特別なことは何もしていないのに、どんな犬とも仲よくなれる「犬たらし」な人っていますよね。なぜ犬たらしな人は、そんなにも犬から好かれるのでしょうか? 今回は、犬たらしの特徴と、犬から好かれるための秘訣ついて、獣医師の増田宏司先生に伺いました。
“犬たらし”ってどんな人?
たとえば、すれ違った犬がうれしそうに寄ってくる、ドッグランに行ったらほかの犬たちが楽しそうに集まってくるなど、どんな犬が相手でもすぐに仲よくなれるのが“犬たらし”です。犬たらしな人は、犬とコミュニケーションをとるのが上手で、犬のよろこばせ方をたくさん知っています。
“犬たらし”に見られる特徴
口調が穏やか
“犬たらし”は犬に話しかけるとき、丁寧な言葉で穏やかに話しかけます。そのゆったりとしたやさしい口調が、犬の気分を落ち着かせるのでしょう。
自分からは犬に近づかない
犬を怖がらせないよう、犬が自分から近付いてこないあいだは無理に近づきません。むしろその必要がないほど、犬のほうから積極的に近づいてきます。
態度に余裕がある
“犬たらし”は犬への正しい接し方を熟知しているため、どんな犬が相手でも余裕をもって接します。その態度が、犬に安心感や信頼感を与える一因になります。
自分の気持ちより犬の気持ちが最優先
犬たらしは犬に対して紳士的にふるまいます。犬をかわいがりたいと思っていても、犬が嫌がっているなら決して無理強いすることはありません。
“犬たらし”になるための秘訣とは
とにかくゆっくり動く
犬は警戒心が強いので、すばやい動きや、予測できない動きをするものは苦手に思いがち。そのため、犬と接するときは、意識的にゆっくり動きましょう。ゆったりとした動きを見ているうちに警戒心も薄まり、リラックスしてくれるようになります。
話す位置は隣をキープ
顔を合わせて話して仲よくなろうと、つい犬の正面から向き合ってしまいがちですが、じつはNG。犬にとって正面から顔を合わせるのは、ケンカのサインになることもあります。仲よくなりたいときは、犬の隣に座って話しかけましょう。
“下手”に出る
犬と人では体格も異なります。犬に慣れていない人はいきなり上から手を近づけて犬の頭をなでがちですが、これでは「自分のほうが大きいんだぞ」と、犬を威圧してしまいます。犬と接するときは、手は犬の顔より下から近づけましょう。
落ち着いたトーンの声で話す
犬は高すぎる声や低すぎる声を苦手に思いやすいです。特に「キャー! かわいい!」などの甲高い声は、犬を警戒させることもあります。ニュースのアナウンサーのように、落ち着いた声音とトーンを意識して話しかけるとよいでしょう。
近づくときは「遠回り」で
自分より大きい相手が正面から近づいてくるのは、人でも恐怖を感じやすいシーンですが、それは犬でも同じこと。犬に近づくときに、正面から急激に距離をつめるのはNGです。犬に警戒されない距離を保ちつつ、遠回りに近づきましょう。
犬に好かれるためには、犬に恐怖や警戒心をいだかせない接し方をすることが大切なようですね。愛犬ともっと仲よくなれるよう、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2019年6月号『ほんのちょっとのコツでみるみる仲よくなる ”犬たらし”に学ぶ♡愛犬と絆を深めるコツ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。