犬と暮らす
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ドライアイ、低体温症……「冬に気をつけたい犬の病気」って?
また、防寒対策を過度にしすぎることで起こるトラブルもあり、油断は禁物です。
ここでは、「冬に気をつけたい犬の病気」について、獣医師の藤田桂一先生と酒巻江里先生にお話を伺いました。
【寒い】ときに気をつけたい病気
【尿石症】
尿石症とは膀胱や尿道など、泌尿器に結石ができる病気で、その背景には細菌による感染症が関連していることも。寒いと飲水量が低下し、オシッコの機会が減少。すると通常はオシッコとともに体外に出される石のもとや細菌などが排出されにくくなり、病気を誘発するのです。
【膀胱炎】
尿石症と同様、寒さで飲む水の量が減りオシッコの頻度が減ると、膀胱内の菌が体外に排出される機会も減少。結果、菌が増殖してしまい、炎症を起こしやすくなります。
【低体温症】
犬の平熱は38〜39℃程度といわれますが、それより体温が下がってしまう状態です。子犬やシニア犬、甲状腺機能が低下している犬など、体温コントロールがうまくできない犬が寒い場所にいつづけることで発症しやすくなります。
【乾燥している】ときに気をつけたい病気・症状
【ドライアイ】
冬は好んでヒーターの前などで過ごす犬が少なくありません。ただそれが一因となって目の表面のうるおいがどんどん減り、ドライアイになってしまうことが。重度になると痛みが出る、失明などの危険もあります。
【肉球の角化亢進】
人も冬は手足が乾燥しますが、犬も同様で、冬は肉球にうるおいがなくなって表面が荒れがちに。悪化すると、表面がひび割れて出血することもあります。また散歩中に、少しの刺激ですり傷や切り傷を負いやすくなります。
【防寒対策】が招く病気・ケガ
【皮膚のただれ・毛玉】
長時間服を着せたままだと、皮膚が蒸れたり、長毛犬種だと毛玉の原因に。服は外出時など必要なときだけ着せ、脱がせたらブラッシングをして皮膚への通気性を高めて。
【外耳炎】
防寒対策として耳をおおい続けると、耳の内部の湿度が上がって外耳炎を起こすことが。とくに垂れ耳の犬はなりやすいので、過度な防寒は控え、まめに耳の中を確認しましょう。耳をよくかく、耳アカが増える、耳からニオイがする、耳の穴付近が赤くただれるなどの症状が出たら動物病院へ。
【低温やけど】
比較的温度の低い暖房器具に長時間皮膚がさらされることで起こるやけどです。犬の場合、ホットカーペットやカイロなどに長時間当たることでなる例が。熱源の上で長時間寝ていることの多いシニア犬や、子犬はとくに注意を。
冬場はコタツやヒーターなどコンセントにコードをつないで使用する電化製品が多いです。子犬はコードを噛んで遊ぶことがあり、最悪の場合、感電するおそれも。犬から目を離す際はコードをコンセントから抜いて。
参考/「いぬのきもち」2019年12月号『冬はこんな病気・ケガに気をつけて』
イラスト/大塚砂織
文/いぬのきもち編集室
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