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ゴールデン・レトリーバーの適正体重|肥満を予防する食事管理とは?

成長の早いゴールデン・レトリーバーの体重管理は健康のために欠かせません。今回は、ゴールデン・レトリーバーの子犬の体重推移や適正体重、食事管理法について解説します。基本事項や肥満が原因の病気についてもご紹介しているので参考にしてくださいね。

ゴールデン・レトリーバーってどんな犬?

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ゴールデン・レトリーバーとは

ゴールデン・レトリーバーは、イギリス原産の大型犬です。種類はアメリカ系とイギリス系に分かれ、それぞれ見た目や性格に違いがあります。一般的に、イギリス系の方が温厚な性格で家庭犬として飼育しやすく、アメリカ系は活発で犬としての本能的な部分が強く出やすいといわれています。

どんな特徴があるの?

ゴールデン・レトリーバーの「レトリーバー」とは、「獲物を回収する」という意味を持っています。その名の通り、ゴールデン・レトリーバーは、水上に撃ち落とされた水鳥を回収する狩猟犬として働いてきました。
そんなゴールデン・レトリーバーには、生まれつき「物を探して人に持ってくる」という作業能力が備わっています。この優れた作業能力や学習能力の高さ、人の気持ちに共感できる性格などを活かし、ゴールデン・レトリーバーは盲導犬や聴導犬などとしてさまざまなシーンで活躍しています。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「ゴールデン・レトリーバーの特徴・性格・飼い方」

ゴールデン・レトリーバーの適正体重とは

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ゴールデン・レトリーバーは成長が早いことでも知られ、しっかりと食事管理をしないと太ってしまうことがあります。まずは、どのように成長するか、子犬期の体重の推移を見ていきましょう。

ゴールデン・レトリーバーの子犬の体重推移(メス/オス)

・出生時…300〜500g
・生後1ヶ月…1.8kg/2kg
・生後2ヶ月…6.5kg/7kg
・生後3ヶ月…10kg/11kg
・生後4ヶ月…13kg/15kg
・生後5ヶ月…16kg/18kg
・生後6ヶ月…18kg/21kg
・生後7ヶ月…20kg/23kg
・生後8ヶ月…22kg/25kg
・生後9ヶ月…23kg/26kg
・生後10ヶ月…23kg/28kg
・生後11ヶ月…24kg/29kg
・生後12ヶ月…25kg/30kg
このように、ゴールデン・レトリーバーはわずか1年で30kg近く体重が増えます。成犬の場合は、メスは25~29kg、オスは29~34kgが適正体重だとされています。

※上記の体重推移などはあくまで目安です。犬の成長スピードや体の大きさには個体差があります。

ゴールデン・レトリーバーの肥満の基準とは?

ゴールデン・レトリーバーに限らず、犬の標準的な体型を知る手段として、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」と呼ばれるものがあります。同じ犬種でも、体重や体の大きさには個体差があるので、このBCSでは、肉付きなどから肥満度を判断します。
飼い主さんの判断だけでは、愛犬が肥満かどうかの判別が甘くなってしまうことがあるので、定期的に獣医師にチェックしてもらうのもおすすめです。

ゴールデン・レトリーバーが肥満になるとどうなる?

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ゴールデン・レトリーバーが肥満になると、下記のような病気やケガのリスクが高まります。

股関節形成不全

大たい骨と骨盤を結ぶ股関節が変形する病気です。この病気は、ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーなど大型犬に発症しやすく、肥満だけではなく先天的な原因によって発症することも多くあります。

椎間板ヘルニア

頭部や胴体を支える背骨の骨と骨の間にある椎間板が何らかの原因で変性し、背骨の中を走っている神経を圧迫することで痛みや麻痺などの症状が出ます。先天的になりやすい犬もいますが、肥満や加齢が原因で椎間板ヘルニアになることもあります。

前十字靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)

大たい骨とけい骨を結ぶ前十字靭帯が、何らかの力が加わることで切れてしまうことを前十字靭帯断裂といいます。交通事故など外的な原因もありますが、加齢や肥満によって慢性的に力がかかっている場合にもなることがあります。
このほかにも、ゴールデン・レトリーバーが肥満になると、心臓や呼吸器の病気、糖尿病や熱中症などにもかかりやすくなります。「肥満は万病のもと」なので、飼い主さんがしっかりと管理してあげることが大切です。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「愛犬の太りすぎのリスク&肥満度チェック方法 あなたの愛犬は大丈夫?」

適正体重を保つための正しい食事管理とは

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ゴールデン・レトリーバーの肥満を予防するためには、十分な運動と食事管理が重要です。活発な犬種なので、運動不足にならないように1日2回の散歩を行い、適切な食事を与えましょう。ここでは、適切な食事を与えるポイントをご紹介します。

1日に必要なエネルギー要求量を知る

過剰なカロリー摂取は肥満のもと。1日に必要なエネルギー量を計算し、正しい量の食事を与えましょう。愛犬のエネルギー要求量を知るためには、安静時エネルギー要求量(RER※)から1日あたりのエネルギー要求量(DER)を計算する方法もあります。

※RERとは、健康な犬が快適な気温で食事を取りながら、活動せずにいる時のエネルギー要求量のこと。

エネルギー要求量(DER)の計算方法

電卓でのRERの算出方法(kcal/日)

70×(体重kg)の075乗

※体重が4kgの場合
①4を三乗する。
4×4×4=64
②64が表示された状態で、電卓の√を2回押す。
→2.828…
③その値に70をかける
70×2.828=197.9…
→体重4kgのRERは、約198kcal/日
まずは上記の方法でRERを計算しましょう。愛犬のRERがわかったら、下記の方法でDERを算出します。

【計算方法】
・DER=RER×係数(※下記参照)…(カロリー/日)

※DER算出のための係数とは
避妊・去勢していない成犬…1.8/避妊・去勢している成犬…1.6/肥満傾向の犬/高齢犬…1.4/妊娠中の犬(1~4週)…2.0/妊娠中の犬(5~6週)…2.5/妊娠中の犬(7~8週)…3.0/授乳中の犬…4.0~8.0/成長期の犬(4カ月未満)…3.0/成長期の犬(4~9カ月)…2.5/成長期の犬(10~12カ月)…2.0

おやつを与えるならエネルギー要求量の1~2割以下に

食事とは別に、ご褒美として愛犬におやつを与える場面もあるでしょう。しかし、おやつの与えすぎは栄養バランスが崩れたり、偏食や肥満の原因になったりするので注意が必要です。おやつを与える場合は、愛犬の1日に必要なエネルギー要求量の2割以下にとどめるようにしましょう。

成長期を過ぎたらフードの見直しを

成犬時の理想体重の80%に達するまでの期間は、とくに多くの栄養が必要な時期です。一般的に、大型犬であるゴールデン・レトリーバーの場合は、1才ごろまでは成長期用(子犬用)のフードを与えるのがよいとされています。
ただし、この時期を過ぎると必要な栄養バランスがかわるため、フードを見直す必要があります。時期がきたら動物病院で相談し、成犬用のフードへの切り替えを検討しましょう。いつまでも成長期用のフードを与えていると、肥満の原因になります。

主食は総合栄養食を与える

ひと口にドッグフードと言っても種類はさまざまです。主食を選ぶ際はパッケージの表示をチェックし、「総合栄養食」と記載されているもの選びましょう。「一般食」「副食」「栄養補助食」と表示されているものは主食に不向きです。
今回は、ゴールデン・レトリーバーの適正体重や食事管理を中心にご紹介しました。手作りのフードはたまのお楽しみやおやつなどにして、専門的な知識がない限り、日常の主食としては「総合栄養食」のフードと水を与えることをおすすめします。ご紹介した1日に必要なカロリーなどを参考に、愛犬の健やかな成長に役立ててくださいね。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「ドッグフードの選び方・与え方を知ろう~パッケージ表示の見方・与え方」

参考/「いぬのきもち」2016年4月号『犬種連載シリーズvol.10 I love ゴールデン・レトリーバー』(監修:V.C.J 代官山動物病院 獣医師 獣医行動診療科認定医 藤井仁美先生)
   「いぬのきもち」2017年5月号『愛犬の栄養学事典』
   「いぬのきもち」特別編集『犬との暮らし大事典』(監修:へリックス株式会社代表取締役社長 獣医師 徳本一義先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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