愛犬の心身を健康に保つには、飼い主さんとの良質なコミュニケーションが欠かせません。では、ふだんどう接するといいのでしょうか。今回は、愛犬の健康長寿のために取り入れたい「接し方」のコツについて、獣医師の藤本聖香先生と若山正之先生に伺いました。
ほかの犬と比べないようにする
「犬一頭一頭に独自の性格や体質があります。しつけや運動能力、体調などをほかの犬と比較することは、愛犬にストレスを与えることも。愛犬は世界一と思って、ほかの犬ではなく愛犬に合った接し方を心がけましょう」(藤本先生)
日々ポジティブに笑顔で接する
「犬は飼い主さんの感情や態度に非常に敏感です。飼い主さんが笑顔でいれば、愛犬も不安を感じにくくなり、心穏やかでいられます。ネガティブなことは引きずらず、愛犬の前ではなるべく笑顔で過ごせるとよいですよ」(藤本先生)
苦手なお手入れはプロに頼る
「シニア犬になると、家の中で過ごす時間が増えがちに。家の中がストレスにならないよう、爪切りなどの苦手なお手入れはプロに頼るのも手。ただし、噛む犬は断られることもあるので、体に触ることには慣れさせておくようにしましょう」(藤本先生)
マッテだけはできるよう極め抜く
「マッテは動物病院での受診時やお手入れ時のほか、災害などの緊急時に愛犬の身を守ることにも役立ちます。ほかのしつけが苦手でも、マッテだけはいつでもどこでもできるように極めておくとよいでしょう。ただし、食事前の長時間のマッテは不要です」(若山先生)
12才を過ぎたら触る前にひと声かける
「年をとると目や耳などの感覚器官はどうしても衰えがちに。突然触るとびっくりさせてしまうこともあるので、12才を過ぎたら、愛犬の顔が見える位置からひと声かけたうえで触れるのがよいでしょう」(若山先生)
愛犬には健康に長生きしてもらうだけでなく、日々心穏やかに過ごしてほしいですよね。愛犬の心を健やかに保つためにも、ふだんから愛情深く、安心感を与える接し方を心がけましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)、若山正之先生(若山動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2025年3月号『20才を目指して キホンから“ちょっと意外”なものまで獣医師に聞きました! 愛犬の健康長寿にいいこと』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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