犬のオーラルケアアイテムとして人気の「歯磨きガム」。しかし、与え方を間違うと十分な効果が得られず、思わぬ事故につながるおそれも。そこで今回は、犬の歯磨きガムの必要性から注意点、正しい選び方や与え方、歯磨きガムのおすすめ商品までご紹介します。
犬に歯磨きガムは必ず必要?
飼い主さんのなかには、「歯磨きガムは必ず用意すべきなの?」「そもそも犬も人のようにオーラルケアは必要なの?」といった、疑問をお持ちのかたも多いのではないでしょうか。
じつは、犬は人よりも歯垢が歯石に変わるスピードが速いため、口の健康を守るためにも毎日歯磨きが必要といわれています。しかし、歯ブラシを口に入れるのを嫌がる犬は多く、愛犬の歯磨きがまったくできないと悩んでいる飼い主さんも多いそう。
そこで役立つのが、歯垢除去や口臭抑制の効果が期待できる歯磨きガムです。犬が好きなフレーバーや原料を使っているものが多く、歯磨きを嫌がる犬でも比較的受け入れられやすいです。
歯磨きガムだけで歯のケアをすべてできるわけではありませんが、歯垢の蓄積予防や歯磨きへの苦手意識をなくすには効果的なので、補助ケアとして取り入れるとよいでしょう。
歯磨きガムは正しい選び方や与え方をしないとどうなるの?
歯磨きガムを含め犬用ガムには、さまざまな種類・サイズ・固さがあります。そのため、愛犬に合ったものを選んで与えないと、命にかかわる事故や病気を引き起こすおそれがあります。歯磨きガムの意外な危険性について見ていきましょう。
危険1.誤飲誤食
歯磨きガムで特に注意したいのが、「誤飲事故」です。ガムのなかには噛むことで粘度が高くなるものもあるため、誤って飲みこんでしまうとのどや食道に貼りつき、窒息する危険性があります。
万が一、愛犬が歯磨きガムを飲みこんでしまったら、すぐにかかりつけの動物病院に相談して、獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。
危険2.消化不良
丸飲みにした歯磨きガムによる、消化不良も気をつけたい点です。しっかり噛まれていないガムは胃液では消化しきれず、胃や腸のなかで固まって下痢や腸閉塞を引き起こすおそれがあります。
実際に海外では、ガムで消化不良を起こして死亡してしまったケースや、開腹手術をしなければならなくなったケースもあるようなので、注意が必要です。
危険3.歯の破損
用途や使われている素材にもよりますが、犬用のガムはかなり固めにつくられています。固いほうが歯垢も多く取れそうと思いがちですが、犬の歯は意外ともろいため、固すぎると噛んだときに歯が割れたり、欠けたりするおそれがあります。
犬の歯磨きガムを選ぶポイント
前述したようなトラブルを防ぐためにも、以下のポイントに注意して、愛犬に合った歯磨きガムを選びましょう。
ポイント1.固さ
固すぎるガムは歯の破損を招くだけでなく、歯がしっかりくいこまないことで、歯垢を落としきれないという弊害も起きてしまいます。ほどよい固さと弾力性を持つ、繊維質の歯磨きガムを選ぶのがおすすめです。
ポイント2.サイズ
サイズの合わないガムは歯やあごに負担をかけたり、丸飲みを誘発したりする危険も。商品のパッケージには、「大型犬用」「小型犬用」などの表記があるので、必ずサイズを確認してから選ぶようにしてください。
ポイント3.嗜好性
歯磨きガムを含めた犬用ガムには、牛皮や鶏のすじ肉、フルーツフレーバーなど、犬が喜んで噛んでくれるような原料が多く使われています。
なかには、獣医師と共同開発して、効果的に歯垢をかき取れるよう形状や成分を工夫しているものもあるので、愛犬の嗜好性に合うものをいろいろ選んでみるとよいでしょう。
犬用ガムの選び方や注意点については、以下の記事も参考にしてみてください。
歯磨きガムの効果を高める正しい与え方とは
1日1本を習慣づける
犬の歯垢は3~5日で歯石化してしまうため、たまに歯磨きガムを与えるだけでは効果は得られません。1日1本を目安に、毎日与えるようにしましょう。いずれにせよ、歯磨きガムだけで歯垢がとれるわけではありませんので、歯磨きの練習もしましょう。
奥歯をねらって噛ませる
犬がものを食べるときに最も使う歯で、歯石がつきやすいといわれているのが、上あごにある奥歯(第4前臼歯)です。歯磨きガムを噛ませるときは、左右バランスを意識したうえで、第4前臼歯をねらうようにしてください。
手に持ちながら与える
歯磨きガムを与えっぱなしにしていると、早食いをしてしまったり、なにかの拍子に丸飲みしてしまったりするおそれがあります。また、歯磨きガムは時間をかけて食べさせることで、よりその効果を高めることができるといわれているので、飼い主さんが最後まで手に持って噛ませるようにしてください。
量の与えすぎには注意を
歯磨きガムはふつうのおやつと比べると低カロリーですが、与えすぎは肥満の原因になります。前述した目安量をしっかり守り、与えすぎたと感じたら、フードの量を減らすなどカロリー調節しましょう。
歯磨きガムのおすすめ商品をご紹介!
ここからは、歯磨きガムのおすすめ商品についてご紹介します。
栄養バランスに優れた歯磨きガム
自然素材を使った、栄養バランスにすぐれた歯磨きガムです。適度な固さなので、若い犬からシニア犬まで噛みやすいと評判です。1個から購入できるので、オーラルケアを始めたばかりで、いろいろ種類を試したいというときにもよさそうですね。
口臭ケアにおすすめの歯磨きガム
愛犬の口がなんだか臭う・・・・・・というときは、こちらの口臭ケア用の歯磨きガムがおすすめです。原材料にペパーミントフレーバーなどを使っているので、口の中をさわやかなミントの香りで包んでくれますよ。
体重管理中でもおすすめの歯磨きガム
こちらは、カロリーを約8%もオフにした歯磨きガムです。ダイエットで体重管理中だけど、歯磨きでのケアが難しいという犬にぴったりですね。
シニア犬にもおすすめの歯磨きガム
年をとってくると気になるのが、噛む力が弱まることでのガムの丸飲み。こちらの歯磨きガムは、シニア犬でも噛める固さを計算してつくっているので、愛犬がガムを噛みづらそうにしていたらこちらに切り替えてみてはいかがですか?
穀物が合わない体質の犬におすすめの歯磨きガム
体質的に穀物が合わないという犬におすすめなのが、こちらの穀物フリーの歯磨きガムです。小麦粉の代わりにエンドウマメやポテトを使っており、犬の食いつきもいいと評判なんだとか。
目の健康効果も期待できる歯磨きガム
目の健康にいいといわれている、ブルーベリーを使った歯磨きガムです。噛むとブルーベリーの華やかな香りが広がるので、愛犬の口のニオイが気になるときにもよさそうですね。
愛犬が気に入る歯磨きガムで歯のケアをしよう!
歯磨きガムは噛むだけで歯のケアができるので、歯磨きが苦手な犬には、まず歯磨きガムを使ったオーラルケアから始めてみましょう。その際は、愛犬の体格・嗜好に合うものを選び、誤飲などにも十分注意したうえで与えるようにしてくださいね。
ただし、歯磨きガムはあくまでも補助ケア用品なので、これだけで歯の汚れや口内トラブルを防げるわけではありません。歯磨きガムでのケアに慣らしつつ、できるだけ早めに歯磨きでの本格的なケアも行いましょう。
犬用ガムの種類や用途別の選び方などについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。