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この世の終わり、みたいな顔をされても【穴澤賢の犬のはなし】

ここここにも書いたことがある通り、わが家では年に1度は大吉と福助の健康診断をしている。一般的な血球検査(CBC)より、血液中に含まれる成分を詳しく分析する「血液生化学検査」によって、内臓に異常はないか、栄養状態はどうか、チェックする。
それ以外にも獣医師による触診や、聴診器で飼い主が気づかない異常はないか、歯石の状態や、耳の中まで診てもらう。ワクチン摂取や狂犬病の予防注射(注射の日は分ける)を打ったり、フィラリア・ノミダニ予防薬を処方してもらったり、恒例行事となっている。
彼らには大切なことだが、その間のまぁ嫌そうなこと嫌そうなこと。そこまで露骨に嫌な顔せんでもいいのに。
わが家が通っている「横浜山手犬猫動物医療センター」は、院長の上田先生をはじめ皆さん優しく接してくれるが、大吉と福助は心の底から嫌な顔をする。嫌な経験は何もないはずだが、病院は大嫌いらしい。
山の家にいるときの、生き生きとした顔と比べると、その落差がすごい。なんてわかりやすい奴らだろう。できることなら病院には一生行きたくないんだろうな。
とはいえ、病院には定期的に連れて行くが。その度に「この世の終わり」みたいな顔をされても知らん。病院から出たときに「ひゃー、災難だった」という顔をされても。
と思っていたら動物病院から電話があった。血液生化学検査の結果が出たらしい。まったく問題ないとのこと。特に7才となる大吉も年齢のわりにどこも異常なしとのこと。ふぅ、よかったよかった。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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