犬と暮らす
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なぜ犬に散歩は必要なの? 短時間の散歩を充実させるコツ
犬に散歩が必要な理由とは?
いぬのきもち獣医師相談室担当獣医師(以下、獣医師)
「犬にとって散歩は、運動不足解消やストレス発散などの効果があるため、健康を守るために不可欠なものです。また、ほかの犬とのコミュニケーションを取るいい機会になったり、さまざまなニオイや音などの刺激を通して社会性を身につけることもできたりするでしょう」
――散歩にはメリットがたくさんあるのですね。
獣医師
「そもそも、犬などの人に飼育される動物には、与えられるべき自由というものがあります。実は最近、十分な運動の機会を与えられていないなど、“犬らしい行動”をする自由を与えられていない犬が多いことがわかってきているのですが、散歩は“犬らしい行動”をさせてあげるためにも必要なものなのです」
犬に必要な1日の散歩時間の目安とは?
獣医師
「あくまで目安にはなりますが、小型犬の場合は15~30分程度の散歩を、中型犬は30分以上の散歩を、大型犬では30分~1時間程度の散歩を、1日2回毎日行うのが理想です。ただし、犬種や年齢、愛犬の体調などによっても必要な運動量は変わってきます」
――きちんと散歩時間を確保できる人でないと、犬を飼うのは難しそうですね。
短時間の散歩で、犬の運動量や満足度をアップさせる方法は?
獣医師
「毎日同じ散歩コースを歩いていると刺激がなくなることもあるので、ときどき散歩コースを変えることで喜んでくれる犬は多いです。そのため、たとえ距離が短くなったとしても、満足度は上がるでしょう。もしも散歩コースに選択肢がない場合は、いつもの散歩コースの逆回りでもいいです」
――ちょっとした工夫でも満足度が上がるのですね!
獣医師
「散歩コースの途中に公園や広場があるなら、リードをつけ、周りに注意しながらボールなどのおもちゃを使った遊びを取り入れてみるのもおすすめです。犬にとっていい運動になるだけでなく、飼い主さんと一緒に遊んでいるという充実感が得られるので、いつも以上に満足してくれるでしょう。
また、いつも同じスピードで歩いているなら、早歩きや小走り、本気走りなど、ときどき速度にメリハリをつけて犬を楽しませるのもいい方法です。とくに走る行為は、ただ歩くよりもいい運動になるので、散歩時間があまり取れないときなどに取り入れてみてください」
散歩に行けないときの対策や注意点とは?
獣医師
「朝に散歩の時間が取れないときは、夕方の散歩を長めにするなど、工夫してみてください。また、忙しい時期や悪天候のときは1日お休みするなど、臨機応変に対応してもOKです。どうしても散歩に行けないときは、室内で楽しくコミュニケーションを取りながら遊んで、ストレスを発散させてあげましょう」
――室内遊びする際のコツや注意点があれば教えてください。
獣医師
「室内遊びする際は、時間配分を考えることが大切です。長く遊ばせすぎると、犬が飽きて逆効果になってしまいますし、短すぎてもストレス解消にはなりません。愛犬と遊ぶときは時間を決めておきましょう。
また、興奮させすぎないことも重要です。犬を興奮させすぎると、吠えや破壊行動につながるほか、かえってストレスになってしまうこともあるので注意してください。
なお、遊びやトレーニングでごほうびのおやつを与えすぎると、犬は肥満になりかねません。ゴハンの量をうまく調節しながら、量を守っておやつを与えるようにしましょう」
――ありがとうございました!
取材・文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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