犬はニオイや音、見た目から「危険か、安全か」を判断します。ここでは、初対面の犬に会ったとき、新しいおもちゃを与えたとき、初めての場所に行ったときの行動と心理を解説していきます。愛犬の行動を観察してみると、意外な気持ちが見えてくるかもしれません。
ケース1:初対面の犬に会った
散歩中やドッグランなどで初対面の犬に会う場面は、犬の本能的な心理が分かりやすいといえます。ニオイによって「危険かも!」「安全だ」という心理が働きやすいのです。
「危険かも!」と判断したときの行動
「危険かも!」と思うと、その犬から離れたいという心理が働き「あっちへ行って」と吠えたり、自分から逃げようとしたりします。相手を警戒するように動向をじーっと観察したり、耳やしっぽがこわばったりすることも。
・逃げようとする
・離れたところから、相手の犬をじーっと見つめる
・相手の犬を見ながら耳を寝かせる
・相手の犬を見ながらしっぽを丸め込む
・相手の犬に吠える/うなる
「安全だ」と判断したときの行動
「安全だ」と判断すると、もっと仲良くなりたいという心理が働き「遊びたい!」という欲求が生まれます。近づいて挨拶したり、遊びに誘ったりするしぐさが見られるでしょう。
・遊びに誘うようにおじぎをする
・相手の犬に前足をかけようとする
・相手の犬を見ながらピンと耳を立てる
・相手の犬を見ながら微笑むように口元をゆるめる
・相手の犬を見ながら立てたしっぽを振る
ケース2:新しいおもちゃを与えた
新しいおもちゃを見つけたとき、犬は素材や音、ニオイなどさまざまな情報を収集します。そして、危険か安全かを判断するのです。初めは危険と判断しても、少しずつ慣れていくと安全だと気付いて遊びはじめることも。
「危険かも!」と判断したときの行動
「危険かも!」と感じると、そのおもちゃを自分から遠ざけようとします。また「なんだこれ?」と思うと、警戒しつつも近づいたり見つめたりという行動をとることも。
・腰を引きながら恐る恐る近づいてみる
・おもちゃに吠える/うなる
・しっぽを下げながらじっと見つめる
「安全だ」と判断したときの行動
「安全だ」と判断すると、とたんに興味津々になります。早速遊びはじめたり、「あとで遊ぼう」とハウスへ持ち帰ったりするでしょう。
・振り回すように遊ぶ
・くわえて別の場所へ運ぶ
・積極的に追いかける
ケース3:初めての場所へ行った
人も犬も、初めての場所は緊張するものです。ニオイや音、まわりで動いているものなどから、犬は危険か安全かを判断します。慣れてくると危険信号から安心へ変わる場合も。
「危険かも!」と判断したときの行動
「危険かも!」と感じると、身の安全を守るため飼い主さんの後ろに隠れることが。また、不安や緊張から動けなくなる場合もあります。
・その場から帰ろうとドアを見つめる
・物陰に隠れる
・体が固まる
「安全だ」と判断したときの行動
「安全だ」と判断すると、その場所の情報収集をはじめます。探索したり楽しげに走り回ったりと、好奇心が行動にあらわれるでしょう。
・思い切り走り回る
・うろうろしはじめる
犬の祖先といわれるオオカミにとって、敵の存在や自然の脅威にいち早く気付くのは大切なことでした。その名残がある犬は、身を守ろうとする本能が働き、危険か安全かといった心理になりやすいようです。いつもする行動のなかにも、本能的な動きがあるのは興味深いですね。
参考/「いぬのきもち」2018年6月号『いつものしぐさ、心理面からのぞいてみよう!愛犬の心理学』(監修:帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授 加隈良枝先生、「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。