ふだん愛犬や飼い主さんが何気なくやっているクセや習慣。実はそのなかには、愛犬の体に負担をかけてしまうものもあります。
そこで今回は、犬の骨や足腰に負担のかかるNG習慣と、その改善方法について、獣医師の田草川佳実先生に伺いました。
NG習慣(1)ソファからの飛び降り
犬の前足の骨は意外に細く、ソファから飛び降りて着地した際に、急激に負荷がかかって折れてしまうことがあります。とくに骨や筋肉がまだ成長途中の子犬は要注意です。前足が折れたときはその場で「キャン!」と鳴いたり、傷めた足を床につけないようにして立ったりするようになります。
家にソファを設置する場合は、愛犬がジャンプしなくても上り下りができるローソファにするのがおすすめです。もちろん、ソファに上らないようにしつけたり、そもそもソファを撤去したりしてもよいでしょう。
NG習慣(2)フローリングで走る・転ぶ
滑り止め処理をしていないフローリング上を行き来することは、実は愛犬の足腰に負担がかかる行動です。犬は滑らないよう足に力を入れて床上を行き来しますが、それでも滑って前後左右の足が意識に反して開いてしまったり、走って横転したりしてしまい、足に負荷がかかってケガをする可能性大です。
フローリングの床には敷物を敷いたり、もしくは滑り止め用の床保護材を塗布したりするのがおすすめです。また、足裏の毛が伸びていると滑りやすくなるので、肉球からはみ出す毛はこまめにカットするようにしましょう。
NG習慣(3)急な階段の上り下り
とくに家の階段は犬からすると急で歩幅が合いにくく、足を滑らせてケガをすることがあります。また、無理な体勢で昇降することになるので背中の負担となり、椎間板ヘルニアを招くおそれもあります。
階段にはゲートなどを設けて、犬だけで自由に行き来させないようにするのが得策です。階段を上り下りするときは、必ず愛犬は抱っこして行き来するようにしてください。
NG習慣(4)飛びつき行動・二足歩行
「かまって」「サークルから出して」と、要求やアピールのために人に飛びついたり、二足歩行したりすることを習慣にしていると、徐々に犬の足腰に負担がかかります。ひざのゆるみや、将来、関節痛を招くおそれもあります。愛犬の要求は、オスワリなどをさせてからのむようにしてください。
愛犬の体に負担のかかる悪習慣はこの機会に断ち切るようにしましょう。もし、愛犬の気になる習慣やクセがある場合は、ささいなことでもかかりつけ医に相談するようにしてくださいね。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「いぬのきもち」2020年4月号『あなたや愛犬が、なにげな~くしちゃっているいつものクセや習慣は大丈夫?愛犬の病気・ケガを招くNG習慣ランキング』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。