犬と暮らす
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散歩で人より前を歩くのは犬自身がリーダーだと思ってるから!? 気になる犬の習性5選
残念ながらなかには、誤った「噂」レベルのことが公然といわれている場合もあるかもしれません。
そこで今回は、巷にあふれる犬についての情報の中から、よく耳にする5つのことについて、その真偽をご紹介します。
散歩時、愛犬が飼い主よりも前を歩くのは「自分がリーダーだと思っている」から?
飼い主さんの先を歩くからといって、愛犬が「飼い主さんより偉いんだ」「自分はリーダーだ」と思っているわけではありません。
ただ単に、散歩が大好だったり、気になるニオイがする方向に早く行きたいなどの理由から、ずんずん歩いているだけなのです。
そもそも、犬との接し方で上限関係や主従関係がつくられるという説に根拠はないとされています。
ただ、散歩のたびに、愛犬が行きたい方向に好きなように歩かせていると、「好きなように歩いていいんだ」「リードを引っ張って好きな方向へ向かっていいんだ」と勘違いさせてしまうことはあるでしょう。
そこは、きちんと「隣を歩くとイイコトがある」と教えないと、将来引っ張りグセが悪化するかもしれません。
愛犬は家族を順位づけする?
愛犬は、家族に順位をつけたりしません。
かつて、‶群れで生きる動物には序列があり、上下関係や順位がある″という概念がありました。
でも実際には、愛犬にとって相手が自分より上か下か? という意識はありません。
ただし、家族に対して「この人のもとでは安心できる」「この人は頼りにならない」といった、頼りになる人/ならない人、安心できる人/できない人といった認識はしているようです。
また、「いつもゴハンをくれる家族の言うことはきく」など、相手によって態度を変えることはあります。
これは自分にとってどのようなメリット・デメリットがあるか?といった、損得を考えて行動しているため。
順位や序列をつけて、態度を変えているわけではありません。
群れで暮らしていた名残から、犬は家族とくっついて寝たがる?
犬の祖先はかつて数頭から数十頭の群れをつくり、群れ全体で行動をしていました。
眠るときも、数頭で折り重なるようにしたり、体の一部をくっつけあったりして寝ていたと考えられています。
その名残から、現在の犬も、飼い主さんにくっついて眠るのを好む傾向があるようです。
また、枕や布団などの寝具は、飼い主さんニオイが強くついている場所。
布団に入りたがる犬が多いのは、大好きな飼い主さんのニオイと温かさを感じて、安心して眠りたいのかもしれません。
ほかの犬のオシッコをなめたがる犬がいる?
じつはこれ、オシッコをなめることで、オシッコに含まれるフェロモンを確認していると考えられています。
多いパターンが、オスがメスのオシッコをなめるケース。
メスが発情期を迎えると、オシッコにフェロモンの成分が含まれるのですが、オスはオシッコをなめて、交配に適した時期を確かめているようです。
犬はマウンティングすることで「自分のほうが強い」と示している?
マウンティングとは、ほかの犬の上に乗って腰を振る行動のこと。
交尾をしたいという性的な衝動のほか、自分の強さを誇示したい、相手を自分の支配下におきたいという意味合いもあります。
そして遊びの一部として行われることもあって、とくに子犬はマウンティングを繰り返すことで、犬同士の関係のつくり方や力加減を学んでいると言われています。
また、飼い主さんの腕などにマウンティングするのは、いてもたってもいられないくらい興奮してしまい、その興奮を発散しようとする場合もあるようです。
愛犬の習性や行動について、巷の噂を鵜呑みにしてしまったり、つい擬人化して誤ってとらえてしまったりすることがあるかもしれません。
ただ、間違ったとらえ方をすれば、愛犬への対応や接し方もおかしなものになってしまい、結果として愛犬との関係にヒビが入る可能性も。
犬の習性や行動は正しく把握し、愛犬との関係性を保てるようにしたいですね!
参考/初めて飼い主さんの「いぬのきもち」2018年3月号『犬の習性コレってホント?それともウソ?』(監修:東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授・増田宏司先生)
写真/佐藤正之
イラスト/尾代ゆうこ
文/h.taco
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