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【獣医師監修】犬も肥満は万病のもと!太りすぎが起こす怖い病気と意外なリスク

愛犬の体重管理、ちゃんとしていますか? 最新の研究では犬の肥満はさまざまな病気につながる一因となることがわかってきました。今回は肥満が引き起こす病気についてご紹介します。
肥満についての最新の研究では、肥満は「慢性の炎症」の原因のひとつになることがわかってきました。「慢性の炎症」とは、体内で慢性的に長く続く弱い炎症のこと。これが長引くとさまざまな病気につながるといわれています。また、下記のような病気につながることも。

●糖尿病
肥満になると、血糖値を下げるインスリンの働きを弱めます。それに伴うさまざまな影響が体内に生じ、最終的に血糖値が高い状態になる糖尿病を発症します。糖尿病になると、さまざまな合併症を引き起こすことに。

●膵炎(すいえん)
肥満の原因ともなる高脂肪の食事をとっていると、膵臓への負担が大きくなり、膵臓の消化機能がうまく働かなくなる恐れがあります。本来十二指腸へ分泌される膵液が膵臓そのものに悪影響を及ぼすと、炎症(=膵炎)を起こします。

●呼吸器疾患
肥満のために首の周囲に脂肪がつくと、気道が圧迫され、呼吸がしづらくなることがあります。セキやいびきの原因になったり、呼吸のしづらさから体温を下げることが難しくなり、熱中症などにかかりやすくなることもあります。

●心臓病
体重が増えるほど体内に血液を送る量が多くなり、心臓の大きさは変わらないので、結果、心臓に負担が増えることに。肥満は心臓病の発症リスクを高めるとともに、心臓病特有のセキの頻度も高くなりがちです。

●尿路疾患
膀胱炎や尿石症など尿路疾患にはさまざまな原因がありますが、太って内臓脂肪が増えると、尿路を圧迫し、尿の通過を妨げたり、炎症を起こす原因になったり、病状を悪化させる恐れがあります。

●骨関節炎・椎間板ヘルニア
重症化すると歩行困難になってしまうこともある骨関節炎や椎間板ヘルニア。肥満によって足腰への負担が大きくなると、骨や関節の病気を引き起こす原因になったり、病状を悪化させることになります。

さらに麻酔のリスクが増加することも!?

麻酔の量は体重によって比例します。そのため、肥満犬は麻酔の量も多く必要に。さらに脂肪が多いと麻酔薬が残りやすくなり、麻酔から目覚めるまでの時間も長くかかる傾向にあり、麻酔のコントロールが難しくなります。

病気のリスクを避けるためには日ごろから肥満の予防&解消に努めることが大切です。もしも「愛犬が太っているかも?」と思ったら、動物病院を受診して、肥満の治療に取り組みましょう!
参考/いぬのきもち18年11月号「いま、気をつけたい犬の現代病 肥満」(監修:日本動物病院協会認定獣医内科認定医・小宮山典寛先生)
イラスト/石山綾子
文/melanie
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