犬と暮らす
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共働きで犬を留守番させる注意点は? 留守番中の心配事を獣医師に聞いた
そこで今回は、いぬのきもち獣医師相談室の先生に、共働き家庭における犬の留守番のストレスや注意点などについて聞きました。
どのくらい長時間の留守番だと犬の負担になる?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「具体的な数字はありません。ただ、夜は寝る時間として考え、それ以外の時間を何もせずに単独で過ごすとなると、犬もきついはずです。犬の気持ちになって一度考えてみるとよいでしょう」
――たしかに、睡眠時間以外の時間も長時間、単独で過ごさなければならないことを考えてみることが必要ですね。犬は留守番中どのような気持ちなのでしょうか?
獣医師:
「留守番中の犬の気持ちはそれぞれ違うと思います。状況によって『つまらない』と感じている場合もありますし、『静かに過ごせるからよかった』などと思っていることもあるでしょう。
ただし、多くの犬は飼い主さんの帰りを待っていますので、『早く帰ってこないかな』と思っているはずですよ」
どれくらい留守番が続くと犬はストレスを感じる?
獣医師:
「ストレスの感じ方は犬によって違いますので、まずは犬の様子をよく見て、犬の気持ちになって考えてみることが大切です。とはいえ、多くの犬は留守番中に退屈を感じたり、長時間の留守番でストレスを抱えたりしているように思います」
――犬が少しでもストレスを感じないためにできることはありますか?
獣医師:
「飼い主さんには、“今の生活よりも少しでもよくていこう”と考えてほしいです。その際、『動物の5つの自由』という概念をもとに考えるとよいでしょう。
『動物の5つの自由』には、『本来の行動がとれる自由』『恐怖・抑圧からの自由』というものがあります。これをもとに、犬がなるべくストレスなく、のびのびと生きていくために今できることは何か、考えてみてください」
飼い主さんの生活の変化は犬にどんな影響を与える?
獣医師:
「犬にとって『いつもと違うこと』は、よくも悪くも刺激的です。大げさに言うと、ルールや生活サイクルが変わることは、そのたびに心身ともに混乱が生じ犬を疲れさせますので、できる範囲でルールや生活スタイルが変わらないように配慮しましょう。
なお、なかには飼い主さんの生活スタイルが変わって、犬がいつもより楽しそうにしていることがあるかもしれません。この場合は、これまで犬のためにさく時間が少なかったことなどが影響しているケースが考えられます」
――もとの生活に戻るときに備えて、共働きの飼い主さんがやっておくべきことや注意点がれば教えてください。
「生活がもとに戻ったときに、そのなかでどう犬と過ごす時間をつくるか、また、留守番中にどう犬の楽しみをつくるかなどを、改めて考えてほしいです。そのためには、愛犬が好きなものをよく理解し、そこからできることを考え、広げていくことがポイントです」
犬の留守番中の安全対策は?
獣医師:
「危ないものは置かないことにつきます。ただし、だからといって何にもない部屋を用意したり、長時間のケージの中で過ごさせたりするのは考えものです。
犬にとって、何にもせずに同じ場所でじっとしていることはかなりストレスですので、危険なものは置かないことを大前提に、犬が留守番中に楽しめるものを探すようにしてください」
――ありがとうございました。
取材・文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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