シニア期に入ると、今までできていたことができなくなるなど、愛犬の体にさまざまな変化が起こります。そのため、これまでのお世話を見直し、愛犬に介護が必要になることも。そこで今回は、シニア犬の介護をはじめるにあたって知ってほしい「介護の心得」と、便利な犬の介護用品をご紹介します。
手伝いすぎないことが愛犬のためになる
人と同じように犬も年を重ねると、動作がゆっくりになって、若いときのような身のこなしができなくなります。愛犬が立ち上がって歩き出すのに時間がかかっても、飼い主さんはゆっくり待ってあげられる心の余裕を持って接してあげましょう。
また、立つことさえできれば歩ける犬には、立ち上がるときだけ手助けをし、あとは自力で歩かせることも大切です。自分でできることは自分でやらせる、そうすることで今ある機能を活かし、健康寿命を延ばす助けとなります。
それでは、実際に愛犬に介護が必要になったときに役立つ、犬の介護用品をご紹介します。
散歩や移動に役立つ犬の介護用品
歩行補助ハーネス
足が不自由、またはふらつくなどの犬には、飼い主さんが持ち上げることで犬の足腰にかかる負担を軽くする「歩行補助ハーネス」が役立ちます。シニア犬にとって歩くことは、筋力の維持やストレス解消など非常に重要な役割があるので、歩行補助ハーネスを使って積極的に歩かせましょう。
犬用車いす
ヘルニアや関節などの病気や老齢による歩行困難をサポートする「犬用車いす」。歩けなくなった犬だけでなく、犬用車いすを支えに自力で歩くことで、筋力を維持し、脚力の衰えを遅らせる効果も期待できます。飼い主さんの支えが必要な歩行補助ハーネスとは異なり、犬が自分で移動できるのもメリットといえるでしょう。
介護用ドッグキャリー
犬を車に乗せたり、家の中で居場所を移動させたりするときに便利な「介護用ドッグキャリー」。さまざまなタイプがありますが、床ずれ防止マットとしても使えて、なおかつ持ち手がついているタイプなら、マットごと運べるので体重のある中~大型犬の移動が、安全で手軽に行えるようになります。
室内での生活を快適にする犬の介護用品
床ずれ防止マット
犬が寝たきりになると、体重のかかる部分の皮膚が長時間圧迫されることで血行が悪くなり、皮膚表面の組織が壊れて炎症を起こす「褥瘡(じょくそう)」という症状が現れます。これがいわゆる「床ずれ」です。
床ずれを予防するためには、床ずれになりやすい、ほおや肩、腰、前足、後ろ足などのパーツと寝床との圧迫を最大限減らしてあげることがポイントです。低反発の床ずれ防止マットや、やわらかい素材の床ずれ防止クッションに犬を寝かせて、2~3時間おきに寝返りさせてあげましょう。
犬用紙おむつ
老化が進むと肛門の筋肉が弱くなり、排泄のコントロールができずにそそうをしてしまうことがあります。また、消化機能が衰えて下痢をしやすくなることも。長時間の留守番などやむを得ず排泄のお世話ができない場合は、「犬用紙おむつ」を使用し、そそうを防ぎましょう。また、おむつを替えるときは優しく声をかけながら行い、おむつに排泄したことが悪いことだと思わせないようにすることも大切です。
愛犬が年を重ねて介護が必要になったということは、飼い主さんと愛犬が長い年月をともに過ごしてきた証拠。ここまでしっかりと愛犬を育ててきたことに自信を持って、気負いせずに介護やお世話をしてあげましょう!
参考/「いぬのきもち」2017年6月号『愛犬と過ごす「これから」を考えよう すこやかなシニア犬になるための20のことば』(監修:キュティア老犬クリニック院長 佐々木彩子先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。