愛犬と楽しい生活をしていると「もう1頭新しい犬を迎えたら、より楽しくなるのでは?」と思うこともありますよね。
そこで今回は、愛犬2頭が末長く幸せに暮らしていくためにできることや心がけるべきことを、「スタディ・ドッグ・スクール」代表の鹿野正顕先生に伺いました。
2頭飼育成功のカギは飼い主さんにある
「犬を飼う」と一言で言っても、1頭だけの飼育と2頭の多頭飼いでは、あらゆることが異なります。2頭飼育する場合は、飼育の手間やかかるお金はおおよそ2倍、広い飼育スペースも必要ですし、犬同士の交流がうまくいくかもわかりません。
2頭目を迎えようと思ったときは、まずは「2頭目の犬を幸せにできるか」をしっかりと考えたうえで、大丈夫だと判断してから行動に移すようにしましょう。
そしていざ2頭目を飼育した際は、それぞれの犬が幸せに暮らせるよう、飼い主さんが気を配ってあげてください。
ゴハン・寝る場所・おもちゃの管理
犬は、ゴハン・寝る場所・おもちゃに関しては「自分のもの」という意識が強いので、これらを巡って争いが起こることがあります。犬同士の関係を悪化させないためにも、以下のポイントに気を付けるといいでしょう。
ゴハン
ゴハンは奪い合いが起きやすいので、隣同士で食べさせると「相手のゴハンを取りに行く」という行動が出やすくなります。愛犬たちが安心して食事ができるように、フードボウルを置く場所を離したり、それぞれのサークルやクレートの中で与えたりするとトラブルを減らせるでしょう。
寝る場所
寝る場所を巡ってケンカが起こることもあるので、寝たりくつろいだりできる場所は、個々で用意してあげましょう。お互いが相手の寝場所に入ってしまった場合は、それぞれの寝場所に移動させて、自分の場所をしっかりと覚えさせるのがおすすめです。
おもちゃ
おもちゃに執着する犬も多く、気に入ったおもちゃの取り合いが起こることも。例えば、先住犬のおもちゃを新入り犬が使って先住犬が怒った場合、飼い主さんが「貸してあげなさい」などと我慢をさせると、それは先住犬にとってストレスになります。
遊び終わったおもちゃはすぐに片付けて、無用な争いが起きないよう配慮してください。
愛犬2頭が幸せにくらすために心がけたいこと2つ
犬同士の距離感に配慮する
2頭飼いをすると「2頭で一緒に寝たり遊んだりして過ごしてほしい」と思うかもしれませんが、必ずしもそうなるとは限りませんし、それが犬にとっての幸せとも限りません。
部屋の中で犬同士に物理的な距離があっても、それぞれが落ち着いてくつろげているのなら、それが犬にとっての幸せなのです。
「いつも一緒で仲よし=幸せ」ではないことを心がけ、犬同士の距離感を大切にしてあげましょう。
飼い主さんとの「1対1の関係」を意識する
犬同士を仲よくさせようと考えるよりも、飼い主さんとそれぞれの犬との関係性をしっかりと築くことが大切です。1頭ずつ遊んだりスキンシップをしたりして、1対1の関係を深めて愛犬の気持ちを満たしてあげましょう。
2頭飼いをするにあたって、飼い主さんがやることや心がけることはたくさんあります。それぞれの犬にしっかりと向き合いながら、愛犬たちが幸せに暮らしていけるよう考えてあげましょう。
お話を伺った先生/鹿野正顕先生(「スタディ・ドッグ・スクール」代表)
参考/「いぬのきもち」2024年6月号『いぬのきもち22周年特別企画 「いつかはもう1頭」をリアルに考えてみました 2頭目ってどうやって迎えるの?』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。