犬は暑さに弱い動物。そのため特に5~10月ごろは、夏バテや熱中症にならないためのお世話が必須です。しかし、なかには愛犬のためと思ってやっていることが、かえって愛犬を不調にさせしまうことも。
獣医師の原修一先生に伺った「飲み水やフードにまつわるNGお世話」についてご紹介します。
NGお世話① 飲み水を1か所にしか置いていない
犬がいる部屋の中に、飲み水を1カ所しか置いていないのはNG。犬が容器をひっくり返して水をこぼしたり、容器の水を飲み干してしまうったりすることがあります。そうすると、いざのどが渇いたときに水が飲めず、夏バテや熱中症につながります。
解決法:2カ所以上に飲み水を用意
飲み水は2カ所以上に置き、犬が飲みたいときに好きなだけ飲める量を用意しましょう。特に留守番中は、水の量も設置数も多めにすると安心です。
NGお世話② 水でふやかしたフードを与えるのがNGなケースも
気温が高い時期などは水分を取らせるために、フードを水でふやかして与える方法があります。しかし、ふやかしたフードを好まない犬の場合はNG。フードを十分に食べず、知らず知らずのうちに必要な栄養が摂取できなくなって、夏バテの原因になってしまいます。
解決法:フードはふやかさず、飲み水を別に用意
水でふやかしたフードを好まない犬の場合は、ドライのまま与えてOKです。その際、フードの隣に水が入ったボウルを置きましょう。
NGお世話③ 飲み水を毎日違う場所や目立たない場所に置く
飲み水をたくさん用意したとしても、毎日ボウルを置く場所を変えたり、ひっくり返さないようにと目立たない場所に置いたりすると、犬が水に気がつかず飲めない可能性も。これでは水を用意しても意味がなくなってしまいます。
解決法:水は犬が食事をする場所やよく行く場所に置く
水は犬の食事場所やハウス、よく通る場所に置くようにしましょう。初めて水を置く場所には、犬に見せながら置くのがおすすめです。
NGお世話④ 飲み水を吊り下げ式の給水器のみで与える
ノズルの先をなめて水を飲む吊り下げ式の給水器は、置くスペースを取らずひっくり返す心配もないので便利。しかしこの給水器だけでは、犬が「暑いので水をガブガブたくさん飲みたい」と思ったときに対応できず、スムーズに体温を下げることができないおそれがあります。
解決法:水飲みボウルも併用する
吊り下げ式の給水器とあわせて、ボウルに入れた水も別途用意しておきましょう。吊り下げ式給水器のノズル下に専用ボウルをつけるのも一手です。
NGお世話⑤ 冷たい水、冷たい食べ物ばかりを与えている
犬が喜ぶからと、冷やした水や氷、凍らせたフードやおやつなどを与える場合があります。少量なら問題ありませんが、このような冷たい水や食べ物を繰り返し与えていると、人と同様に犬もおなかを壊したり、偏食から栄養不足になったりする可能性が。その結果、夏バテになってしまう場合もあるので注意が必要です。
解決法:水は常温でOK。冷たいものは少しずつ
飲み水は、新鮮な水であればあえて冷やす必要はありません。氷などを与えるときは、犬の様子を見ながら少量与える程度に留めましょう。
気温と湿度が高くなる季節に合わせたお世話を取り入れ、愛犬の健康を守りましょう。
参考/「いぬのきもち」2020年8月号『熱中症や夏バテにつながるタブー27』(監修:獣医師 上野原どうぶつ病院院長 原修一先生)
文/Yoko N
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。