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【獣医師監修】犬に小松菜を与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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小松菜は犬が食べても大丈夫な冬野菜です。βカロテンやビタミンC、カルシウム、鉄分など犬の健康に役立つ栄養素が多く含まれています。ただし、肝臓や甲状腺機能の低下、結石がある犬に与えるのは注意が必要です。犬が小松菜を食べるメリットとデメリットを紹介します。

佐野 忠士 先生

犬に小松菜を与えるなら過剰摂取はNG。とくに甲状腺機能低下症には要注意

白い背景に小松菜
y-studio/gettyimages

東京の江戸川区小松地区で栽培されたことから、徳川綱吉によって名付けられたという「小松菜」。いまでは、冬野菜の代表格として全国で栽培されています。
小松菜には、多くのビタミン、ミネラルが含まれていて、犬の体の健やかな成長と健康維持に役立つ栄養素が豊富です。同じ冬野菜の代表格である「ほうれん草」と比べると、カルシウムの含有量は約3.5倍、鉄分は約3倍。ほうれん草よりシュウ酸が少なく、アクが少ないのが特徴です。

ただし、体によい栄養素でも摂り過ぎると、かえって健康を損ねる原因になることも。また、小松菜に含まれる成分の中には、甲状腺機能の低下を招くものや、結石の原因となるものも含まれているので、与えないほうがよい場合もあります。
栄養豊富な小松菜を愛犬の健康に役立てるために、犬にとって小松菜を食べることのメリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。

小松菜のおもな栄養素|約94%が水分、ビタミン、ミネラルが豊富

横を向いて少し口を開けている黒いラブラドール・レトリーバー
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

小松菜に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー15kal
水分94.1g
タンパク質1.5g
脂質0.2g
炭水化物2.4g
灰分(無機質)1.3g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

犬が小松菜を食べるメリット|強い抗酸化作用で病気予防

緑色の歯磨きガムを両前足で持ってかじり、カメラを見つめるチワワ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

小松菜には犬の体によい栄養成分がたくさん含まれています。代表的なものは以下です。

βカロテン|皮膚や被毛、粘膜、歯の健康保持。抗酸化作用で病気予防

βカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換されて活用されます。
ビタミンAは、おもに視力、皮膚、被毛を健康な状態に保ったり、丈夫な粘膜や歯をつくったりするのに役立ちます。
さらに、βカロテンはビタミンAとして働くだけではなく、それ自体が持つ抗酸化作用で、有害な活性酸素を除去する作用もあります。これらの作用は、愛犬の病気予防とアンチエイジングに役立つと考えられます。

ビタミンC|強い抗酸化作用で病気の予防、アンチエイジング

ビタミンCは、タンパク質からコラーゲンを生成するのをサポートし、毛細血管や歯、骨を健康に保つのになくてはならない栄養素です。そのほかに、鉄分の吸収促進や解毒やホルモン代謝のサポート、病気や老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用も期待できます。

なお、健康な犬は自分の体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができるため、ずっと長く「犬のビタミンC摂取は必要ない」と考えられていました。しかし、犬にも「ビタミンC欠乏症」があることが最近の研究結果からわかってきました。健康な犬でも5歳を過ぎれば体内のビタミンC合成能力が低下するとも考えられているので、シニア犬などは食べ物やサプリメントからビタミンCの補給を図ってもよいでしょう。

ビタミンE|抗酸化作用で若さを維持

ビタミンEは、細胞膜にダメージを与える活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
細胞を覆っている細胞膜が酸化すると、皮膚病や腎臓病、消化器疾患などの病気になりやすくなるため、ビタミンEの摂取は愛犬の健康を守り、若さを維持するのに役立つといえます。

小松菜にはビタミンCとビタミンの両方が含まれていますが、これは犬の体にとって大きなメリットです。なぜなら、体内で細胞膜を守るために働いたビタミンEは、「ビタミンEラジカル」という体によくない成分に変わってしまいますが、ビタミンCがまた元のビタミンEへ戻してくれるからです。

カルシウム|筋肉の収縮をサポート、丈夫な骨をつくる

カルシウムは、筋肉の収縮や弛緩、つまり筋肉をスムーズに動かすのに必要な栄養素。「リン」とバランスをとって骨や歯の健康を保つのにも役立っています。
犬は体内でカルシウムを合成することができないため、食べ物から摂取する必要があります。ふだんから適量のドッグフード(総合栄養食)を主食として与えていれば、カルシウムが不足することはありませんが、手作りのごはんを与えている場合は、不足することがあるかもしれません。小松菜でカルシウム不足を補うのもよいでしょう。

鉄分|貧血の予防

鉄は、赤血球の中のヘモグロビンを構成する成分で、酸素を全身に運搬する役割があります。鉄が不足すると、赤血球が十分につくれないために、全身の器官や筋肉に酸素が行き渡らない「貧血」状態になります。総合栄養食のドッグフードを食べていれば、鉄分不足で貧血になることは稀ですが、手作りごはんを与えている場合は不足することがあるかもしれません。

小松菜は、鉄分を多く含んでいて、野菜の中ではトップクラスの含有率といえます。ただ、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」に比べると、野菜に含まれる「非ヘム鉄」は、体に吸収される率が低いため、鉄の吸収率をアップさせてくれるビタミンCを一緒に摂取することが大事です。小松菜には、ビタミンCも多く含まれているので、鉄分補給に役立つ野菜のひとつといえるでしょう。

犬が小松菜を食べるデメリット|肝臓病や結石、甲状腺機能低下の恐れ

緑色の歯ブラシを両前足で抱え、カメラを見つめる毛がふわふわのポメラニアン
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

小松菜に含まれる栄養素の中には、過剰摂取や既往症のある犬には与える際に注意が必要なものもあります。

βカロテン|過剰摂取は肝臓に大きな負担

以前は、「βカロテンは犬の体内で必要な分だけビタミンAに変換して使われるため、βカロテンの過剰摂取による弊害はない」と考えられてきました。しかし、最近の研究で「犬はほかの動物より活発にβカロテンをビタミンAに変換する」ということがわかってきました。
βカロテンを過剰摂取すると「ビタミンA中毒」になりやすく、肝臓病の引き金になる可能性があるため、小松菜を多量に与えるのはよくありません。とくに、肝臓に疾患を抱えている犬や、肝機能が衰えている老犬に小松菜を与える際は、事前に獣医師に相談しましょう。

肝臓の異常は、重症にならないと見えてこないので臨床症状として現れることは多くありません。見た目に元気だから大丈夫!と思わずに、定期的な健康診断で肝臓機能の異常の有無についてかかりつけの獣医師と相談しておいてください。

シュウ酸|尿路結石症の原因に

小松菜には、ほうれん草ほどではありませんが、シュウ酸が含まれています。シュウ酸は、腎臓や膀胱、尿道などの泌尿器で結石をつくる原因となる物質なので、小松菜の与え過ぎは避けてください。とくに、腎臓病を患っている犬や尿路結石症がある犬には与えないほうがよいでしょう。

ゴイトロゲン(グルコシノレート)|甲状腺ホルモン分泌を妨げる

小松菜、キャベツ、クレソン、カリフラワーなど「アブラナ科」の植物には、甲状腺ホルモンの分泌を阻害する「ゴイトロゲン(グルコシノレート)」という成分が含まれています。甲状腺ホルモンの欠乏は、運動性の低下や無気力などの原因に。大量に小松菜を与え続けなければ、それほど心配はないと考えられていますが、すでに甲状腺機能の低下が認められる犬には与えないほうが安心でしょう。

タンパク質がアレルギー症状を引き起こすことも

小松菜には、少量ですがタンパク質が含まれています。食物アレルギーは、タンパク質に免疫機能が過剰反応する現象なので、稀に小松菜でアレルギーを起こす犬もあるようです。犬に初めて小松菜を与えるときは、まず少量から。皮膚の痒み、湿疹、下痢、嘔吐などが起こらないか、様子を見てからそのあとも与えるかどうかを判断しましょう。

犬に小松菜を与えるときの注意ポイント|シュウ酸を抜くために茹でてから与えよう

床にひっくり返って、頭が下、口が上になっている柴犬。白い歯が見えている
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ほうれん草ほどではないにしろ、シュウ酸を含んでいる小松菜。茹でてから与えれば、シュウ酸を減らすことができるので、より安心です。愛犬に小松菜を与える際のポイントは以下です。

与えてよい部位

基本的には人間が食べるのと同じように、根がついていれば切り取ってください。あとはすべて与えて大丈夫です。

与えるときの適量

犬に小松菜を与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。


犬の体重目安
1日あたりの接種可能目安
小型(2~5kg)125g~249g(0.5袋~1袋)
中型(6~15kg)286g~569g(1.1袋~2袋)
大型(20~50kg)706g~1404g(2.7袋~5.4袋)

※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

調理方法

小松菜は生ではなく、必ず茹でてから与えましょう。
シュウ酸は、熱湯で茹でてから水にさらすことでかなり除去できます。根元までよく洗い、熱湯でさっと茹で、流水で冷ませばOKです。茹でる際の塩は不要です。

そして、冷めたら水気を十分に絞り、小さく刻んでください。味付けはせずそのままドッグフードに混ぜるかトッピングして与えましょう。

小松菜のメリットとデメリットを知って、健康維持に役立てよう

小松菜には、愛犬の体を丈夫にし、健康を維持するために役立つ栄養素がたくさん含まれていることがわかりました。一方で、過剰摂取やすでになんらかの病気の心配がある犬には、与える際の注意が必要なことも。既往症がある場合は、小松菜を与える前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。

ほかの野菜(果物)についても、与えるときに注意が必要なものがあるので、確認しておきましょう。

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/村田典子
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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