ノルウェジアン・エルクハウンド・グレー
- 英語名
- Norwegian Elkhound Grey
- 原産国
- ノルウェー
- サイズ
- 中型犬
- グループ
- 原始的な犬・スピッツ
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの性格と特徴・飼いやすさ
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーは、8世紀ごろからスカンジナビア半島で猟犬として用いられてきた犬種だと考えられています。その名のとおりエルク(オオシカ)狩りやクマ狩りで活躍していました。活動的で勇敢な性格を生かして、家畜の番犬、冬季のそり犬、すぐれた嗅覚を用いて鳥猟犬などマルチな活躍をみせる犬です。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの性格
猟犬としての長い歴史から、エネルギッシュで物怖じしない性格で、オビディエンスやアジリティといったドッグスポーツなども楽しめるでしょう。家庭では、家族に温厚で愛情深く接する犬です。家族以外の不審な人物には大きな吠え声を上げるなど、番犬作業も可能です。スタミナ旺盛な犬ですから、毎日朝晩の散歩は欠かさずに行いましょう。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの大きさ
体高はオスで52cm前後、メスで49cm前後の中型犬です。原始的な犬・スピッツグループの犬種特有のスクエアな体型と、がっしりした骨格、引き締まった筋肉質な体が特徴です。
オス 体高:52cm前後/体重:20kg前後
メス 体高:49cm前後/体重:20kg前後
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの毛色の種類
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの毛色は、濃淡さまざまなグレーで背中の毛の毛先に黒が混じります。胸、腹、足、尾の裏側とつけ根、肩からひじにかかる部分はより明るい色調です。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの心配な病気
・網膜が変性・萎縮を起こし視力が落ちる「進行性網膜萎縮」
・腎臓の機能障害が進行し腎臓が正常に働かなくなる「腎臓病」
・皮膚が細菌感染して炎症を起こす「膿皮症」
・体重が増える成長期に起こりやすい「股関節形成不全」
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの価格相場(2024年)
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの飼い方
ポイント(1)1日2回の散歩で十分な運動を
スタミナ抜群の犬種なので、毎日、朝晩30分以上の散歩を行いましょう。ときには、オビディエンスやアジリティといったドッグスポーツ、登山やキャンプといったアウトドアなどに挑戦させ、持ち前の意欲を発散させてあげましょう。
ポイント(2)トレーニングで「吠え」をコントロール
優秀な番犬になりますが、吠え声が大きいため、子犬のころから落ち着かせるトレーニングを行い、「吠え」をコントロールできるようにしましょう。
ポイント(3)夏の暑さに弱いため、冷房で対策を
ダブルコートの被毛が密に生えているため、夏の暑さが苦手です。暑い時期は冷房の効いた部屋で過ごさせるなど対策が必要です。被毛のお手入れは、ブラッシング・コーミングを週2〜3回程度。春と秋の換毛期には抜け毛が多いため、この時期は毎日ブラッシングをしましょう。
ポイント(4)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの歴史や背景
ノルウェジアン・エルクハウンド・グレーの歴史は古く、スカンジナビア半島で生まれた犬種のなかで最古の1つといわれるほどです。ヴァイキングにも愛され、遠征するときには必ず同行させたとも。狩猟犬や番犬、鳥猟犬、冬季のそり犬など万能な犬として頼りにされてきましたが、現在でもオオシカ狩りにはなくてはならない猟犬として活躍しています。また、ノルウェーの国犬としても知られています。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)