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突然エアコンが停止したら「愛犬の暑さ対策」はどうする? 専門家に聞いた

夏に突然エアコンが使えなくなったら……考えただけで恐ろしいですよね。犬が熱中症になるまではあっという間。飼い主さんはその間に何ができるのでしょうか。

今回は、エアコンが止まったときの対処法や備えなどについて、災害時のペット問題にも取り組む獣医師の大下勲先生に詳しく教えていただきました。

突然エアコンが止まったらどうする?

ポメラニアンのこむぎちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬は全身を被毛でおおわれているため、人よりも熱中症になりやすく、エアコンが停止すると熱中症危険度が一気に上昇します。飼い主さんの在宅時であれば、愛犬をエアコンが設置してある別の部屋へ。停電などが原因の場合は、少しでも涼しい場所に退避させてあげましょう。

故障が原因で修理に時間がかかる場合

エアコンが直るまでに時間がかかり、家の中でほかに避難できる場所がない場合は、愛犬だけでもペットホテルや信頼できる“犬友”などに預けましょう。エアコンが壊れたときはどこに預けるか、あらかじめ決めておくとスムーズです。

停電などで早期に解決できる場合

一次的な停電などで早期回復が見込まれる場合は、飼い主さんと一緒に車内で待機してもよいでしょう。車中ではエアコンをつけるほか、こまめな水分補給や車外での休憩も必要です。車内に熱中症対策グッズを積んでおきましょう。

突然のエアコン停止への備え

パグのののちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
夏のエアコンは、犬にとって生命維持装置に等しいもの。エアコンが使えなくなった際に少しでも暑さをしのぎ、熱中症から命を守る一助となる備えをご紹介します。

保冷剤や氷は多めに備えておく

愛犬が暑そうにしているときは、保冷剤や氷を体に当てることで冷やせます。エアコン停止時のほか、応急処置などの緊急時にも使えるので、多めに備えておくと安心です。

保冷剤を使った応急処置方法

わきの下を冷やす犬
わきの下を冷やす犬 参考・写真/「いぬのきもち」2025年7月号『熱中症はもちろん! 災害から愛犬の命を守る 夏のサバイバル術』
首まわりやわきの下、鼠径部(そけいぶ)には太い血管があるため、ここにタオルで包んだ保冷剤を当てることで、冷えた血液が体を巡り、効果的に体を冷やすことができます。緊急時の一時しのぎにも◎

温湿度計を愛犬の近くに設置しておく

クールグッズを取り入れて愛犬の熱中症対策を
参考・写真/「いぬのきもち」2025年7月号『熱中症はもちろん! 災害から愛犬の命を守る 夏のサバイバル術』
熱中症を防止するには、室温26℃以下、湿度50~60%を目安に保ちたいもの。エアコンが突然停止し、家の中で愛犬を一時避難させる場合は、温湿度計を活用しながらなるべくこの条件に近い場所を選びましょう。

クールグッズを活用する

犬用の熱中症予防グッズは、さまざまな機能を備えたものが開発されています。接触冷感機能のある保冷マットや、たたくと冷たくなる冷却剤など、愛犬に合ったものを活用しましょう。

遮熱フィルムやカーテンで直射日光を軽減する

熱中症対策に役立つアイテム
参考・写真/「いぬのきもち」2025年7月号『熱中症はもちろん! 災害から愛犬の命を守る 夏のサバイバル術』
窓から直射日光が入るだけでも室温が一気に上昇します。部屋の中で直射日光が入ってきやすい窓に遮熱フィルムを貼ったり、遮熱・遮光カーテンを取り入れたりすると部屋に入る直射日光を防げるので、日中の室温上昇を抑えることに役立ちます。

エアコンがついていないときの各部屋の温度を計測しておく

愛犬がいない状態でエアコンを停止させ、各部屋の温度がどれくらいまで上がるのかを部屋ごとに調べておくと、エアコンが停止した際に愛犬を一時避難させる手掛かりになります。また、比較的涼しく安全に過ごせる部屋がある場合は、ふだんから愛犬が自由に移動できるように、その部屋へつながるドアを開けておくのも手です。

留守中にエアコンが止まったら

ととろくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
近年の夏は、豪雨や雷雨などで予想外の停電に見舞われるリスクも。留守中にエアコンが停止した際のリスクを最小限に抑える方法も考えておきましょう。

頼れる人に連絡をしつつなるべく早く帰宅する

たった数分エアコンが停止しただけでも、犬にとっては命取りになります。自動回復機能を備えたエアコンだとしても、愛犬の無事は目で確認したいもの。帰宅するまでの間、家族や近所の“犬友”などに、愛犬の様子を確認してもらえるよう、ふだんからネットワークをつくっておくと安心です。

見守りカメラを設置し、エアコンが停止していないか愛犬に異変がないか確認する

見守りカメラから見える位置に温湿度計を設置しておくと、帰宅までの間も温度と湿度をチェックしながら、愛犬の様子を確認できます。また、凍らせたペットボトルを複数置いておくと、保冷剤代わりになるほか、結露がいざというとき飲み水代わりになることも。

水飲みボウルは安定感のあるものをふだんより+1個置く

安定感のある水飲みボウルと犬
参考・写真/「いぬのきもち」2025年7月号『熱中症はもちろん! 災害から愛犬の命を守る 夏のサバイバル術』
犬は水を飲むことで体温を下げます。愛犬が必要な分だけ水が飲めるように、留守番時は水飲みボウルをふだんより1個以上多く置いておきましょう。底が広い安定感のある陶器製のボウルだと転倒防止になります。
そのほか、エアコン停止の原因が気象災害だった場合、公共交通機関にも影響が出る可能性があるので、帰宅ルートは事前に複数調べておくと安心。ぜひ参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/大下勲先生(大下動物病院院長 公益社団法人日本獣医師会危機管理室室員 大阪VMAT(獣医療支援チーム)副隊長)
参考・写真/「いぬのきもち」2025年7月号『熱中症はもちろん! 災害から愛犬の命を守る 夏のサバイバル術』
文/長谷部サチ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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