犬と暮らす
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【獣医師監修】愛犬とのドライブを楽しむための準備とドライブのコツとは?
車に乗ること自体が犬のストレスにならないよう車に慣れさせる練習方法や、安全なドライブをするためのコツ、ドッグランやアウトドアなど、行先別の準備についてご紹介します。
まずは車に慣れさせて
なお、車の乗降時、犬が自ら飛び乗ったり飛び降りたりすると危険ですし、足腰に負担がかかるので、飼い主さんが抱っこしてあげてください。小型犬ならクレートに入れたまま乗降させるとよいでしょう。
5分程度、止まった車の中で様子をみる
冬の暖房で車内の温度が高いと気持ちが悪くなってしまう場合もあるので、設定温度を見直してみるのも手です。
また、車に乗せただけで酔ってしまう犬の場合は、車の中で遊んでみたり、おやつを与えてみたりする方法もおすすめ。「車に乗るとイイコトがある」と思わせられたら成功です。それでも酔うようなら、動物病院で酔い止めの薬の処方を相談してみるのもひとつの方法です。
エンジンをかけてみよう
エンジンのかかった車で5分間車酔いをしなければ、「車慣れはOK」といえるでしょう。
徐々にドライブに慣れさせて
●まずは近所をドライブ
愛犬を車内に固定したクレートに入れ、車酔いのサインが出ていないことを確認したら、近所を走ってみましょう。運転手以外に同乗者がいない場合は、助手席にクレートを置くと愛犬の様子を確認しやすいかもしれません。
●車外に出してリフレッシュさせよう
5分程度走ったら車を安全なところに停めて、排泄させたり、水を与えたりする時間をとります。ドライブの目的地を公園など、愛犬が喜ぶ場所にして、楽しい時間を過ごしてリフレッシュさせるのもよいでしょう。ドライブの印象が良くなるはずです。
●少しずつ時間を延ばそう
愛犬が車に酔わずに乗れている様子なら、少しずつドライブの時間を延ばしていきます。ただし、長い時間乗車する場合は、1時間に1回程度のリフレッシュ休憩をとってください。
安全なドライブのコツは?
●食後すぐは練習しない
胃の中の食べ物が消化されていない状態だと酔いやすくなるため、食後3時間は車慣れの練習をしないようにしましょう。
●急ブレーキ・急ハンドルは避ける
安全面だけでなく、車酔い予防の観点からも急ブレーキ・急ハンドルは避けましょう。クレート内で体が揺れて安定しないため、犬が車嫌いになる恐れもあります。
●クレートから出さない
犬が車に慣れたからといって、クレートから犬を出してドライブするのは危険です。しっかりと固定したクレートに入れた状態でドライブをしましょう。
ドッグランの利用法や注意点
しかし、ワクチン証明書の持参など、ドッグランを利用する際の細かなルールは施設ごとに異なるため、事前にしっかりと確認することが大切です。
また、ドッグランで遊んでいるほかの犬が、どんな性格でどの程度しつけができているのかなどはわからないため、リスクを回避できる遊ばせ方を知っておきましょう。
ドッグランに行く前の準備
□ノミ・マダニ駆除剤の定期的な投薬
□フィラリア症予防薬の定期的な投薬
□各種ワクチン接種証明書(利用施設の規約を確認)
また、ドッグラン内ではノーリードとなるため、事前に「オイデ」をしつけて犬を呼び戻せるようによく練習しておきましょう。
ドッグランの利用法や注意点について
中に入ったらまずはリードを付けたまま、ドッグランの中をいっしょに散歩を。
犬が慣れてきたらリードを外して放しますが、ドライブの途中に気分転換として利用する場合は、リードを外さずいっしょに歩くだけでも充分です。
犬を放したら、興奮しすぎないようこまめに呼び戻しては再び放すことを繰り返しましょう。こうすることで、呼ばれてもまた遊べると捉え、指示に従うようになります。
またドッグラン利用後は、規約に従って排泄物の処理をし、ケガがないか、害虫が付いていないか、ボディチェックを忘れずに行うようにしましょう。
カフェやレストランでの注意点は?
事前に必要なしつけを教えて、マナーを心得ておきたいですね。
事前準備として、「マッテ」ができることは必須。
飼い主さんが食事をしている時や、公園のベンチなどで練習しておきましょう。
また、使い慣れたマットやタオルを持っていくと、愛犬も安心できますし、毛の飛び散り防止にもなります。
カフェやレストランでのマナーを守ろう
店内でのそそうを避けるため、迷惑にならない場所で事前に排泄させておきましょう。どうしても心配なら、マナーベルトやマナーパンツをはかせてもよいですね。
●犬は足元でフセをさせ、足でリードを踏む
足元にマットを敷き、その上でフセをさせたら「マッテ」を指示します。
さらに足でリードを踏み、犬の行動を制限。犬をひざの上で抱いていてもよい店の場合は、犬がより落ち着く方法で待たせましょう。
●愛犬が静かに待っていたら、ほめてフードを与えて
愛犬が静かにフセで待っていられたら、フセの体勢のまま食べられるよう、犬の目の前にフード1粒を置いてごほうびをあげましょう。1分間に5回を目安にするとよいでしょう。
アウトドアや愛犬との宿泊旅行前の準備は?
犬に余計なストレスや不安を与えないためにも、普段使い慣れている生活用品や食べ慣れたフードを持参するようにしましょう。
【犬との旅行で持っていきたいもの】
□クレート・かけ布 □お散歩セット □トイレシーツ □フード、おやつ、フードボウル
□ワクチン接種証明書 □おもちゃ、自分だけで遊べるおもちゃ □お気に入りのタオル
□薬 □ブラシ など
近年人気のアウトドアに挑戦したいという方もいるかもしれません。
草原や野山は普段生活している環境よりも、蚊に刺されるリスクだけでなく、ノミやマダニをはじめとした寄生虫の被害にあうリスクが高くなるので、事前にしっかり寄生虫対策を行っておきましょう。
大切!お出かけ前に必ずしておきたいこと
一方で、自然が豊かな場所では寄生虫の被害にあうリスクが高かったりと、普段の散歩とは違う注意点があることをよく理解し、事前に対策をしておきましょう。
また、犬を連れて行ってよい場所かきちんと確認してください。周囲に迷惑をかけないことの対策もお忘れなく。
狂犬病予防接種・ワクチンについて
ドッグランや宿泊先の施設によっては、ワクチン接種証明書の提出を求められることがあります。愛犬を病気から守り、ほかの犬や人にうつさないようにするためにも、愛犬とのお出かけをより楽しむためにも、定期的なワクチン接種を怠らないようにしましょう。
寄生虫対策
命を落とすこともあるフィラリア症について
感染初期には咳が出たり、元気がない、食欲がない、尿に血液が混じるといった症状が現れます。
万が一発見が遅れ重症化してしまうと、立っていることもままならず、心臓や肺の機能が低下したり、最悪の場合死に至ることもあります。
また、初期に発見できたとしても治療には数年かかり、後遺症が残る可能性もあるため、犬にとっては辛く負担の大きい病気といえます。
一度感染すると一生の健康を左右されるといっていいでしょう。
フィラリア症はきちんと予防薬を投薬していれば防ぐことができる病気です。
大切な愛犬を守るために必ず対策をしておきましょう。
寄生虫対策は動物病院で
フィラリア・ノミ・マダニに加えてお腹の虫対策も一度にできるオールインワンタイプのお薬もあるので、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
また、寄生虫が生息しているリスクの高い場所で遊んだ後は、ボディチェックをして愛犬の体にマダニが付いていないか確認しましょう。もし発見した場合は自分で取らずに、動物病院で取ってもらうように心がけてください。
無理をさせず、ドライブを楽しんで
そしてこれまで見てきたように、お出かけの際は行く場所に合わせた事前準備や対策をしっかり行い、マナーや注意事項、しつけのポイントを守るようにしましょう。
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
●経歴:ぬのかわ犬猫病院本院副院長/ぬのかわ犬猫病院中田分院院長 など
●資格:獣医師
●所属:日本小動物歯科研究会/比較歯科学研究会/日本獣医動物行動研究会
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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