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悪人を見抜く!? 最新科学で読み解く、犬の「第六感」
「第六感」とは、視覚や聴覚などの五感を超えた、超人的な感覚のこと。犬は人のように言葉が話せないぶん、人にはない能力をもち、直感的に物事の本質をつかむことができると昔から考えられてきました。そもそも犬の嗅覚などは、人がもつ感覚をはるかに超越しているため、人の常識で共感しきれない超感覚的な部分も「第六感」と呼べるのかもしれません。
そもそも人とどう違う?犬の第一感~第五感
まずは第一感「嗅覚」。
犬の五感の中でもっとも鋭い感覚と言われており、その敏感さは人の約1億倍とも言われています。
ニオイを感知する「嗅細胞(きゅうさいぼう)」、フェロモンを感知する「鋤鼻器官(じょびきかん)」をもち、また、鼻の湿り気はニオイの方向を知る助けになっています。
次に第二感「聴覚」。
人が聞き取れる周波数(約20~2万ヘルツ)の約2倍以上も高い音も聞こえるため、聴力は人の約6倍、音をキャッチできる範囲も人の約4倍と言われています。ちなみに、立ち耳など耳の形による聞こえた方には差異はないそうです。
第三感は「視覚」。
視力は0.3程度と言われていますが、広い視野をもち、動体視力もすぐれているため、動くもの(獲物)を感知する能力は抜群。目の構造的に夜目がきき、見えている世界は青と緑とその混合色と考えられています。
第四感は「触覚」。
感覚神経が密に分布しているため、鼻や口のまわりはとくに敏感で、触られるのが苦手な犬も。一方、耳のつけ根や胸、背中など、自分では触れない場所を飼い主さんになでられると、うれしく感じるようです。
第五感は「味覚」。
舌にある、味を感じる細胞(味蕾)が人の20%ほどしかないため、味よりもニオイによって食べ物のおいしさを判断していると考えられています。ちなみに甘みに反応する味蕾の数が多いため、甘い味を好むようです。
最新研究で読み解く、犬の第六感
がん患者や海賊版DVDを探し当てられる
犬には紫外線が見えている!?
犬はパワースポットがわかる!?
ちなみに、東京大学とカリフォルニア工科大学などの共同研究チームにより、磁気の向きに応じた脳波の反応を見る実験から、人間にも地磁気の方向や強さを知覚する「磁覚」が備わっている可能性が発表されました。第六感のひとつとして、さらなる解明が待たれます。
善人か悪人かを見分けられる!?
これからの現代科学に期待!
犬以外にも、超音波がわかるコウモリのほか、赤外線を感知するヘビのピット器官、電流を感知するサメのロレンチーニ器官、二酸化炭素を感知するマダニのハラー氏器官など、人にはない能力を有する動物もいます。
犬の「第六感」については現代科学では未解明な部分も多いですが、もしかするとその不透明さも犬の魅力のひとつなのかもしれませんね。
参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ『いぬのきもち』2020年8月号「犬の第六感」特集(監修:東京農業大学動物科学科(動物行動学研究室)教授 増田宏司先生)
イラスト/岸潤一
文/影山エマ
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