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心身に影響が出ることも? スキンシップ不足の犬が見せるサイン7つ
飼い主さんは、日頃から愛犬とスキンシップの時間をとっていますか? なかなか忙しくて難しい…という人もいるかもしれませんが、スキンシップ不足によって、犬の心身にさまざまな影響が出てしまうようです。
この記事では、スキンシップ不足の犬が見せるサインについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
スキンシップ不足の犬が見せるサインは?

ーー日頃の飼い主さんとのスキンシップが足りていないとき、犬はどのようなサインを見せますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「飼い主さんとのスキンシップが足りていないと、下記の7つのようなしぐさや行動を見せるでしょう。
きっと孤独を感じて、寂しいと思っているのだと思います」
スキンシップ不足が犬に与える影響は?

ーースキンシップが足りないと、犬にどのような影響が出る可能性がありますか?
獣医師:
「孤独になると安心感が不足してストレスを感じ、病気につながる可能性もあります。
はじめは怒っているとか、ふてくされているとか、寂しいとか、表面上だけに見える感情の表出の変化ですみますが、もう少し長いあいだ孤独を感じた場合には、体にも影響が出てくることもあります。
たとえば、短期的なホテル等でのお留守番では、食欲の問題、消化器症状、舐性皮膚炎などが見られるでしょう」
ーーホテルに預けたときに孤独を感じてしまう犬もいるんですね。
獣医師:
「そうですね。さらに孤独を感じる時間が長期化すると、精神的な不安定さが病的になってきます。ストレスが免疫力の低下や、自律神経の働きの乱れを引き起こしますので、間接的にいろいろな病気の引き金となります。目に見える変化の例としては、睡眠障害や皮膚病などが見られることもあります」
スキンシップの時間がなかなかとれない飼い主さんは、どうしたらいい?

ーー日中は仕事で忙しくて、なかなか愛犬の相手をしてあげられない飼い主さんもいると思います。そうした人でもできるスキンシップの方法は、なにかありますか?
獣医師:
「スキンシップは遠隔ではとれませんので、時間を作ってほしいです。いつもよりも多く、まずは5分だけでもいいので時間をとりましょう。
寝る前に少しでもスキンシップの時間をとると熟睡につながることがわかっていますので、やはりスキンシップの時間は必要です。犬を飼ったのであれば、犬との時間をつくり楽しんでほしいですね」
ーースキンシップが熟睡にもつながるんですね! それは今日からでも実践してあげたいですね。
獣医師:
「犬も人も、他者との関りをもちたいと思うのは本能的で自然なことです。食べる、寝るなどの本能的な欲求と同様に、満たされないと心や体の不調につながります。ぜひ、日頃から愛犬とのスキンシップを心がけてみてくださいね」
犬種によってスキンシップのコツはある?

ーースキンシップのコツについてですが、犬種によっては「ベタベタのスキンシップが苦手」「遊ぶのが大好き」など、人との距離感もさまざまでしょう。なにか気をつけるべき点はあるのでしょうか?
獣医師:
「たとえば、日本犬の種類やその雑種は、自分を拘束されることを好まないコが多いようです。ただ、そうでないコも最近では多くいますので、それぞれの個性を見ていくことが大事です。
犬はほかの犬や人間の真似をしますので、遊び方を見せたり一緒に楽しんでいる姿を見て、同様にするようにもなります。一緒につながりを作っていく感じですね」
子犬期、成犬期、シニア期で意識したいスキンシップのコツは?

ーー犬の年代によっても、スキンシップで意識したいことはありますか?
獣医師:
「そうですね。まず子犬期の甘えん坊さには、あまり振り回されないようにしたいです。これは自律した成犬になるためです。遊ぶとき、寝るときのシチュエーションを明確にしてあげる必要があると思います。
成犬になると、自分の意思をしっかりもつようになります。わがままにならないようにしつつも、不満な部分がないかを考えて接してあげたいですね。成犬になるとそのコの個性がで出てくるので、ベタベタが好きなのか、遊びが好きなのか見ていく時期でしょう。飼い主さんと愛犬がお互いに心地よい距離感をつかめる時期です」
ーーシニア期はどのように接してあげるのがいいでしょうか?
獣医師:
「シニア期になると、少しゆったりとした時間を好むようになります。穏やかなスキンシップを心がけてあげましょう。
シニア期には、前まで好きだったことが好きではなくなることもあります。年齢的なものなのか、どこか調子が悪いのかもしっかり見てあげたいですね」

日頃からスキンシップをしてあげるかどうかで、愛犬の心身にもさまざまな影響が出てくるようです。愛犬を孤独な思いにさせないよう、愛情を注いであげてくださいね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami
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