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あなたのわんちゃんは大丈夫ですか? 知らないと怖い「隠れアレルギー」
あなたのわんちゃんも「隠れアレルギー」かもしれません!
医学の発達により「アレルギー」の存在が解き明かされた現代。今ではすっかり世間一般に浸透し、さまざまな企業がアレルギー対応食を開発するなど、アレルギーをもっている人でも生きやすいように環境が整えられてきています。しかし、犬も人のようにアレルギーになるということはまだまだ一般的ではないようです。
昔は庭先など、家の外で飼われていることが多かった犬たちが、今では室内で飼われることが多くなったなど、犬を取り巻く生活環境も、大きく変化してきました。それに伴い増えてきたのが「現代病」です。アレルギーもそのうちのひとつと考えられていますが、獣医学の発達により、アレルギー症状が出る前のグレーゾーンの段階から、その犬がアレルギーかどうかわかるようになりました。
このグレーゾーンのことを「隠れアレルギー」といいます。「隠れアレルギー」は体内で静かにアレルギーになる準備が整えられている状態のこと。もしかしたら、あなたの愛犬も「隠れアレルギー」かもしれません!
「隠れアレルギー」の仕組みって?
食物をはじめ、体に入ってきたさまざまな物質のうち、体が「異物」と判断したものを体内から追い出そうとする働きが「免疫機能」です。この免疫機能のうち、アレルギーにかかわっているのが、血液中の成分「IgE」と白血球の仲間「リンパ球」。異物と判断されたものが体内に侵入するたび、反応して増殖していきます。これらが一定量に近づいたり超えたりするとアレルギー症状が出ますが、症状が出るまでの間は体内に静かに増えていくので、気づきにくくなってしまいます。
ちなみに、IgEでは1㎖のうち100ng(ナノグラム)、リンパ球では1.2%が境界値とされていて、これを上回ると「アレルギー」、これより下の状態は「隠れアレルギー」と考えられています。
「隠れアレルギー」かどうか、簡単に診断してみよう!
愛犬が「隠れアレルギー」かどうか、簡単に診断できるチェックリストをご用意しましたので、当てはまるものがないか見てみましょう。
- 頻繁に足をなめる
- 足先をよく噛む
- 頻繁に外耳炎になる
- ウンチを1日3回以上する
- 神経質な性格である
- 体調が悪くなる季節がある
どれかひとつでも当てはまった場合、もしかしたら「隠れアレルギー」かもしれません!
一度はアレルギー検査を受けてみても
チェックリストに当てはまるものはありましたか?もし少しでも思い当たるものがあれば、早いうちにアレルギー検査を受けておくと安心です。犬のアレルギー検査は、受けられる場所によって金額が異なりますが、数万円程度は見ておくとよいでしょう。何度も受けるものではありませんので、一生に一度と思って受けておいてもよいかもしれませんね!
参考/『愛犬との暮らしをもっと楽しむ いぬのきもち』2018年9月号「いま、気をつけたい犬の現代病 隠れアレルギー」(監修:獣医アトピー・アレルギー・免疫学会会長、動物アレルギー検査株式会社代表取締役社長 増田健一先生)
イラスト/山村真代
文/影山エマ
※ご紹介しているチェックリストだけでは、愛犬が隠れアレルギーかどうかを正確に調べることはできません。ひとつの目安として、参考程度にご利用ください。チェックリストに当てはまらない場合も、不安なことがあればすぐにかかりつけの動物病院で受診してください。
※IgEを定量測定できる検査は、特定の検査所のみで受けられます。
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