「絶対起きてるでしょ(笑)!」と思うようなシチュエーションで、愛犬が静かに目を閉じている……。そんな場面に遭遇したことはありませんか? 可愛らしい姿ですが、これにはどんな理由が隠されているのでしょうか。さっそく、いぬのきもちの相談室の先生に質問してみました!
どうして寝たふりをするの?
犬は寝ていても完全に眠っているのではなく、ノンレム睡眠といわれるウトウトした状態で過ごしていることが多いです。ウトウトしながら、飼い主さんに呼ばれたらすぐに行動できるように待っています。
それにも関わらず、呼ばれても耳をぴくっと動かすだけだったり、薄目を開けてもすぐに目を閉じてしまったりすることも。このような姿が寝たふりをしているように見えるのです。
寝たふりをするときってどんなとき?
犬が積極的に行動をするのは、その行動によっていいことがあると感じているときです。楽しくなる・嬉しくなる・褒められる・おやつをもらえるなど、なにかいいことが期待できるときは、素早く行動します。つまり、寝たふりをするのは「今は何も期待できない」と感じているからです。
寝たふりに見える行動は、カーミングシグナルかも
愛犬を叱っている最中に、寝たふりをする姿を見たことはありませんか?それは、カーミングシグナルかもしれません。
カーミングシグナルとは、愛犬が「自分を落ち着かせる」「相手を落ち着かせる」「敵意がないことを示す」などからする行動です。ストレスを感じたときにする、あくび・視線をそらす・座わる・伏せなどもそうです。
愛犬を叱るとき、強い視線で見たり、大きな声を出したりしていませんか? そんなときに愛犬が伏せをしたり視線をそらしたりする姿が、寝たふりをしているように見えるのでしょう。
寝たふりには、どんな対応をしたらいい?
犬が、「飼い主さんに反応するより休んでいたい」と感じて寝たふりをしていたり、指示に従わせなくても良い場面だったりしたら、放っておいてもいいでしょう。カーミングシグナルの寝たふりなら、飼い主さん自身の行動を見直す必要があります。
犬は叱られてもストレスを感じるだけで、叱られている理由はわかりません。困った行動は、叱らずに別の方法でしつけるようにチャレンジしてみてくださいね。
飼い主さんが呼んでも、「どうせいいことないし〜。」と、薄目をあけてまた閉じて寝たふり……。なんてときもあれば、叱られるストレスから寝たふりをしているような行動をとるときがあるのですね。ただ可愛らしいだけではない「寝たふりの理由」。愛犬とのコミュニケーションを深めるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/ishikawa_A