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獣医師監修|犬に与えていい野菜・ダメな野菜とは? 与える際の注意点も解説
人が日常的に口にする野菜のなかには、犬にとって有害なものもあります。そこで今回は、犬に与えていい野菜・ダメな野菜をご紹介します。与えるときに注意が必要な野菜や、犬に野菜を与えるときの注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
犬に与えていい野菜・ダメな野菜 ※量や与え方など詳細は下記へ
まずは、犬に与えていい野菜・ダメな野菜一覧をチェックしていきましょう。
犬に与えていい野菜・ダメな野菜リスト ※量や与え方など詳細は下記へ
犬に与えていい野菜 | キャベツ・白菜・さつまいも・きゅうり・トマト・じゃがいも・にんじん・大根・ブロッコリー・レタス・かぶ・かぼちゃ・セロリ・パセリ・グリンピース など |
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犬に与えてはいけない野菜 | ねぎ類・アボカド・ぎんなん・なす・にら・にんにく・ごぼう・とろろいも など |
犬に与えていい野菜
※摂取量の目安は、総合栄養食のドッグフードを主食にしている体重5kgの健康な成犬を想定しています。
キャベツ
春キャベツは葉が薄くやわらかいため、生のまま与えても問題ありませんが、ほかの時期のキャベツは加熱をしてから与えるようにしましょう。
ただし、キャベツを与えすぎるとガスがたまったり、軟便や吐き戻しなどの原因になったりするので、1日5g程度を目安にするのがおすすめです。
白菜
キャベツに似た成分ですが、キャベツより低カロリーで食物繊維も多くありません。そのため、犬にとってトラブルが少ない野菜といえるでしょう。
1日に与える量は、加熱をした状態で10g程度が目安。細かく刻んでから与えるのもポイントです。
さつまいも
抵抗力を高めるビタミン群や、排便を促す作用のある食物繊維を豊富に含み、少量ならばおやつにぴったりの野菜です。
ただし、糖質が多いため、与えすぎると肥満のもとになるので要注意。犬に与えるときは、ゆでたり蒸したりしたものを、1日15g程度にしましょう。
きゅうり
きゅうりは約96%が水分でできているため、水分補給を目的としたおやつに適した野菜といえるでしょう。与えるときは皮をよく水洗いして、生の状態で1日20g程度を目安にしてください。
トマト
トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があり、また、水分も豊富に含まれているので、水分補給を目的としたおやつに適しています。
ただし、与えすぎは軟便につながるので注意が必要です。犬に与えるときは生の状態で1日15g程度が目安。ミニトマトなら1個程度にとどめ、ヘタと種は取り除きましょう。
じゃがいも
じゃがいもはでんぷんに包まれているので、加熱をしてもビタミンCの損失が少ないのが特長です。
犬に与える場合は、皮と芽を取り除いて必ず加熱をし、1日20g程度にしましょう。また、のどにつまらせる犬も多いので、細かく切って与えてください。なお、新じゃがいもなら皮をむかなくてもOKです。
にんじん
にんじんはβ-カロテンやビタミンが豊富の野菜です。ただし、食物繊維が多く含まれているため、生のまま与えると便が緩くなったり、うまく消化できずにそのまま便として出てきたりすることがあるのでおすすめしません。
犬に与えるときは加熱をして、少量からスタートするのがポイント。1日に与える量は5~10g程度が目安ですが、食べると便が緩くなる場合は与えないでください。
大根
大根には消化酵素が含まれており、食物繊維のバランスが比較的犬に適しています。ただし、食べすぎると軟便や下痢、消化吸収不良の原因になるので、与える場合は皮をむいた状態で5g程度にしましょう。すりおろして与えてもOKです。
ブロッコリー
ブロッコリーはビタミン類を豊富に含むため、犬にも好ましい野菜です。しかし、与えすぎないようにしましょう。
1日に与える量は、加熱をした状態で10g程度が目安。軸の部分は食物繊維が多いので、主に房の部分を与えるといいでしょう。
レタス
レタスは食物繊維が多くないので、比較的多めに犬に与えられる野菜です。また、成分の約95%が水分といわれ、ビタミンCやビタミンEも含むので、ふだんのおやつ代わりにするのもいいでしょう。
1日に与える量は、生もしくは加熱をした状態で1/2枚程度が目安。刻んでから与えると、犬も食べやすいでしょう。
かぶ
かぶの皮には腸を刺激して軟便にしたり、便を増やしたりする食物繊維が多いので、必ず皮をむいてから与えましょう。
1日に与える量は、生または加熱をした状態で20g程度が目安。固い茎は避け、葉はゆでて、刻んだものを少量なら与えてもOKです。
かぼちゃ
ビタミンC・E、β-カロテンなどの栄養素を豊富に含むかぼちゃですが、食物繊維が多いため、食べすぎると下痢につながることが。犬に与えるときは加熱をして、1日10g程度に抑えるとよいでしょう。
セロリ
セロリは茎や葉にβ-カロテンやビタミンC、ミネラルを豊富に含む野菜です。茎は生で与えても問題ありませんが、外側の筋は必ず取り除くようにしましょう。また、葉はゆでてから細かく刻むのがポイント。
1日に与える量は、生または加熱をした状態で、茎は1×5cm程度、葉は2枚程度が目安です。
パセリ
パセリは排便を促進する不溶性食物繊維が豊富なので、食べすぎると軟便や下痢の原因になります。便中にそのまま出てくることもあるので、みじん切りにして与えるようにしましょう。1日に与える量は、小さじ1程度を目安にしてください。
グリンピース
グリンピースはたんぱく質やビタミンBなどの栄養が豊富な野菜です。しかし、粒のまま与えると消化せず便に出てくることがあるので、犬に与えるときは、ゆでて薄皮を取り除くか、つぶしてあげましょう。1日に与える量は5粒程度が目安です。
犬に与えてはいけない野菜
玉ねぎ(ねぎ類)
玉ねぎなどのねぎ類には、犬の血液中に含まれる赤血球を破壊して、溶血性貧血を起こす成分が含まれています。犬が口にすると血尿などの症状があらわれ、最悪の場合は死に至ることもあるので、絶対に与えてはいけません。また、ねぎ類が含まれる調理品も同様です。
にら・にんにく
にらとにんにくはねぎ類と同じユリ科の食べ物で、赤血球を破壊し、貧血や下痢、嘔吐を起こす成分が含まれます。犬には与えないでください。
なす
なすは食物繊維が多く、さらにアクが強い野菜です。アクがカルシウムと結合すると、尿石症などのリスクが高まるので、犬には与えないほうがよいでしょう。
アボカド
アボカドの果肉や皮には、犬にとって有害な成分が含まれているため、嘔吐や下痢を起こすおそれがあります。また、種を誤食するとのどを詰まらせる危険もあるので、犬に与えてはいけません。
ごぼう
ごぼうは食物繊維が多く、アクが強いので犬には不向きです。犬が食べると消化不良を起こしやすいため、与えないほうがいいでしょう。
ぎんなん
糖質や食物繊維が多いため、食べすぎると腸内環境を乱す危険があります。また、生のまま食べると中毒症状を起こすおそれがあるので、犬には与えないでください。なお、道に落ちているぎんなんも、犬が誤飲・誤食しないよう注意しましょう。
とろろいも・長いも
とろろいもや長いもなど、粘り気のあるいも類は、犬の口のまわりにつくと、かゆみなどを引き起こすおそれがあります。犬には与えないようにしましょう。
犬に与えるときは注意が必要な野菜も
アスパラガス
アスパラガスは犬に与えてもいい野菜ですが、食物繊維が豊富なので、消化しやすいよう、ゆでて薄く刻んでから与えると安心です。
また、犬は飲み込む食性なので、かたい皮やはかまは取り除くのがポイント。1日に与える量は10g程度が目安です。
とうもろこし
生のとうもろこしを与えるはNGですが、ゆでたものならOKです。ただし、粒のままだと消化せずに便に出てくるので、ペースト状にするなどの工夫をしましょう。
1日に与える量は、加熱をした状態で10g程度が目安。芯の誤食にも注意してください。
ピーマン
ピーマンは犬に与えられる野菜ですが、皮は細胞が硬いため、食べすぎると下痢につながることがあります。できれば薄皮を湯むきし、加熱をしてから与えましょう。1日に与える量の目安は5g程度です。
ほうれんそう
ほうれん草は鉄分やβ-カロテンを含む栄養豊富な野菜ですが、アクに含まれるシュウ酸がカルシウムの吸収を阻害し、尿路結石などのリスクを高める危険性があります。
犬にほうれん草を与える場合は、ゆでた後に水洗いをし、細かく刻むのがポイント。1日に与える量の目安は小さじ1杯程度です。
きのこ類
しいたけにはビタミンD、まいたけにはビタミンB2、えのきだけにはビタミンB1などが含まれています。ただし、きのこ類は食物繊維を多く含むため、与えすぎには注意が必要です。犬に与えるときは、加熱をして1日5g程度を目安にし、いずれも細かく刻んであげましょう。
もやし
もやしは傷むのが早いので、なるべく新鮮なものを与えるようにしましょう。また、生のままでは消化に悪いため、加熱をしてから与えることも大切です。犬に与えるときは細かく刻み、1日小さじ1杯程度を目安にしましょう。
しょうが
しょうがに含まれる成分に犬への毒性はありませんが、刺激が強いので加熱調理したものをごく少量与えるようにしましょう。すりおろしてほかの食べ物と一緒に煮るのがおすすめです。
犬に野菜を与える際の注意点
調味料は絶対に使わない
人の場合、野菜には調味料をつけて食べることが多いですが、犬に野菜を与えるときに調味料を使うのは厳禁です。ケチャップやソースには、犬が中毒を起こす可能性のある玉ねぎなどが入っていますし、マヨネーズなどは高カロリーで肥満の原因につながります。
そもそも犬の食べ物に味付けは必要ないので、たとえ少量でも調味料は使用しないようにしてください。
種や皮、芯、ヘタなどは取り除き、細かく刻んでから与える
犬に野菜を与えるときは、種や皮、芯、ヘタなどは基本的に取り除きましょう。また、かたい野菜はまる飲みしてのどに詰まらせるおそれがあるので、小さくカットしてから与えることも大切です。
犬に野菜を与える際は量を守って
犬に与えられる野菜であっても、与える量を誤れば、体調不良を起こすおそれがあります。愛犬に野菜を与える際は、与えられるかどうかを調べるのはもちろん、与え方や量などをきちんと確認することが大切です。基本的に、総合栄養食を食べていれば、野菜を食べなくても問題ありません。愛犬が好まなければ無理して与えないようにしましょう
今回ご紹介しきれなった野菜については、以下もあわせて参考にしてみてくださいね。
参考/「いぬのきもち」『犬の食べ物図鑑 与えてOK?NG?2017最新版』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/ハセベサチコ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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