嫌がる犬も多いお手入れの一つ「爪切り」。スムーズに行うことが難しいため、ついつい後回しにしてしまう飼い主さんも少なくありません。今回は、犬の爪の構造や、爪切りを怠ることによって引き起こされる弊害について解説します。爪切りの必要性について改めて考えてみましょう。
犬の爪の構造とは?
犬の爪は人とは異なり、厚みのある円柱状でカーブしています。また、中には血管と神経が通っていて、爪が伸びると同時にこれらも伸びていきます。人と暮らす犬は生活範囲が制限されているため、長時間の歩行や穴掘り等による爪の摩耗もあまりなく、放っておくとどんどん伸びてしまう傾向にあります。
もともと、犬の爪は体を支える構造にはなっていないため、伸びすぎるとさまざまな悪影響を及ぼす恐れが出ることがあるので注意しましょう。
爪が伸びすぎたらどうなるの?
肉球に食い込んだり折れたりする
伸びすぎた爪に、さまざまな方向から力が加わると、湾曲して伸びた爪が肉球に食い込んでしまうことが。そうすると、痛みや出血を伴ったり、爪そのものが折れてしまったりすることがあります。
神経と血管を傷つける
先述したように、爪の中には神経と血管が通っています。そのため、伸びすぎた爪を適正な長さに切ろうとすると、これらも切る必要性があり、犬に苦痛を与えることになります。
飼い主の負担も増える
伸びすぎた爪は、毎日少しずつヤスリなどで慎重に元の長さに戻していく方法もありますが、これは飼い主さんとってもかなり労力を要します。犬の爪切りを怠ると、結果として飼い主さんの負担が増える可能性があるのです。
やっぱり定期的な爪切りは必要!
犬の爪の構造や、伸びすぎた爪がどもたらす弊害を考えると、定期的な爪切りが重要であることが理解できますね。では最後に、犬の爪切りに関する重要事項をご紹介します。
爪切りの頻度
散歩の頻度や個体差もありますが、2~3週間に1度を目安に行いましょう。また、フローリング等の室内を歩く際に、爪の音がカチャカチャと鳴るようなら伸びすぎのサインですので、切ってあげましょう。
爪切りの必須アイテム
犬専用の爪切りのなかでも、ギロチンタイプはあまり力をかけずにきれいに切ることができるのでおすすめです。また、切った後の形を整えるヤスリと、万が一出血した際に慌てることのないよう、止血剤も用意しておくと安心ですよ。
プロに切ってもらうメリット
動物病院やサロンで爪切りをお願いする場合、500円~3,000円程度でケアを含めて行ってくれるところが多いようです。また、適切な保定をしてくれるため、犬が嫌がって多少暴れてしまった場合でも、安全に爪を切ってくれるメリットがあります。
セルフで切るメリット
飼い主さんと愛犬のスキンシップの機会が増えるため、ちょっとした体調の変化に気づくことができ、病気の早期発見にもつながるケースがあります。また、費用を抑えられるというメリットもあるでしょう。全てをプロにお願いするのではなく、何度かに1度はセルフでチャレンジしてみるのもおすすめです。
爪入りなど、愛犬のこまめなお手入れは、健康管理や衛生面を保つ上で欠かせないものです。大切な家族の一員として、愛犬にいつまでも元気でいてもらうためにも、きめ細やかなお手入れを続けていくことが大切です。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医が教える】犬の爪切りのポイント~必要な理由、道具、嫌がるとき』(監修:パティ動物病院 院長 獣医師 見津友啓先生)
文/なかたり
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。