犬と暮らす
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【愛犬のがん闘病記】15才で腫瘍を摘出したひめちゃんのお話
いまや「がん」は、犬の死亡原因のトップに。そこで、がん治療にくわしい堀川歴央先生(レオどうぶつ病院院長)に、愛犬の「がん」を乗り越えた飼い主さんをご紹介いただき、インタビューさせていただきました。
今回は、神奈川県の本間久美子さんとゴールデン・レトリーバーのひめちゃんの闘病記をお送りします。
13才で見つかった悪性腫瘍を、抗がん剤と15才での手術で治療
右肩のしこりに気づいた瞬間、暗い気持ちに……
「レトリーバーにがんが多いことは知っていたので、しこりに触れた瞬間、もしかしてと不安でした」と本間さん。
当時、遠方に通院していましたが、ひめちゃんの負担を考え昨年5月、近所のレオどうぶつ病院にお世話になることに。
しこりの細胞を検査する細胞診の結果、悪性度の高いがん、とくに組織球肉腫の疑いが。がん細胞が全身に広がりやすいタイプのため、手術よりも全身に薬をめぐらせる抗がん剤治療を提案されました。
「手術は、シニア犬にリスクが高いと思って抵抗がありました。抗がん剤治療についても、苦しむイメージが強く、人でもつらいと知っていたので、ひめにはさせたくないと思っていました」
抗がん剤治療の目的は、がんをたたくのではなく、がんの成長を遅らせておとなしくしてもらい、できるだけ長く現状維持するためで、体調の変化が出ない範囲で使うと説明を受けました。堀川先生の丁寧な説明に納得しての決断でしたが、「自分が決めたことで、ひめを苦しませてしまったら」と不安もありました。
もっといっしょに暮らせるならと、手術に前向きになれた
待合室でも、「抗がん剤治療中なのにこんなに元気なの?」と驚かれることもしばしば。そんなひめちゃんを見て、「もしもこの先、もっといっしょに暮らせるなら、大きな腫瘍がないほうが快適かな」という思いがわくように。
このころ、堀川先生から腫瘍切除の提案があり、何度も先生と相談した結果、「今なら」と手術を決断。手術は2021年の7月に行い、無事に成功しました。
「手術に踏み切ったのは、がんとつきあいながら16才、17才を迎えたゴールデンのコがいると知ったことも大きかったです。シニア犬でもあきらめちゃいけないと希望をもらいました。ひめも、これからもっと長寿を目指したいと思います」
ひめちゃんの闘病中のお世話
3~4週に1回の抗がん剤治療と毎週1回、体調管理のために通院
「ひめがうれしそうだったので、楽しく通院しました」と本間さん。
切除手術後は、傷口の保護のためにTシャツを着用
お話を伺った先生/レオどうぶつ病院・院長 堀川歴央先生
参考/「いぬのきもち」2021年12月号『愛犬のがん闘病記』
写真提供/本間久美子さん
取材・文/伊藤亜希子
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