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【獣医師監修】犬の口臭対策~原因やサプリメントなどケア方法まで~

愛犬の口臭にお悩みの飼い主さんも多いでしょう。今回は、犬の口臭の原因と口臭対策についてご紹介します。犬の口臭はただのニオイの問題ではなく、病気が隠れているケースも少なくありません。口臭が気になり始めたら、一度動物病院を受診しましょう。

犬の口臭の原因とは?

口を開けている犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の口臭の主な原因は、以下の通りです。

犬の口臭の原因1. 歯周病(歯石・歯垢)

犬の口臭の原因として多いのが、「歯周病」です。歯周病の大きな原因は、歯垢や歯石と呼ばれる、口腔内の汚れですが、犬の口腔内は弱アルカリ性なので、虫歯にはなりにくい反面、歯石ができやすいという特徴があります。そのため、歯磨きなどのケアを怠ると数時間で歯垢がつき始め、その3~5日後には歯石になってしまうおそれがあるので注意しましょう。

歯周病が悪化すると、歯根部分が感染を起こし「根尖膿瘍(こんせんのうよう)」を起こしたり、歯が脱落してしまったりすることも。口臭が気になり始めたら、一度動物病院で歯の状態をチェックしてもらってください。
なお、犬の口臭の原因が歯周病の場合は、“何かが腐ったようなニオイ”がするのが特徴です。

犬の口臭の原因2. 口内の乾燥

水分不足や加齢による唾液の減少、パンティング(口呼吸)などによって口の中が乾燥すると、口臭が強くなります。この場合のニオイは、“生臭い”あるいは、“魚臭い”といわれることが多いようです。

犬の口臭の原因3. ドッグフード

ドッグフードは開封して空気に触れることで、少しずつ酸化していきますが、酸化したドッグフードを食べると、口臭がきつくなるといわれています。また、下痢や嘔吐、腹痛などの体調不良の原因にもなるので注意が必要です。ドッグフードは、1ヶ月以内で食べきることができるサイズを選び、なるべく空気に触れないようにきちんと封をして保管しましょう。

犬の口臭の原因4. 内臓疾患

犬の口からアンモニア臭のような独特のニオイがする場合は、肝臓や腎臓が正常に働いていないおそれもあります。また、犬の口からウンチのニオイがする場合も要注意。腸閉塞を起こしている危険性が考えられます。この場合、緊急手術をしなければ死に至ることもあるので、一刻も早く動物病院へ連れていきましょう。

犬の口臭ケア方法 ①歯磨き

歯磨きする犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の口臭ケアといえば、やはり「歯磨き」が基本です。毎日歯磨きをして歯垢をためないようにすることは、歯石や歯周病予防にもつながるので、できるだけ毎日磨いてあげるようにしましょう。

犬の歯磨きのコツ

◆ペーストを使う
歯磨きが苦手な犬の場合は、歯磨きペーストを歯ブラシではなく、歯茎にたっぷりと塗るのがポイントです。犬が歯磨きペーストをなめ始めたら、歯磨きを開始しましょう。歯磨きペーストにはさまざまな味があるので、愛犬の好みの味を見つけてあげてください。好みの味なら夢中でなめるので磨きやすくなるはずですよ。

◆一度に全部磨こうとしない
汚れがたまりやすい歯と歯茎の境目を重点的に磨くように意識しましょう。ただし、愛犬が首を振るなど、嫌がるそぶりをしたら中断してください。一度にすべての歯を磨くのではなく、毎日少しずつでOKです。上手に歯磨きができたら、ほめてあげることも大切ですよ。

歯磨きが苦手なら……

歯磨きがどうしてもうまくいかない場合は、ドライフードを与えるようにしましょう。ウェットフードはドライフードよりも歯につきやすく、歯垢や歯石の原因になります。また、ドライフードの方が酸化もしにくいといわれているので、ウェットフードを与えている場合は、切り替えを検討してみましょう。

ほかにも、歯磨きが苦手な犬には、以下のようなアイテムを取り入れる方法もあります。

犬の口臭ケア方法 ②サプリメントやガム

ガムをくわえる犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬用口臭対策サプリメント

歯垢が歯につきにくくなる成分が入っているものや、乳酸菌やラクトフェリンなどの成分が入っていて口腔内細菌を整えることで口臭ケアするのものなど、さまざまな商品があります。初めてサプリメントを使用する場合は、獣医師に相談してから購入するようにしましょう。

犬用歯磨きガム・おもちゃ

犬が遊び感覚でガジガジと噛むことで、歯についた汚れを落とすなど歯磨き効果が期待できるデンタルケアアイテムです。愛犬の体格に合ったものを選ぶようにしましょう。飼い主さんが手で持って噛み方をコントロールするなどして、何度も噛めるようにしてあげると、噛む時に使った奥歯などには効果があります。
グリニーズプラス カロリケア超小型犬1.3-4kg(グリニーズ)

犬用歯磨きシート

歯磨きが苦手な犬の練習用としても使える、便利なアイテムです。普通のウェットシートとは異なり、歯の汚れを落としやすくする加工が施されているものなどがあります。ただし、すでに歯周病が進行している場合、シートで拭くことで悪化させてしまう可能性もあります。口臭がある時はまず獣医師の診察を受けましょう。
ペットキッス (PET KISS)歯みがきシート(ライオン)

犬用口臭スプレー

口の中にスプレーするだけで、口臭をスッキリさせる効果が期待できるといわれています。歯垢除去効果や予防効果が期待できる成分入りのもなど、さまざまな商品が販売されていますよ。
ペティオ(Petio) デンタルスプレー

犬の口臭ケア方法 ③歯石除去

犬の歯
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の口臭の原因が歯石の場合は、歯磨きによって歯石を取り除くことが難しいため、動物病院で「歯石除去(スケーリング)」をする必要が出てきます。なお、歯石除去は、歯周病の治療の一環として行われるケースもあります。

歯石除去(スケーリング)とは?

犬の歯の表側についている歯石を、スケーラーという道具で除去する施術法が一般的です。スケーラーで歯石を取る際は、歯のエナメル質を傷つけないために専門的な技術や知識が必要となるため、きちんとトレーニングを受けた獣医師による施術が必須といえるでしょう。

歯石除去の注意点

歯石除去は麻酔をかけて行うのが一般的です。そのため、犬に痛みや恐怖を与えずに、一度でしっかりと歯石を除去できるという大きなメリットがあります。しかし、麻酔をかける分のコストがかかり、犬の年齢などによっては、麻酔による影響も考えなければならないケースも。かかりつけの獣医師と相談することが大切です。

愛犬の口臭がなおらない場合は獣医師に相談を

シベリアン・ハスキーの歯磨き
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の口臭対策には、“毎日の歯磨き”がベストです。今まであまり歯磨きをしてこなかったという場合でも、あきらめずに少しずつ始めていきましょう。歯周病で痛みがある場合は、治療して痛みを取り除いてから歯みがきの練習をしたほうがうまくいきます。

犬の口臭は、単なるニオイの問題ではなく、病気のサインや原因となることもあります。なかなか口臭が改善されない場合は、必ず動物病院を受診し、獣医師に相談するようにしてください。
参考/「いぬのきもち」2016年2月号『はい!こちら、いぬのきもち獣医師相談室です(第9回)』
   「いぬのきもち」2017年12月号『スキンシップにもなる 毎日かんたん!&たまにしっかり!Wチェックで健康を守ろう!年代別のチェックポイントつき』
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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