今回は、ストレスが原因で犬がなる『おなかの病気』を3つご紹介します。愛犬の下痢や嘔吐などの症状を「よくあること」と後回しにするのは、大変危険です。愛犬の体調に異変が見られたら、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。
①「腸炎」
健康な犬の腸には、体によい「善玉菌」と、悪影響を及ぼす「悪玉菌」、どちらにでも傾く「日和見菌」――大きく分けて、この3種類の細菌がバランスよく棲みついています。しかし、ストレスを感じることで悪玉菌が増殖すると、腸内環境のバランスが乱れ、「腸炎」を引き起こすことがあります。
主な症状
原因となるストレス
腸炎を引き起こす主な原因としては、ペットホテルに預けられた、急な寒暖差など、“突然起こり、すぐには終わらないストレス”が考えられるでしょう。
②「胃炎」
犬の胃は、「自律神経」によって意思とは関係なく動く臓器です。この自律神経は、心的ストレスの影響を受けやすいため、犬がストレスを感じると胃の働きをコントロールできなくなり、「胃炎」を発症してしまうことがあります。
主な症状
原因となるストレス
胃炎を引き起こす主な原因としては、来客が続いた、苦手なトリミングに行ったなど、腸炎と同様、“突然起こり、すぐには終わらないストレス”が挙げられます。
③「胃潰瘍(いかいよう)」
犬の胃は通常、胃酸や細菌などの「粘膜保護作用」によって、粘膜が傷つかないように保護されています。しかし、犬がストレスを感じることでその働きが悪くなると、胃の粘膜が傷つき「胃潰瘍」になることがあるので注意しましょう。
主な症状
原因となるストレス
胃潰瘍を引き起こす主な原因は、家族が増える、毎日の留守番、引っ越しなど、“逃れられない継続的なストレス”が考えられます。
今回は、ストレスが原因でなりやすい犬の『おなかの病気』をご紹介しました。しかし、犬がストレスによってなる病気はこれだけではなく、心の病気になったり、持病が悪化したりすることも珍しくありません。
愛犬をこのような病気から守るためには、飼い主さんがいち早く愛犬のストレスサインに気付き、できるだけ取り除いてあげるように努力することが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」『ベテラン飼い主さんも意外と知らない 愛犬のストレス事典』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/ハセベサチコ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。