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【獣医師監修】犬の平均睡眠時間って?たくさん寝るのには意味があった!
犬はよく寝る動物ですが、平均睡眠時間はどのくらいなのでしょうか? 今回は、犬の平均睡眠時間や睡眠のメカニズムについて解説します。犬の平均睡眠時間が人よりも長い理由や、睡眠時間が長い・短い場合の注意点もご紹介するので参考にしてみてくださいね。

滝田 雄磨 先生
SHIBUYAフレンズ動物病院院長
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
東京農工大学農学部附属動物医療センター皮膚科研修医
ふく動物病院勤務
SJDドッググルーミングスクール講師
●資格:獣医師
●所属:日本獣医皮膚科学会/日本獣医動物行動研究会
犬の平均睡眠時間はどのくらい?
犬の平均睡眠時間とは
犬種によって平均睡眠時間は違う?
しかし動物の睡眠量を調べる実験では、超大型犬や大型犬はほかの犬に比べると睡眠時間が長くなる傾向があることがわかっています。これは、超大型犬や大型犬は体のつくりが大きく、その分活動に必要なエネルギーの消費量も多くなるため。エネルギーの消費量が多いと、回復するまでに時間がかかりますから、ほかの犬に比べて睡眠時間が長くなるのでしょう。
また反対に、狩猟犬や牧羊犬といった人のために働く作業犬は、ほかの犬に比べて睡眠時間が短い傾向があるという研究報告も。諸説ありますが、これは長時間の作業に適用するためという見解があります。
犬の睡眠時間は飼い主さんの生活に影響されることも
犬の睡眠のメカニズムとは?犬がたくさん寝るのはなぜ?
犬の睡眠のメカニズム
犬の睡眠のメカニズムについては、まだ詳しく解明されていないことが多いのですが、人と同様、寝ている間にレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返していることは明らかなようです。
しかし、人がレム睡眠 25%、ノンレム睡眠 75%という割合で眠るのに対し、犬はレム睡眠 80%、ノンレム睡眠 20%とされ、その睡眠バランスは“真逆”であると考えられています。
なお、犬の夜の行動に関する実験では、人が寝ている8時間の間に、犬は16分の「短い眠り」と5分の「覚醒」を繰り返しているという報告も。
犬は人よりも眠りが浅い理由
犬の平均睡眠時間が長い理由
犬の睡眠時間が長い・短い場合は問題がある?
犬の睡眠時間が長い場合
ほとんどの場合は問題なし
なお、愛犬の睡眠時間が長くなったと感じたときは、睡眠時の呼吸の数や、犬が目を覚ましているときの行動に変化や異常がないか、また、体重の急激な増減がないかをチェックしてください。そのほか、精神的にストレスを感じていないか、問題行動を起こしていないかなども確認しておくといいでしょう。愛犬の抱えている病気を早期発見できる可能性があります。
まれにホルモン疾患や中枢神経の疾患が原因の場合も
犬の睡眠時間が短い場合
安心して眠れる環境ではない可能性が
愛犬の睡眠時間が減ったと感じるときは、愛犬のストレスとなる出来事はなかったかを振り返り、安心できる環境を整えてあげることが大切です。
体に痛みやかゆみを感じているケースも
老犬の場合は認知症の疑いも
この場合、昼間に寝ているので犬の睡眠時間はそれほど減っていないのですが、飼い主さんは寝ているところを何度も起こされるので、愛犬の睡眠時間が減ったと感じるかたも多いようです。この状態が続けば、飼い主さんの生活にも支障をきたしかねないので、まずは獣医師に相談することが大切です。
そのほか注意したい犬の睡眠
先天性と後天性の両方があり、先天性のものは6カ月齢までに発症するといわれ、ドーベルマンやラブラドール・レトリーバー、ダックスフンド、プードル、ビーグルなどが好発犬種として知られています。
一方、後天性のものは脳炎や外傷、腫瘍などによって脳幹の睡眠中枢に障害が生じた場合に起こり、高齢になってからの発生率が高いでしょう。
愛犬が安心して眠れる環境をつくることが大切
犬が心身ともに健康に過ごすためには、安心して眠れる環境を整え、十分な睡眠時間を確保してあげることが大切です。たとえば、夜は静かで薄暗い部屋にしたり、犬が隠れられるような空間をつくったりして、そこに柔らかく心地よいベッドを用意するのがおすすめ。
また、室内を清潔にし、寝床をトイレに近づけすぎないようにしたり、過ごしやすいように温度管理をしたりするのもいい方法でしょう。神経質な犬には音や人の動きが気にならないように、サークルやケージに厚めの布や毛布、タオルをかけて目隠しをするといった方法も効果的です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
文/ハセベサチコ
「いぬのきもち塾」で、犬の睡眠について楽しく解説しています
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