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【獣医師監修】犬の平均睡眠時間って?たくさん寝るのには意味があった!

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犬はよく寝る動物ですが、平均睡眠時間はどのくらいなのでしょうか? 今回は、犬の平均睡眠時間や睡眠のメカニズムについて解説します。犬の平均睡眠時間が人よりも長い理由や、睡眠時間が長い・短い場合の注意点もご紹介するので参考にしてみてくださいね。

この記事の監修

滝田 雄磨 先生

 獣医師
 SHIBUYAフレンズ動物病院院長

 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
 東京農工大学農学部附属動物医療センター皮膚科研修医
 ふく動物病院勤務
 SJDドッググルーミングスクール講師

●資格:獣医師

●所属:日本獣医皮膚科学会日本獣医動物行動研究会

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犬の平均睡眠時間はどのくらい?

眠る犬たち

犬の平均睡眠時間とは

個体差はありますが、犬の1日の平均睡眠時間は約12〜15時間といわれています。しかし、1才未満の成長期の子犬や、体力が衰える老犬の場合は、睡眠時間が長くなる傾向があり、1日18~19時間ほど寝ることも珍しくありません。

犬種によって平均睡眠時間は違う?

犬種によって睡眠時間に差があるのではないかという見解もありますが、今のところ詳しくわかっていません。

しかし動物の睡眠量を調べる実験では、超大型犬や大型犬はほかの犬に比べると睡眠時間が長くなる傾向があることがわかっています。これは、超大型犬や大型犬は体のつくりが大きく、その分活動に必要なエネルギーの消費量も多くなるため。エネルギーの消費量が多いと、回復するまでに時間がかかりますから、ほかの犬に比べて睡眠時間が長くなるのでしょう。

また反対に、狩猟犬や牧羊犬といった人のために働く作業犬は、ほかの犬に比べて睡眠時間が短い傾向があるという研究報告も。諸説ありますが、これは長時間の作業に適用するためという見解があります。

犬の睡眠時間は飼い主さんの生活に影響されることも

犬はルーティーンを好む性質があるといわれています。そのため、飼い主さんに一定の生活リズムがある場合は、それに合わせて生活するようになり、結果的に睡眠時間が長くなったり短くなったりすることがあるでしょう。

犬の睡眠のメカニズムとは?犬がたくさん寝るのはなぜ?

犬の睡眠のメカニズム(レム睡眠・ノンレム睡眠)

犬の睡眠のメカニズム

犬の睡眠は人と同じように、思考の整理や記憶の定着を行っている「レム睡眠」と、体の疲労回復やあらゆる細胞の修復が行われる「ノンレム睡眠」という、2つの異なる質の睡眠状態で構成されています。レム睡眠は脳が起きている状態なので「浅い眠り」、ノンレム睡眠は脳も眠っている状態なので「深い眠り」といわれることも。

犬の睡眠のメカニズムについては、まだ詳しく解明されていないことが多いのですが、人と同様、寝ている間にレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返していることは明らかなようです。
しかし、人がレム睡眠 25%、ノンレム睡眠 75%という割合で眠るのに対し、犬はレム睡眠 80%、ノンレム睡眠 20%とされ、その睡眠バランスは“真逆”であると考えられています。

なお、犬の夜の行動に関する実験では、人が寝ている8時間の間に、犬は16分の「短い眠り」と5分の「覚醒」を繰り返しているという報告も。

犬は人よりも眠りが浅い理由

このように、犬は人に比べるとずいぶんと眠りが浅いのですが、これは野生時代の名残という説が有力です。野生時代の犬は寝ているときに外敵に襲われる危険があったため、すぐに起きて自分の身を守れるよう、眠りが浅かったのでしょう。

犬の平均睡眠時間が長い理由

ちなみに、犬は眠りが浅いぶん、体を回復させるためは、睡眠の総時間を長くする必要があると考えられています。犬の平均睡眠時間が人よりも長いのは、浅い眠りであるレム睡眠の割合が、人よりも圧倒的に多いためといえるでしょう。

犬の睡眠時間が長い・短い場合は問題がある?

眠そうなパグ

では、犬の睡眠時間が平均よりも長かったり短かったりする場合、何か問題はあるのでしょうか?

犬の睡眠時間が長い場合

ほとんどの場合は問題なし

先述のとおり、犬の睡眠時間には個体差があるため、平均睡眠時間を超えて長時間眠ってもほとんどの場合問題ありません。しかし、丸1日寝ているなど、明らかに長すぎる睡眠をとっている場合は、獣医師に相談してみましょう。

なお、愛犬の睡眠時間が長くなったと感じたときは、睡眠時の呼吸の数や、犬が目を覚ましているときの行動に変化や異常がないか、また、体重の急激な増減がないかをチェックしてください。そのほか、精神的にストレスを感じていないか、問題行動を起こしていないかなども確認しておくといいでしょう。愛犬の抱えている病気を早期発見できる可能性があります。

まれにホルモン疾患や中枢神経の疾患が原因の場合も

ごくまれですが、甲状腺機能低下症などのホルモン疾患や、脳腫瘍などの中枢神経の疾患が原因で、睡眠時間が病的に長くなる「嗜眠(しみん)」という症状が見られることがあります。嗜眠の場合は、放っておくと眠り続け、強い刺激を与えないと覚醒しない、また、覚醒してもまたすぐに眠ってしまうなど、明らかに異常な状態ですので、すぐに動物病院を受診してください。

犬の睡眠時間が短い場合

安心して眠れる環境ではない可能性が

犬は安心して眠れる環境でないと、睡眠時間が短くなる傾向があります。たとえば、近所で工事をしている、家族構成が変化した、寝床の位置や生活環境が変化したなどの場合は、犬が不安を感じやすい状況といえ、睡眠時間が短くなることがあるでしょう。
愛犬の睡眠時間が減ったと感じるときは、愛犬のストレスとなる出来事はなかったかを振り返り、安心できる環境を整えてあげることが大切です。

体に痛みやかゆみを感じているケースも

体に痛みやかゆみを感じている、また、下痢や嘔吐といった消化器系の異常や不調があるときにも、犬は睡眠時間が減ることがあります。この場合、動物病院で適切な治療を受けるなどして体調が回復すれば、睡眠時間も改善されるでしょう。

老犬の場合は認知症の疑いも

認知症の症状として、夜になると突然鳴きだす「夜鳴き」や、日中寝て夜になると起きる「昼夜逆転」などが見られることがあります。

この場合、昼間に寝ているので犬の睡眠時間はそれほど減っていないのですが、飼い主さんは寝ているところを何度も起こされるので、愛犬の睡眠時間が減ったと感じるかたも多いようです。この状態が続けば、飼い主さんの生活にも支障をきたしかねないので、まずは獣医師に相談することが大切です。

そのほか、留守番の間に十分な睡眠をとっていると、飼い主さんが帰ってきてからあまり寝なくなるケースもあります。こういったケースでは、お留守番の間に知育玩具を使って遊ばせる、散歩の距離や回数を多くして運動量を増やす、日中できるだけふれあう時間をつくるなどすると、改善されるでしょう。

そのほか注意したい犬の睡眠

注意したい犬の睡眠として、「ナルコレプシー」というものがあります。この病気は、突然強い眠気に襲われる睡眠障害や、興奮や喜びなどの感情に伴い、姿勢を保つ筋肉が突発的に弛緩する脱力発作(カタプレキシー)などが見られるのが特徴です。

先天性と後天性の両方があり、先天性のものは6カ月齢までに発症するといわれ、ドーベルマンやラブラドール・レトリーバー、ダックスフンド、プードル、ビーグルなどが好発犬種として知られています。

一方、後天性のものは脳炎や外傷、腫瘍などによって脳幹の睡眠中枢に障害が生じた場合に起こり、高齢になってからの発生率が高いでしょう。

ナルコレプシーについてさらに知りたいかたは、以下の記事もご覧ください。

愛犬が安心して眠れる環境をつくることが大切

寝ている犬

今回は、犬の睡眠時間やそのメカニズムなどについてお話ししてきました。
犬が心身ともに健康に過ごすためには、安心して眠れる環境を整え、十分な睡眠時間を確保してあげることが大切です。たとえば、夜は静かで薄暗い部屋にしたり、犬が隠れられるような空間をつくったりして、そこに柔らかく心地よいベッドを用意するのがおすすめ。
また、室内を清潔にし、寝床をトイレに近づけすぎないようにしたり、過ごしやすいように温度管理をしたりするのもいい方法でしょう。神経質な犬には音や人の動きが気にならないように、サークルやケージに厚めの布や毛布、タオルをかけて目隠しをするといった方法も効果的です。ぜひ参考にしてみてくださいね。

監修/滝田雄磨先生(SHIBUYAフレンズ動物病院院長)
文/ハセベサチコ

「いぬのきもち塾」で、犬の睡眠について楽しく解説しています

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