長寿の犬が増えてきているなか、犬の健康寿命について意識している飼い主さんも多いのではないでしょうか。今回はその要のひとつとなる犬の筋肉に注目。横浜戸塚プリモ動物病院院長の草場宏之先生に「散歩前後に効果的な犬のストレッチや筋肉のケア」について教えていただきました。
散歩前にオススメ!自転車こぎストレッチ
散歩前には、人の準備運動のように四肢の筋肉や関節を伸ばしてあげるとGOOD!
とくにシニア犬は筋肉がこわばりやすいので、しっかりと行いましょう!
1.愛犬を横たわらせ、リラックスさせる
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
愛犬を横向きに寝かしたら、愛犬をリラックスさせて余計な力を抜いてあげましょう。そっと声をかけたり、体をやさしくなでたりするとリラックスしやすいです。
2.足首を支えながら足をゆっくりと回す
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
《前足を前方向に回す》
愛犬の前足の足首を持って、前方向にゆっくりと回します。
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
《後ろ方向に回す》
その後、後ろ方向に同じように回します。
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
《後ろ足も同じように》
各5回ずつ、4つの足を同じように行ったら終了。
回すときは、愛犬の足を外側に引っ張らないように注意を!
ドッグランやアジリティ前にオススメ!トロット・サークルで温める
トロットとは馬がタッカタッカと歩く様子のこと。少し早めの速度で円を描きながら回るこの動きは、筋肉が適度に温まるので、運動前の準備に役立ちます。
大小の円を描くように愛犬を歩かせる
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
《小さく回る》
おやつで愛犬を誘導しながら小さな円を描くように10周程度歩かせ、反対回りも同じように行います。
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
《大きく回る》
次に大きな円を描くように愛犬と10周程度歩きます。反対も同様に行って。
散歩や運動の後にオススメ!さするマッサージでゆるめる
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
使ってこわばった筋肉は、やさしくさすってケアすることで、しなやかさをキープできます。
足のつけ根の筋肉に手のひらを当て、温めるようにさすってマッサージします。愛犬の表情を見ながら、気持ちよさそうにするくらいの速度や強さで行って。
これはNG!
マッサージ中に筋肉をもむのは×!筋肉が傷ついたり、痛みから愛犬が嫌がったりする可能性があるのでやめましょう。
散歩や運動の後にオススメ!パッティングでほぐす
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
パッティングとは、適度な強さでリズミカルに筋肉に刺激を与えること。筋肉がほぐれ、疲れが取れます。
指の腹を使って、背中や足のつけ根を弱い力でたたいて刺激を与えましょう。トントントンと一定のリズムで行うのがコツです。愛犬がリラックスしているなら、ベストな力加減です。
これはNG!
パッティングするときは、手を上から振り下ろすなど力を加えすぎないで。愛犬が恐怖心をいだいてしまいます。
しっかりとした筋肉を維持することで、肥満防止や寝たきり防止、関節の病気の緩和など、さまざまな効果が期待できます。今回の内容も参考に、愛犬の健康的な体を維持するためにはどうしたらいいのか、早いうちから考えていきたいですね。
お話を伺った先生/横浜戸塚プリモ動物病院院長 草場宏之先生
参考・写真/「いぬのきもち」2021年11月号『健康寿命をのばすには筋肉が必要だ! 犬の筋肉をつける・整える』
文/kagio