私たちがふだん何気なく過ごしている部屋の中には、愛犬のトラブルやストレスにつながる“不快要素”が潜んでいる可能性があります。
不快を解消して愛犬が暮らしやすい部屋をつくる方法について、ペット共生住宅管理士の岡田敏宏先生に伺いました。
部屋の“不快要素”は愛犬のトラブルのもと
部屋の環境を悪化させるさまざまな不快要素のなかには、愛犬の病気やトラブルにつながるものもあります。愛犬が快適に過ごせるように、犬にとっての不快を取り除く工夫をすることが大切です。
犬にとっての“不快”の種類
まずは、愛犬の病気やトラブルにつながりやすい部屋の不快の種類について見ていきましょう。
段差・滑りやすい床
「段差の大きいソファがある」「日常的に過ごしている部屋の床が滑りやすい」といった環境は、愛犬の骨折や脱臼などの原因になります。こうした環境の部屋は犬が動きにくいため、ストレスにつながる可能性もあります。
騒音・外の音
外から聞こえてくる音、例えば工事の音や人の足音などは、犬のストレス要因となることがあります。敏感な犬のなかには、これらの音に反応して、「誰か来たよ!」「あっちに行け!」と吠えるコがいます。警戒態勢が続くことで、ストレス状態になりやすいのです。
不快を減らして快適な部屋をつくろう
ここからは、段差や騒音などの不快を解消して、愛犬が暮らしやすい部屋をつくるヒントをご紹介します。
ソファの段差にはスロープを設置
愛犬がソファに飛び乗ったり飛び降りたりしている場合には、ペット用のスロープを置いてみましょう。スロープを選ぶ際には、愛犬の身体のサイズに合っているかをチェックしてくださいね。
滑る床には滑り止めワックスをかける
愛犬が床でよく滑ってしまう場合は、滑り止めワックスをフローリング全面にかけてみるのも一案です。
ペットに安心な市販品は、ホームセンターなどで購入できます。ワックスがけの手間はかかります、コストパフォーマンスはいいでしょう。
足先の毛・爪のカットも大切
愛犬が床で滑りやすい場合、足先の毛や爪が伸びすぎている可能性も考えられます。定期的にカットして、ケガをするリスクを減らしましょう。
愛犬が床を歩いたときにカチカチと音が鳴るようになったら、爪を切るタイミングです。
外の音・騒音は厚手のカーテンで防いで
外の音や騒音対策には、遮音・遮熱効果に優れた厚手のカーテンがおすすめです。音だけではなく、寒暖差から愛犬を守るためにも役立ちます。
愛犬のハウスに近い窓だけ、厚手のカーテンに取り換えるのもよいでしょう。
スピーカーで環境音を流すという方法も
工事の音や足音などの環境音を、スピーカーやテレビを使って部屋の中で流す方法もあります。愛犬を環境音に慣れさせると、外の音が気になりづらくなります。
音を流すスピーカーやテレビは、音質のいいものを選ぶとよいでしょう。
部屋づくりを工夫すれば、愛犬をトラブルやストレスから守ることができます。少しの手間で愛犬の不快が減らせますので、ぜひ実践してみてくださいね。
お話を伺った先生/岡田敏宏先生(しつけ教室「Pet Life Consultingシンビオーシス」代表 家庭犬訓練士 動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 トリマー ペット共生住宅管理士)
参考/「いぬのきもち」2024年3月号『花粉、虫、寒暖差 etc. イヤ~な不快がすっきり!春のお部屋づくりのヒント』
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。