
ブラジリアン・ガード・ドッグ
- 英語名
- Brazilian Guard Dog
- 原産国
- ブラジル
- サイズ
- 超大型犬
- グループ
- 使役犬
ブラジリアン・ガード・ドッグの性格と特徴・飼いやすさ
ブラジリアン・ガード・ドッグは、17世紀にポルトガル人やスペイン人がブラジルに持ち込んだマスティフやブラッドハウンド、ブルドッグなどの交配によって作出されました。番犬としてだけでなく、牧牛犬や狩猟犬としても活躍。鋭い嗅覚を生かし、逃亡した犯人を追跡するためにも用いられました。信頼関係を築いた飼い主さんへの忠誠心は強く、家族には温厚で愛情深く接します。ただし、防衛本能や警戒心が強く、飼い主や自身への危機を察すると攻撃性を出現させることも。子犬のころから専門家のアドバイスを受けながらしっかりしつけと訓練を行わなければなりません。
ブラジリアン・ガード・ドッグの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
※参考『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
ブラジリアン・ガード・ドッグの性格
信頼関係を築いた飼い主さんには強い忠誠心を示し、家族に対しては穏やかで愛情深く接します。一方で、防衛本能や警戒心が非常に強く、並外れた勇敢さももっているため、見知らぬ人に対して攻撃性をあらわにすることもあります。相手をケガさせるなどの大きな事故を起こさないよう、子犬のころから強固な信頼関係を築くしつけや訓練を行うことはもちろん、社会性も身につけさせることが必要です。しっかりと信頼関係を築くことができれば、従順で愛情深い家庭犬になるでしょう。やや怠けグセがあり、散歩を嫌がるような憎めない面もあります。
ブラジリアン・ガード・ドッグの大きさ
体高はオスで65~75cm、メスで60~70cmの超大型犬です。頑丈な骨格と、長方形のがっちりとした体型をしています。首が太く、首の皮膚がやや垂れているのも特徴です。
オス 体高:65~75cm/体重:50kg以上
メス 体高:60~70cm/体重:40kg以上
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ブラジリアン・ガード・ドッグの毛色の種類
ホワイト、マウスグレー以外の単色はすべて認められています。ただし、ダップル・コートや斑は許容外です。
ブラジリアン・ガード・ドッグの心配な病気
・遺伝的要因も指摘される「股関節形成不全」
・胃がねじれて起こる「胃捻転」
・まぶたが内側や外側にめくれている状態で結膜炎の原因にもなる「眼瞼内反症」
・最終的に失明することもある「進行性網膜萎縮」
ブラジリアン・ガード・ドッグの価格相場(2024年)
ブラジリアン・ガード・ドッグは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
※自治体により特別な飼育遵守事項が定められている場合があるので、事前に確認しましょう。
ブラジリアン・ガード・ドッグの飼い方
ポイント(1)子犬のころからしつけと訓練を
ブラジリアン・ガード・ドッグは飼い主さんには従順ですが、防衛本能や警戒心が強い犬です。見知らぬ人に向かっていかないよう、子犬のころから強固な信頼関係を築くしつけや訓練を行うことはもちろん、社会性も身につけさせることが必要です。体が大きく力も強いため、専門家のアドバイスを受けながらしつけを行うと安心です。
ポイント(2)朝夕2回の散歩は必須
ブラジリアン・ガード・ドッグはあまり活動的な犬ではありませんが、1日2回30分程度の散歩が必要です。運動不足がストレスとなり、吠える、攻撃的になるといった問題行動を引き起こすこともあります。毎日の散歩は欠かさず行いましょう。
ポイント(3)被毛のお手入れは汚れを拭く程度で
短毛のためお手入れはラクです。濡らしてよく絞ったタオルで、体の汚れを拭き取れば充分です。首のたるみは蒸れて皮膚炎を起こすこともあるので、ヒダの間も丁寧に拭いて清潔に保ちましょう。また、垂れ耳の犬は外耳炎を発症しやすいものです。定期的に耳の手入れも行いましょう。
ポイント(4)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ブラジリアン・ガード・ドッグ似た犬の種類
ブラジリアン・ガード・ドッグの歴史や背景
ブラジル原産のブラジリアン・ガード・ドッグは、数少ない南米原産の犬です。南米大陸の国々は犬との歴史が乏しく、自国の原産犬をもつ国が少ないといわれています。ブラジリアン・ガード・ドッグは、17世紀にポルトガル人やスペイン人によってもたらされたマスティフ、ブラッドハウンドなどの交雑によって生まれました。鋭い嗅覚でジャングルに逃げ込んだ犯人の追跡などを得意としていました。都市化が進んだ現在では、性格や体格の改良がされ、ブラジルやアルゼンチンでは人気のある犬種となっています。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)