ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
- 英語名
- Peruvian Hairless Dog
- 原産国
- ペルー
- サイズ
- 小・中・大型犬
- グループ
- 原始的な犬・スピッツ
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの性格と特徴・飼いやすさ
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、世界最古の犬種の一つと考えられています。インカ文明の陶器にこの犬種に似た犬が描写されていることがその根拠となっています。そのほか、中国やアフリカ大陸から持ち込まれたという説を唱える専門家もいます。ペルービアン・ヘアレス・ドッグの特徴は、なんといっても体毛がほぼないこと。そのため、スリムな体型がひときわ目を引きます。性格は快活で、飼い主さんと家族には愛情を注ぎます。一方、他人には警戒する傾向があるので番犬にも向いています。また、ほかのヘアレスドッグにも見られますが、生まれつき歯が欠如していることが多いことも特徴です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの性格
気品のある外見ながら、元気で明るい性格です。飼い主さんと家族には忠実で愛情深く接する犬です。一方で警戒心が強く、他人に対して慎重な面があります。番犬向きともいえますが、子犬のころから社会化の訓練をし、他人への警戒心を抑えられるようにしておくとよりよい家庭犬になります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの大きさ
体高によって小・中・大型犬の3つに分けられます。体高25~40cmの小型犬、40~50cmの中型犬、50~65cmの大型犬の3タイプです。被毛がほとんどないため、スリムで引き締まった体つきがきわだっています。
小型犬 体高:25~40cm/体重:4〜8kg
中型犬 体高:40~50cm/体重:8〜12kg
大型犬 体高:50~65cm/体重:12〜25kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの毛色の種類
ほとんど被毛はありませんが、頭頂部やしっぽなどに白っぽい毛が少し生えることもあります。皮膚の色はブラック、ストレート・ブラック、エレファント・ブラック、あらゆる色調のグレー、ダーク・ブラウンなどです。体のどの部分にピンクの斑があってもよいとされています。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの心配な病気
・乾燥などが原因で肌が荒れる「乾燥肌」
・セキや鼻水が出る「風邪症候群」
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの価格相場(2024年)
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの飼い方
ポイント(1)体のサイズにより散歩時間の調節を
元気な犬なので毎日の散歩は欠かさずに行いましょう。体の大きさによって必要な散歩時間は異なります。1日あたり小型犬なら30分、中・大型犬なら60分程度が目安です。ペルービアン・ヘアレス・ドッグは他人に対して警戒心が強いため、子犬のころから社会性を身につけさせる訓練を行っておくと散歩時にも安心です。
ポイント(2)保湿クリームで肌の手入れを
ペルービアン・ヘアレス・ドッグには被毛がほぼないため、むき出しの皮膚のお手入れが必要です。必要であれば毎日保湿クリームを体全体に塗り、乾燥から皮膚を守りましょう。また、寒さに弱い犬種ですから、寒い時期の外出時や夏の冷房が効いた場所へのお出かけ時には洋服を着せましょう。体の冷えが原因で体調を崩すこともあるので注意を。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの歴史や背景
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、インカ帝国が栄えた時代に高貴な人々のペットとして飼育され、改良されて以来、ペルー全土で飼育されてきました。しかし、大航海時代にヨーロッパ文化が流入したのを機に絶滅寸前まで頭数を減らしてしまいます。その事態を重くみたペルー政府によって、現在では国の重要な文化遺産の一部として保護されるようになり、再びペルーの人々に愛される犬となっています。日本ではとても珍しく、なかなか出会うことができない犬種です。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]・愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)