愛犬と暮らすなかで、「この状況は愛犬にとってストレス?」と疑問に思ったことはありませんか? 今回は、睡眠環境や飼育環境に関する4つのシチュエーション別に、その状況が犬にとってストレスになるのかどうか、家庭犬訓練士の岡田敏宏先生に伺いました。
ストレスがかかるかどうかは犬によって異なる
犬にとってストレスがかかるといわれることも、愛犬にとってはどうなのか判断が難しい場合があります。それは、ストレスを受ける度合いが、犬の状態や気質、性格などによって異なるためです。
愛犬がストレスを感じているかどうかは、行動に表れます。たとえば、あくびをする、鼻や足をなめるなどの行動は、「カーミングシグナル」といわれる犬のストレスサインです。続くと心身の病気にもつながることもあるため、愛犬のストレスサインを見逃さないようにしましょう。
TVがついた部屋で就寝するのはストレス?
TVがついた部屋で愛犬が寝てしまうことないですか? TVがついていても愛犬が熟睡できているようなら、その状況に慣れているのでストレスは弱めといえます。ただ、睡眠の“質”を考えると、できれば夜は暗く静かな場所で寝かせましょう。別の部屋で寝かせるのがベターです。
犬種オフ会に連れていくのはストレス?
人も社交的・内向的など対人関係にタイプがあるように、犬にもいろいろなタイプがあります。同じ犬種であっても、ほかの犬が苦手な犬にとっては、犬種オフ会に連れていかれて交流を強要されるのは苦痛かもしれません。飼い主さんは交流できることを好みがちですが、愛犬のタイプを理解してあげましょう。
同居犬に年齢差があるのはストレス?
たとえば、同居犬の年齢差が子犬とシニア犬ほど離れており、エネルギッシュな子犬が体力の衰えたシニア犬にちょっかいを出しすぎるという場合は、シニア犬にとっては強いストレスになりえます。ただ、ぼんやり過ごすよりは脳の活性化につながり、認知症予防になることも。いい刺激にもなりえるので、同居犬に年齢差があることは一概に悪いとはいえません。
子犬とシニア犬ほど年齢差のある犬が一緒に暮らす場合は、子犬がシニア犬にちょっかいを出しすぎないよう、おもちゃを与えて興味を分散させるようにするとよいでしょう。子犬も体力を発散することができるのでおすすめです。
同居猫が大運動会をして大きな音がするのはストレス?
同居猫が大運動会をして大きな衝撃音がしても、愛犬が平気そうにしていて気にせず眠れているようなら、とくに心配はありません。騒がしくてもいつものことと慣れていて、その原因も犬が理解しているのでしょう。
ただ、警戒心が強い犬などは、聞き慣れた音だとしても気にすることがあります。睡眠の質も落ちるので、猫とは別室で寝かせるようにしましょう。
前述したように、ストレスになる状況や、ストレスを受ける度合いは犬によって異なります。日ごろから愛犬の様子をよく観察し、愛犬のストレスサインを見逃さないようにしましょう。
お話を伺った先生/岡田敏宏先生(しつけ教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表 家庭犬訓練士 動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 トリマー ペット共生住宅管理士)
参考/「いぬのきもち」2025年5月号『我慢させている?意外と大丈夫?うちのコにとってこれってストレス?』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。