犬と暮らす
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府民と市民、そして愛犬たちが自由に集える動物愛護センターの取り組みとは
動物愛護の精神を広めるための先進的な取り組みについて紹介します。
「動物愛護の精神を広めるため」に設立
「現在のセンターの前身は、『京都市家庭動物相談所』という施設でした。1979年に建てられたもので、かなり老朽化が進んだことから、全面改築の話が出たのが始まりでした」
とセンター長の田邊さんは、設立の経緯を話してくれました。
2012年に当時の京都府知事と市長が懇談会を行い、府民、市民に動物愛護の精神をもっと広めていきたい、という思いから、共同で新センターを設立する話がまとまったのだそうです。
共同でセンターを設立して、譲渡の流れが変わった
しかし現在は、市で保護した犬でも府を合わせた全域で譲渡ができるようになりました。
また、動物愛護に関する情報発信を幅広く行えるようになったのも、大きなメリットですね」
センターに収容されている犬は、予約の必要なく、営業時間内であればいつでも見学することができます。譲渡の申し込みは、常時センターで受け付けています。
またセンターでは、動物愛護について幅広く知ってもらおうと、年に4回「愛ランド通信」という機関紙を発行しています。
中心街に近い、多くの人に開かれた動物愛護センター
広大な敷地に立つ建物は、展示ホールや会議室、犬とのふれあい室などを備えた「事務所棟」と、医療設備やトリミングルーム、冷暖房完備の犬猫用の収容室がそれぞれある「動物棟」に分かれています。建物の外にはドッグランもあります。
また施設内で、犬の行動学の専門家が講師を務める「犬と楽しく暮らすための教室」を開催したり、センターがある公園内でプロの写真家による「愛犬の写真教室」が開かれることも。
このように、センターでは収容犬のお世話・譲渡だけでなく、さまざまなアプローチで動物愛護の精神を広めようとしています。
次回は、開かれた施設を目指すセンターの試みをさらに詳しく紹介し、また運営を支えるボランティアの方々を紹介します。
※各情報は、2021年4月7日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2021年6月号『犬のために何ができるのだろうか』
取材・文/袴 もな
写真提供/京都動物愛護センター
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