環境を整えてくれる働きをするものがあります。わんちゃんの場合は、適切な量のフードを与えれば必要な栄養素をとりいれることができますが、免疫力アップのためにもトッピングしてみるとよいかもしれません。いくつかご紹介しますので、チェックしてみてください!
発酵食品
納豆やヨーグルトなどの発酵食品を取り入れると、腸の中で善玉菌が増えやすくなると考えられています。わんちゃんに与えるときは、味つけはせずプレーンの状態で与えましょう。善玉菌を増やして悪玉菌を減らしてくれるので、免疫力アップに役立ちます。
オリゴ糖
オリゴ糖はバナナなどに含まれますが、胃や小腸では消化されにくいので、大腸まで届きやすいのが特徴です。大腸にオリゴ糖が届くと、善玉菌やビフィズス菌のエサになり、腸内の環境を整えてくれると考えられています。
動物性たんぱく質
免疫機能を活性化させるには、細胞をつくる主な成分である「たんぱく質」が重要です。とくに赤身肉などには、たんぱく質がたくさん含まれていますのでおすすめ。犬はもともと肉食なので、動物性たんぱく質との相性もバッチリです。
ミネラル
ミネラル類は体の組織をつくってくれる原料といわれています。種類には亜鉛やセレンなどがあり、これはのりやひじきなどに多く含まれています。骨や歯を丈夫にしてくれたり、免疫細胞を守ってくれる働きがあります。こちらも味つけなしのプレーンで与えるとよいでしょう。
食物繊維
食物繊維は、レンコンなどの根菜や野菜に多く含まれています。摂取すると、腸の中にある有害な物質を排除してくれる働きも。善玉菌を増やして、免疫細胞(リンパ球)を活性化させて免疫力を高めてくれると考えられています。ただし、なかには与えすぎると下痢するわんちゃんもいますので気をつけてください。
青魚系の油
イワシやサバなどの青魚には、n-3系脂肪酸のEPAが含まれています。これは血液を健康な状態にしてくれたり、炎症を抑える働きがあるといわれています。与えると、免疫力アップにも役立つといえるでしょう。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンとは、水に溶けにくく、油(脂)に溶けやすいビタミンのこと。ほうれん草に多く含まれているビタミンAのほか、ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKなどの種類があります。適度に摂取すると、細胞の免疫機能をキープしてくれます。
※生のほうれん草は犬に与えないでください。
コレステロール
コレステロールは卵などに含まれています。コレステロールと聞くと、悪いものというイメージが強いかもしれませんが、古い細胞が新しい細胞に入れ替わるための原料になるので、実は免疫力アップには欠かせないものなのです。もちろんとりすぎはNGですが、たまに摂取してみてもよいでしょう。
※卵の白身は犬に与えないでください。
腸の中から健康になろう♥
いかがでしたか?いずれも与えすぎはNGですが、バランスよく与えればわんちゃんの免疫力アップにつながるものばかりですので、ぜひ取り入れてみてくださいね♪
※アレルギーや持病のある犬など、犬の体質は千差万別です。与えると体調を崩す場合がありますので、くわしい与え方や分量についてはかかりつけ医に相談のうえ、少量から1種類ずつ、様子を見ながら与えてください。問題ない場合も、1日におすそわけする食品は1、2種類にとどめましょう。
※万が一異変が起きた場合には、与えるのを中止して動物病院を受診してください。
参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ「いぬのきもち」2017年12月号『愛犬の免疫力をアップさせる4つの柱(監修:斉藤動物病院院長 齊藤邦史先生)』
イラスト/福留鉄夫
文/影山エマ