犬と暮らす
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マンガでわかる! 犬を叱っちゃダメな理由って?
犬への「ダメ」の伝え方、間違っていませんか?
「お気に入りのクッションを噛んでボロボロにされた!」
「散歩前に興奮してピョンピョン飛びついてくる」
「おもちゃで遊んでいたら手をあま噛みされた!」
など、犬に困ったことをされたとき、あなたはどのように対処していますか?
お気に入りのものを壊されると悲しいですし、飛びつかれたときに爪が当たったり、手を噛まれて痛い思いをすると、ついつい感情的になってしまいますよね。そんなときは、ついつい「ダメって言ってるでしょ!」「コラ!」と怒鳴ってしまいがちですが、実はそれ、残念ながら無駄な行動なんです……。
何故かというと……まず、人間では、だいたい3才になると、会話を理解できるようになります。すると、ほかの人から自分がどう思われているかがわかるので、善悪の判断がつくようになり、罪悪感や恥といった気持ちを理解できるようにもなります。一方、犬が言葉を理解できる能力は、人でいう2才半程度だと言われています。会話の内容が理解できないということは、叱られた理由が理解できず、反省も後悔もしないというわけなんです。
わかりやすく漫画にしてみましたので、チェックしてみましょう!
自動車教習所に例えてみました
違反の理由を教えてもらえずに怒られるようなもの

①突然「ダメ!」と言われる
自動車教習所で練習中のAさん。教官を隣にのせて、車を走らせていたら、教官に「ダメだよ!」と注意されます。
(犬でいうと……盗み食いをしたら、飼い主さんから突然「ダメ!」という言葉を言われます)
②なぜ注意されたのかがわからない
教官は怒っていますが、何がダメだったのかは「考えれば分かるだろ!」と教えてくれません。
(犬でいうと……人の複雑な会話がわからない犬は、叱られてもその理由を知ることができません)
③どうしたらいいかわからない
スピード違反だったのか、一時停止を無視したのか……教官に叱られた理由がわからないので、次から何に気をつければいいかがわからず不安になります。
(犬でいうと……何がダメだったのか犬なりにアレコレ一生懸命考えます)
④理由がわからないから、また同じ違反をしてしまう
気づかないうちに同じ違反をしてしまい、教官に叱られます。2度目なので注意もさらに厳しく、つらい気持ちに……。
(犬でいうと……前より厳しく叱られ、飼い主さんを嫌いになります)
効果がない「ダメ」は言わなくてOK!
上の漫画のように、犬に「ダメ」と言ってもストレスになって嫌われるだけなので、「ダメ」を言うのはやめましょう。その代わり、愛犬には「してほしいこと」を教え、できたらすぐにほめるのが正解です。そうすれば、愛犬はほめられた行動を繰り返し、困った行動が減少していくでしょう。ダメと言わなくてもイイコになるというわけです!
こちらも漫画で解説します!
正解を教えよう
①犬にしてほしい行動を教える
盗み食いをしそうになったら「オイデ」と犬を呼び、犬が飼い主さんのところに来たらほめて、フードやおやつなどのごほうびを与えましょう。

②困った行動ができない環境にする
①と並行して、絶対に盗み食いができないよう、犬の口や手が届くところには食べ物を置かず、戸棚などに片づけてしまいます。

③犬にどうすればいいかが伝わる
「苦労して盗み食いをするよりも、飼い主さんの手からフードをもらったほうが効率的」と犬がわかるようになり、盗み食いをやめます。

④ほめられるので「またやろう」となる
「オイデ」と呼ばれて飼い主さんのそばに行くたびにほめられるので、犬がこのままこれを続けようという気になります。同時に、盗み食いの記憶も薄れていきます。

「ダメ」の代わりに「イイコ」を使おう
いかがでしたか? 犬に「ダメ」と言っても伝わらないので、正解を教えて「イイコ」とほめるか、そもそも困りごとが起こらないような環境を作ることが大切です。あなたがもしこの先、犬に「ダメ!」と言いたくなったら、うえでご紹介している自動車教習所の例を思い出してみてくださいね!
参考/初めて飼い主さんの『いぬのきもち』2016年1月号「ダメ・イイコの正しい伝え方」(監修:「Can ! Do ! Pet Dog School」代表・日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター 西川文二先生)
漫画・イラスト/おぐらなおみ
文/影山エマ
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