暑い季節はさまざまな虫が活発になります。とくに蚊・ノミ・マダニなどは、犬が刺されたりかまれたりすることで感染症を引き起こす危険性があるため注意が必要です。
今回は、蚊・ノミ・マダニが潜んでいる場所や予防法についてご紹介します!
フィラリア症の原因になる「蚊」
蚊はフィラリア症という病気を運んできます。感染した蚊に刺されると感染能力をもったフィラリアの幼虫が犬の体に侵入し、体内で成虫になります。それが心臓や肺動脈に達し、死に至る場合も。
蚊が潜んでいる場所
蚊は春から秋にかけて活動し、あらゆる場所へ飛んでいきます。高層ビルの上階にもエレベーターで運ばれてきたり、海外から飛行機に乗ってやってきたりすることも。
また、メスの蚊は「流れていない水の水面」に卵を産みます。卵はボウフラとなり、産卵から約12日で成虫になります。家のまわりでは、雨どいや植木鉢の皿などの水たまりに注意をしましょう。
アレルギー性皮膚炎を引き起こす「ノミ」
犬がノミに刺されると、皮膚の広い範囲にアレルギー性皮膚炎を引き起こすことがあります。また、ノミを口にするとノミに感染している寄生虫が犬の消化管に寄生してしまうことも。
ノミが潜んでいる場所
ノミは梅雨の前後から活動・繁殖するといわれていますが、近年は住宅が高気密・高断熱化しているため、室内でもノミが一年中繁殖しやすい状況になっています。
室外では暗く湿った場所に、室内ではノミの幼虫の栄養となる動物のフケなどが落ちているような場所に注意をしましょう。
さまざまな病原体を媒介する「マダニ」
動物を吸血して生きているマダニ。病原体をもったマダニに吸血されることで病原菌が体に侵入します。病原体によっては犬が死に至る場合もあるので注意が必要です。
マダニが潜んでいる場所
マダニは気温15℃以上で活発に活動し、野生動物がいるような山林、民家の裏庭、畑、あぜ道などの草むらに潜んでいます。
近年は河川敷や都市部の公園、ドッグランなどに潜んでいることもあるので、日常的な散歩のあとでも体にマダニがついていないか確認することが大切です。体についたマダニは無理に抜こうとせず、見つけたら動物病院を受診しましょう。
蚊・ノミ・マダニの予防法
さいごに、蚊・ノミ・マダニの予防法をご紹介します!
駆除薬
駆除薬の投与により、虫を近寄らせない、もしくは体内の寄生虫を駆除する効果があります。フィラリア症は感染から1カ月以内であれば幼虫のうちに駆除できるので、蚊が発生したあと1カ月から活動を終えた1カ月後までが予防期間の目安となります。
ノミやダニも暖かい季節が活動・繁殖の時期ですが、地域によって予防期間は異なるので、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
こまめな掃除
ノミが生息しやすい部屋の四隅や家具の下、家具と家具の間、カーペットなどホコリのたまりやすいところは、とくにこまめに掃除をするようにしましょう。また、蚊が卵を産む水たまりをつくらないよう、家のまわりの片づけをすることも大切です。
ペット用虫よけを使用
駆除薬での定期的な予防に加えて、ペット用虫よけ剤を使うとさらに感染症予防の効果が期待できます。人用の虫よけ剤は犬にとって刺激が強いこともあるので、必ずペット用を使用してください。
参考/「いぬのきもち」2019年4月号『散歩道に、家の中に。こんなところに潜んでいる!? 春になったら蚊・ノミ・マダニにご用心!』(監修:みずほ台動物病院名誉院長 琉球動物医療センター院長 兼島孝先生)
文/えむら若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。