サモエド
- 英語名
- Samoyed
- 原産国
- ロシア
- サイズ
- 大型犬
- グループ
- 原始的な犬・スピッツ
サモエドの性格と特徴・飼いやすさ
大きな体に、雪のように白くふわふわとした被毛が魅力のサモエド。アーモンド形の目と上向きの口角が「サモエド・スマイル」と呼ばれる表情をつくり、親しみやすい印象を与えます。性格もフレンドリーで、家庭犬に向いています。
サモエドの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
サモエドの性格
サモエドは温和で遊び好きで、とてもフレンドリー。長年、人とともに暮らしてきた犬種なので人なつこく、飼い主さんには愛情深く接し、初めて会う人やほかの犬とも仲よくできます。ただし、頑固な一面もあるので、子犬のころからしっかりと適切なしつけを行うことが大切です。
サモエドの大きさ
体高はオスで54~60cm、メスで50~56cm、体重はオス・メスともに16~30kgほどで、大型犬に分類されます。体高より体長がやや長く、骨太で筋肉が発達したたくましい体つきをしています。極寒の地でも耐えられるよう、厚いダブルコートにおおわれています。
体高:50~60cm/体重:16~30kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
サモエドの毛色の種類
サモエドの被毛の色は、ピュアホワイト、クリーム、あるいはホワイトにビスケットが入っている毛色です。薄いブラウンは許容されていません。被毛は豊かなボリューム感のあるダブルコートで、首まわりとお尻には少し長めの被毛が豊富に生えています。
サモエドの心配な病気
・股関節のつくりにより問題が生じる「股関節形成不全」
・胃がねじれを起こしてガスや液体がたまる「胃捻転」
サモエドの価格相場(2024年)
愛犬の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーからや、保護犬譲渡などさまざまな方法があります。たとえばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査(2024年5月)。
サモエドの飼い方
ポイント(1)抜け毛が多く毎日のケアが必要
サモエドの被毛は豊かなダブルコートで、換毛期にはたくさんの毛が抜けます。抜け毛をそのままにしていると体温の放熱を妨げてしまうため、毎日ブラッシングを行い、抜け毛をしっかり取り除きましょう。また、定期的なシャンプーも有効です。
高温多湿な日本の気候は皮膚疾患を招きやすいので、ブラッシング時には皮膚に異常がないかをよく観察し、異常に気づいたときは早めに動物病院で受診しましょう。
ポイント(2)毎日、戸外で充分な運動量を確保して
サモエドはそり犬だったため、運動欲求が強くスタミナがあります。エネルギーが充分に消費されないとストレスをためてしまうことがあるので、毎日、朝晩30分以上の散歩を欠かさないようにしましょう。散歩のほかに、ドッグランで思いきり走らせる時間も必要です。ただし運動をさせる際には、暑さと関節の負荷に充分に注意しましょう。
ポイント(3)行動をコントロールできるようトレーニングを
性格は穏やかですが、とても力が強いので、興奮した際などに人を転倒させてケガを負わせてしまう可能性があります。思わぬ事故を防ぐため、子犬のころからしっかりとトレーニングを行い、行動をコントロールできるようにしておくことが大切。ドッグトレーナーなどの専門家の指導を受けることもおすすめです。
ポイント(4)暑さに弱いので夏場は室温管理に注意
寒冷地方原産の犬種なので、寒さには強いですが、日本の暑い夏がとても苦手です。夏場は犬がハアハアしない程度の温度設定でエアコンを活用して、快適に過ごせるよう環境を整えましょう。また、散歩は暑い時間を避け、早朝や日没後に行くようにしましょう。
ポイント(5)食欲旺盛なので、一気食いをさせない工夫を
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。サモエドは食欲旺盛なので、フードを一気食いしてしまうことも。一気食いをすると空気を大量に飲み込み、腸内にガスがたまりやすくなることがあるので、一気食い防止用の食器を活用してもよいでしょう。
フード選びに際しては、サモエドは豊かな被毛をもつことから、皮膚・被毛を健やかに保つ成分を強化したフードを選ぶのも一案です。迷う場合は、動物病院で相談を。
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サモエドの歴史や背景
サモエドの祖先は、ロシア北部やシベリアの遊牧民・サモエド人の猟犬やそり犬として活躍していた犬です。小屋の中で人とともに暮らすこともあり、豊かな被毛は暖房代わりにもなったと伝えられています。イギリス人が連れ帰って改良し、1909年に最初のスタンダードが誕生しました。別名を「シベリアン・スピッツ」といい、日本スピッツの祖先という説もあります。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)