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犬の「てんかん」はどんな病気? 発作が起きたときにすべき対応は

愛犬の体の一部がピクピク動いたり、突然足をばたつかせたりする場合は、「てんかん」という脳の病気が疑われます。今回は、犬のてんかんの特徴や、発作が起きたときの対応方法について、獣医師の中村篤史先生に伺いました。

犬のてんかんはどんな病気?

ソファの上に座る犬
K_Thalhofer/gettyimages
愛犬が突然体を硬直させて足をばたつかせている……。これは、「てんかん」という脳の病気でよく見られる発作です。脳の神経になんらかの異常が起こることで引き起こされたもので、「てんかん」は、この発作が繰り返し起こる病気です。

発作の原因が不明だったり、遺伝的な要因で起こったりするものを「突発性てんかん」、脳腫瘍や脳炎など脳の病気が原因で発作が起きるものを「症候性てんかん」と区別します。

てんかんの症状

てんかんの発作は、寝ているときや休息時起こりやすいといわれています。

発作はほとんどの場合、数十秒~2分程度でおさまります。足を激しくばたつかせて、全身がけいれんするものと、後ろ足だけ一定間隔でピクピク動くといった、体の一部に起こるものがあり、大量のヨダレが出る、泡を吹く、排泄物をもらす、嘔吐するという症状があわせて出ることもあります。

なお、5分以上の発作や1日に2回以上の発作は、命にかかわる緊急事態なので、早急に動物病院に連絡を。発作の時間が短くても、かかりつけ医に連絡して対応を相談すると安心です。

犬のてんかんの診断・治療方法

床に伏せる犬
Zdyma4/gettyimages

てんかんの診断方法

発作を起こす病気はてんかんだけではなく、低血糖や中毒のほか、内臓の病気でもてんかんに似た発作を起こすことがあります。そのため、血液検査や尿検査、心電図検査などから、てんかん以外の病気の可能性を精査し、脳神経の検査で脳に明らかな病気がないかなども調べて、総合的に診断を行います。発作が初めて起きた年齢や、発作の回数も判断材料です。CTやMRIの画像診断を行うこともあります。

てんかんの治療方法

てんかんの治療は、基本的に抗てんかん薬の服用です。生涯服薬を続けて発作の回数を減らし、愛犬の体への負担を軽減することを目指します。

愛犬が発作を起こしたときは何をすればいい?

毛布の上にあごをのせる犬
Andrii Borodai/gettyimages
てんかんは、発作の継続時間が命にかかわることもあるため、経過時間についてはできる限り確認してください。できれば、発作中の動画を撮影しておくと診察に役立ちます。

また、激しい発作で体が移動する場合もあるため、周囲にある落下すると危険なものや頭にぶつかりそうなものを片づけ、愛犬の安全を確保しましょう。

発作中の愛犬にしてはいけないことは?

全身性の発作中の犬は、意識がないと考えられており、手を出すと噛まれることがあります。また、倒れた犬の体を起こすと、発作中に出したヨダレを誤飲して肺炎にかかることもあるため、むやみに触れたり、抱き上げたりするのは避けてください。ただし、発作が5分以上続き、発作中に動物病院へ行く必要がある場合は、横向きの姿勢を保つように抱えて運びましょう。

そのほか、音や光が発作を助長することもあるため、大きな音を立てたり、室内を急に明るくしたりするのも避けてください。
愛犬が突然けいれんを起こしたら慌ててしまうかもしれませんが、てんかんについて正しい知識を身につけて、冷静に対処することを心がけましょう。
お話を伺った先生/中村篤史先生(TRVA(一般社団法人 東京城南地域獣医療推進協会)夜間救急動物医療センター院長 一般社団法人 日本獣医救急集中治療学会理事長)
参考/「いぬのきもち」2020年3月号『愛犬といつまでも楽しく過ごすために知っておきたい!犬の現代病ファイル Vol.10てんかん』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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