犬用のガムにはたくさんの種類があり、どんな商品を選んだらよいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。今回はご褒美やおやつ用、甘噛みなどの問題行為防止用、歯磨き用の3つの用途ごとに、ガムの与え方と選び方、おすすめのガムを解説します。
犬用ガムの種類とは?
犬用のガムは、形状や効能などによってさまざまな種類に分類されており、代表的なものには、ご褒美やおやつ用のガム、甘噛みなどの問題行為防止用ガム、歯磨き用ガムの3種類があります。
ご褒美やおやつ用のガムによく見られるのは、ミルクなどの味がついていたりササミが巻いてあったりなど、比較的栄養価が高くボリューム感のあるガムです。両端が結んであり牛や豚の皮でつくられている硬いガムは、噛み応えがあり長時間噛んでいられるため、甘噛みなどの問題行為防止用ガムに分類されることが多いです。
また表面に凸凹がついているものや、口内の細菌を抑える成分が含まれているものは、歯磨き用ガムとして犬のオーラルケアに使われています。
犬用ガムの与え方・選び方
ご褒美、おやつ用ガムの与え方・選び方
愛犬にご褒美やおやつ用のガムを与えるタイミングは、長時間の留守番時やしつけに成功したときが好ましいです。しかし、栄養価の高いガムを自由に与えすぎてしまうとカロリーオーバーにつながりますので、一日に与える量には気を付けて、ガムのカロリー分、食事の量を減らすなどの工夫をしましょう。しつけのご褒美として与える場合も、やや小さめのものを選ぶことで食べすぎを予防できます。
これらの用途で与えるガムを選ぶときにはガムのパッケージを確認し、なるべく着色料や保存料などの添加物が使われていないものや、原材料が少ないものを選ぶとよいでしょう。
せっかくご褒美として与えたガムも犬に渡したままにしてしまうと、もらった瞬間の喜びやご褒美効果が薄まってしまうので、食べきらず残してしまう場合や、興味が薄れてきたなと感じるときは、一旦片付けてしまうのも一考です。
甘噛み等の問題行為防止用ガムの与え方・選び方
犬の甘噛みを直すためには、愛犬が噛んでもよいおもちゃやガムなどを代替物として与える必要があります。しかし犬のなかには、牛の皮が使われているガムにアレルギー反応を起こす場合も少なくありません。
牛に対するアレルギーがある愛犬に問題行為防止用ガムを与える際には、動物性たんぱく質を使用していないガムや豚の皮、ダチョウのアキレスなど、アレルゲンとなりにくい原料を選ぶことが大切です。
またガムを長持ちさせたい場合は、噛むときにあごの力が必要になる複雑な形をしているものを選ぶのも効果的。愛犬の月齢、年齢に合うものをパッケージで確認し、問題行為防止に取り入れてみてください。
歯磨き用ガムの与え方・選び方
愛犬に歯磨き用のガムを与えるときには、時間をかけて食べさせる方法がおすすめです。そうすることで歯垢がたくさん取れ、有効な成分が口のなかに長くとどまるようになります。一気に食べてしまう犬に対しては、飼い主さんが手でガムを持ちながら与えたり、オスワリをさせて落ち着かせてから与えたりするのがよいでしょう。
歯磨き用ガムには超小型犬用から大型犬用まで幅広い種類が揃っていますので、必ず愛犬の体のサイズに合ったものを選ぶようにしてください。
用途別おすすめ犬用ガム
甘噛みなどの問題行為防止用
新鮮な鳥のすじ肉を使った、全犬種用のガム。細く少し硬めの食感に作られており、噛むことでストレス発散、歯と歯茎の健康維持、栄養分の補給などに役立ちます。内容量は20g、50g、100g入りの3種類です。
牛皮ガムと鶏ササミを同時に味わえる、噛み応えたっぷりのハードタイプのガムです。保存料と着色料、発色剤と酸化防止剤は無添加のため、開封後は冷蔵庫で保管しましょう。
歯磨き用
<PETKISS 食後の歯みがきガム 無添加タイプ>
獣医師と共同開発したオーラルケアガム。つぶつぶの牛皮と大小2つのスクラブを配合した細かな繊維のガムが、噛むことで歯垢をかきとり愛犬の歯を健康に保ちます。体の大きさや噛む力の強さに合わせて、全5種類から選べます。
口腔内と腸内の健康を維持するザクロエキスやイヌリン、エリスリトールを配合。植物由来の原料にこだわったデンタルガムです。Z字型のシェイプが歯にフィットして歯垢を取り除きます。サイズはXSからLまで、全4種類です。(動物病院専用)
国産素材の米粉や豚皮、でんぷんを使用したこだわりの歯磨き用ガム。おいしく食べながら歯垢や歯石の付着を防げます。サイズはミニ・レギュラーの2種類で、それぞれ65g入りと200g入りから選べます。同シリーズで、硬さ控えめタイプも販売されています。
ご褒美、おやつ用と歯磨き用
高い嗜好性を追求した歯磨きガム。噛むことで歯垢や歯石の沈着をおさえ、口臭を軽減する効果が期待できます。オーラルケアはもちろん、おやつ用にもおすすめ。サイズはXSからLまで、全4種類です。
100%自然素材を使用し、食物アレルギーに対する配慮もバッチリな商品。オーラベッドと同様に嗜好性も訴求しているため、歯磨き用とおやつ用両方の用途で使えます。サイズは超小型犬用から大型犬用まで、全5種類です。
犬用ガムの誤飲事故に注意!
犬用のガムを愛犬に与える際は口の大きさに合ったものを選ばないと、犬がガムを丸吞みしたり、喉に詰まらせてしまったりする恐れがあり危険です。実際に海外では、ガムの丸呑みによる死亡例も報告されていますので、ガムを選ぶときには安全面に十分注意するようにしましょう。
愛犬がガムを誤飲してしまった場合は、窒息状態を防ぐためにも早急に動物病院を受診して獣医師の指示を仰ぐことが大切です。
ガムを選ぶときや与えるときには、愛犬に十分な配慮を
犬用のガムにはさまざまな用途に使えるメリットがある反面、飼い主さんが目を離したすきに誤飲してしまう恐れや、与えすぎによるカロリーオーバーのリスクもあります。愛犬にガムを与える場合は、事故防止や健康のために飼い主さんが手で持って与える、口や体格のサイズを理解して歯が欠けたりしないようにする、原材料を確認するなど、愛犬に十分な配慮を行うことを忘れないでくださいね。
参考/「いぬのきもち」2017年9月号『カンタンキレイにお口の健康が保てる! Oral Careをはじめよう』(監修:フジタ動物病院院長 獣医学博士 藤田桂一先生、フジタ動物病院獣医師 生井優紀先生、フジタ動物病院看護師 三浦紫陽子さん)
「いぬのきもち」2017年5月号『12回で基本をすべてマスターできる! はじめてしつけ コンプリートドリルvol.3 あま噛み直し&引っ張りっこ遊び』(監修:東京・世田谷のしつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
監修/草場宏之先生(横浜戸塚プリモ動物病院院長)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。